2017年1月26日更新

【ペットシッターが解説】シェトランド・シープドッグとの暮らしで注意すること

シェトランド・シープドッグの性格と性質

性格


シェルティーの愛称で親しまれているシェトランド・シープドッグは、明るくて優しい性格を持っています。さらに非常に賢いのでしつけもしやすいとされています。家族と一緒に過ごす時間が大好きで、愛情を注ぐとそのまま愛情を返してくれる穏やかな優しさを持っています。

子供たちとも仲良く遊ぶことができますが、牧羊犬の本能から見知らぬ人に対して警戒心をもつ臆病な面からよく吠えてしまったり、足にかみつこうとすることもあります。その為、子犬の頃からしつけをしっかり行う必要があります。しつけにおいては、その利口さと忍耐強さを発揮してくれるため、リーダーとなる人が徹底したしつけを行うことが大切です。

運動能力が高く、活発な面を持っていますが、見知らぬ人や犬に対しては、吠えたり逃げてしまう場合があるほど、臆病な面をもっています。神経質な面を理解した上で、日々遊びや運動をたっぷり取り入れた生活を送るとよいでしょう。

性質


スコットランドから北に進んだところにシェットランド諸島があります。この地方の家畜は厳しい環境のもと、小型だったと言われています。ここで、牧羊犬として働いていた犬が、シェットランド・シープドッグ(シェルティー)です。

シェルティーは体全体が美しく長い被毛で覆われています。また飾り毛も特徴的ですが、もつれや毛玉ができやすくブラッシングと手入れが必要になります。もともと皮膚疾患も起こしやすい犬の為、被毛の手入れを怠ると皮膚病の原因にもなってしまいます。

シェルティーが牧羊犬の本能も持っている為、しつけをすることや被毛の手入れをすることなど、家庭犬としては、愛犬の為に時間を作ることができる方に向いています。また、肥満で高脂血症にもなりやすいことから、食事管理や運動によって健康管理をしっかり行う必要があります。

シェットランド・シープドッグの飼育の注意点

室内環境

シェットランド・シープドッグ(シェルティー)は、密集したダブルコートの被毛に覆われており、暑さには特に注意しなくてはいけません。特に夏は、熱中症に注意が必要な為、冷房を使って、室温管理には十分注意するようにしましょう。

夏の室温は23~25℃ほど、冬は26~28℃ほどで、人が快適に過ごすことができる温度に設定しておくとよいでしょう。停電などが起きた場合や高齢になってほとんど同じ場所で寝ているという場合も注意しなくてはいけません。夏の熱中症は、命の危険につながります。冷感マットなどを使いながら、体を冷やすことができる場所を作っておきましょう。

冬は、人が快適に過ごすことができる室温がよいですが、暖房を使いながら湿度を保つことも大切です。乾燥によって、ウイルスが蔓延したり、被毛の乾燥につながってしまいます。加湿器を併用し、夜はペットヒーターをベッド周りに入れてあげるなどして環境を整えてあげましょう。


シェットランド・シープドッグ(シェルティー)は家族と室内で遊ぶことも大好きです。とても利口ですので、子供の遊び相手となって、夢中でボール遊びをすることも大好きです。しかし、関節の病気にもなりやすいので、床材や室内の環境には十分注意してあげなくてはいけません。

まずは、愛犬が過ごすスペースにカーペットを敷く、ペット専用の滑り止めつきマットを敷く、コルクマットを敷くなどして、関節に負担をかけないようにしましょう。また、ソファや段差には滑り止めつきのステップを設置するなど、関節への負担を減らすことがとても大切になります。

家具の配置

シェットランド・シープドッグ(シェルティー)はとても利口ですが、臆病で神経質な面も持っています。部屋自体が広い自分の縄張りだと感じるようになると、さらに神経質となり、物音や窓から見える人影などの度に吠えてしまうということにもなりかねません。

シェルティーは、非常に優秀は牧羊犬の為、リーダーとの関係もとても大切になります。しつけの意味でも、愛犬が安心できるパーソナルスペースを確保してあげましょう。サークルを置き、その中にベッドやトイレ、食事場所を作っておくと、留守番の際や来客時なども安心してその中で過ごさせることができます。愛犬自身も、自分だけでもスペースで休むことができるということは精神状態の安定につながります。

シェルティーにとって効果のあるサークルは、その置き場所には注意しましょう。日当たりが良く、風通しのいい場所、そして家族とコミュニケーションを取ることができる場所に置くようにしましょう。直射日光がそのまま当たってしまうと、いくらクーラーがかかっている部屋であっても、夏は熱中症の危険性がありますので、注意が必要です。

運動

シェットランド・シープドッグ(シェルティー)は、もともと牧羊犬として1日数時間走っていたこともあり、運動不足はストレスにつながってしまいます。1日2回30分程度の散歩をしっかり行うようにしましょう。ただし、成長段階にある子犬の場合や老犬は、関節を傷めてしまう可能性もありますので、注意しましょう。また、暑い日の散歩は、熱中症にも十分注意しましょう。

シェルティーは、非常に賢く、運動中のトレーニングも大好きです。ボールやディスクなどを使ってたくさん走る中でも、様々なコマンドに反応することや集中する喜び、好奇心を満たしてあげるような遊びを取り入れてあげるとよいでしょう。

シェルティーは、散歩中のしつけもとても大切になります。牧羊犬としての本能から動いている物を追いかけようとして突然走り出してしまう、興奮状態で人の足に噛みついてしまう、臆病ゆえに他の犬に吠えてしまうなど、注意しなくてはいけない様々なケースが見られます。散歩を行う前には、リードや首輪のチェックを行い、何かあっても対応できるよう基本的なしつけを行うようにしましょう。

しつけ

牧羊犬としての性質を理解した上で、家族の中でリーダーとなる人が、しっかりとしつけを行わなくてはいけません。警戒心が強い上、羊の足先を噛むこと、誘導の為に吠えること、これがシェルティーには備わっているのです。しかし、噛むことや吠えることは、現代生活においては困った問題につながります。信頼できるリーダーのもとに指示に従うことができるよう徹底したしつけが必要になるのです。

シェルティーのしつけはリーダーである人の指示が首尾一貫していることが大切になります。いけないこととよいことは、常に一貫していること、よいことを褒めて伸ばしていくということが信頼関係を作る上でとても大切になるのです。

室内の中でも無駄吠えをさせないようなしつけをすることが大切です。見知らぬ人への警戒心が強いシェルティーですが、社会経験を積むことはとても大切なことです。外出の際に、様々な人や物、犬と触れ合う経験を積み、神経質になりすぎないよう様々な環境に慣らしていくとよいでしょう。

シェットランド・シープドッグのケア方法

ブラッシング

シェットランド・シープドッグは、ダブルコートの被毛が特徴的です。普段は、ピンブラシで毛並みを整えるブラッシングを行えば十分ですが、週1回程定期的にしっかりとスリッカーやコームを使って毛玉やもつれを防ぐようにしましょう。

換毛期になると、非常に抜け毛が多くなります。抜け毛をそのままにしておくと、皮膚病の原因にもなってしまいますので、毎日ブラッシングするようにしましょう。特に、シェルティーの特徴でもある首から胸にかけての飾り毛や脇の下、毛の豊富な尾やお尻の部分は、毛玉になりやすい部分です。丁寧に毛をかき分けながらブラッシングするようにしましょう。

スリッカーは抜け毛を取り除くことに便利ですが、強くスリッカーをかけると、皮膚を傷めてしまうこともあります。毛を掻き分けながらとかしていき、皮膚にはあたらないよう注意しましょう。また、ブラッシングが嫌いにならないように子犬の頃から少しずつ慣らしておくということも大切です。

爪切り


運動が大好きなシェットランド・シープドッグ(シェルティー)は、外の散歩で爪が削れていくこともありますが、定期的に爪切りは行うようにしましょう。削れた部分や伸びてしまった部分がばらばらにある状態では爪が引っかかって怪我をしてしまうこともあります。もちろん、そのまま伸びた状態にしておくと、歩行に影響が出てしまったり、伸びた爪がそのまま肉球に刺さってしまうということもあるのです。

爪きりは少しずつ慣らしていくことが大切になります。とても利口なシェルティーは、爪切りが嫌になってしまうと、爪切り自体を見ただけで逃げてしまったり、体をおさえられることも嫌になってしまう場合があります。これでは、ブラッシングなどの体の他の手入れにまで影響してしまいますので、まず爪切り自体に慣らすところから始めましょう。

爪を切る場合は、血管と神経を切らないように気をつけます。爪切りを嫌がる場合はペット用の爪きりで1本だけ行うことを繰り返し、徐々に慣らしていくだけでも十分です。もちろん、トリミングの際にトリマーさんにお願いしたり、健康診断などの際に獣医師にお願いして、無理をさせないこともひとつの方法です。

肛門腺絞り

肛門膿という分泌液が溜まると、お尻に違和感を感じ、さらにそのままにしておくと、炎症が進み、穴が開いてしまうこともあります。分泌液が溜まった状態でそのままにしておくと、分泌液自体が固くなってしまい、絞りだすことが大変になることもあります。個体差がありますが、小型犬は自分で出せないことが多く、シェットランド・シープドッグ(シェルティー)も定期的に絞ってあげるようにしましょう。

肛門腺絞りは自分で行うことができます。人差し指と親指で犬の肛門をつまみ、4時と8時の方向で下から上につまみ出すように絞ると分泌物が出てきます。肛門周辺の皮膚は、無理に絞り出そうとすると、傷つけてしまうことがあります。難しい場合は、トリミングの際にトリマーさんにお任せしたり、定期的に獣医師にお願いしてもよいでしょう。

耳掃除

シェットランド・シープドッグ(シェルティー)の耳は、本来は3/4 が立ち、 1/4 の部分は前に垂れています。しかし、完全に立ち耳の犬や垂れ耳の犬もいますので、耳の形はそれぞれです。垂れ耳の場合は、立ち耳に比べて通気性が悪く汚れも溜まりやすいので注意しましょう。

健康な耳であれば、週1回程度、犬用のイヤークリーナーを使って耳のお手入れをしてあげるようにしましょう。耳にイヤークリーナーを垂らして、あとは外から耳を挟んでクチュクチュ音がするのを確認しながらマッサージするようにしていきます。耳垢が溜まっている場合や、黒い耳垢が出てくる場合、においがきつい場合は、早めに獣医師の診察を受けるようにしましょう。

イヤークリーナーを耳の中に入れたあと、犬がブルブルとした時に出てくる汚れをコットンなどで優しく拭きとってあげるようにします。綿棒などを使うと、耳の奥に汚れを押し込んでしまったり、皮膚を傷つけてしまうこともありますので、注意しましょう。耳の皮膚はとてもデリケートです。耳掃除によって外耳炎を引き起こしてしまうこともありますので、注意しましょう。

目の手入れ

シェットランド・シープドッグ(シェルティー)は、個体差がありますが、涙やけを起こしてしまうことがあります。涙に含まれる脂質が空気に触れることで酸化し、目の周りの毛の変色が起こるものが涙やけです。いつも湿っている状態になると、不衛生な状態になり、においがきつくなってしまうこともあります。

涙やけ対策のグッズは多く販売されています。日常ではコットンで優しく拭き取る程度で構いませんが、ひどくなってきている時は涙やけ専用の薬剤成分が入ったシートを使ってみてもよいでしょう。まずは、こまめに目の周りを拭いてあげることが大切です。

涙やけは目の病気やなんらかの原因で涙が多くなってしまう流涙症の場合や、アレルギーと関係している場合もあります。こまめにお手入れしていても、涙が多く涙やけを起こしてしまうといった時は、早めに獣医師に相談しましょう。

歯磨き


シェットランド・シープドッグ(シェルティー)の歯磨きは子犬の頃から習慣にすること、歯周病を予防することができます。食べかすがそのまま歯垢となり、歯石までたまってしまうと、麻酔をかけて歯石除去をしなくてはいけなくなってしまいます。歯磨きは、毎日やることが難しくても週1回しっかりとやってあげるだけでも、予防につながります。

歯磨きを突然しようとすると、嫌がってしまうことも多いものです。最初は、指にガーゼや専用の歯磨きシートなどを巻いて、表面の汚れをふき取ってあげるようにしてもよいでしょう。まずは口の中を触ることができように日々の習慣をもつことが大切です。また、日々の運動やトレーニングの中で歯磨き効果のあるガムを与えてみてもよいでしょう。

口の中まで開けることができ、歯磨きができるようであれば、犬用歯ブラシや子ども用歯ブラシを使って、奥歯までしっかり磨いてあげましょう。愛犬とのコミュニケーションの時間になれば、歯磨きも楽しい時間となり、口の中のチェックもしっかりできるようになります。

シェットランド・シープドッグがかかりやすい病気

(CEA=コリー眼異常)

 
シェットランド・シープドッグ(シェルティー)は先天的に目の病気になりやすいと言われています。その中のひとつがCEA=コリー眼異常です。この病気は失明の原因になっており、遺伝的な要因があります。

通常はブリーダーさんのもと、生後5~6週でコリーアイの診断がされてきます。しかし、症状が出ない場合や失明の隠れた原因になっていることもあり、注意が必要です。遺伝性の目の病気ですので、子犬の状態から目のチェックは行い、異常があれば、早めに獣医師のもと検査を受けるようにしましょう。

皮膚疾患

シェットランド・シープドッグ(シェルティー)は、皮膚の病気も比較的多い犬種のひとつです。ノミやダニ、アトピー性、アレルギー性などの原因があります。様々な原因のもと、総合的に体をひどくかゆがっていたり、炎症を起こしてしまうことがあります。

皮膚病の治療の場合、原因であるものを探すことが必要になります。アレルギー性の場合は、アレルゲンを取り除く必要があり、食事が関係していることもあります。シャンプーが影響している場合、他の疾患が原因となっていることもあります。

いずれにしても、普段からブラッシングを兼ねて皮膚の状態をチェックしておくこと、定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保つことが大切です。皮膚の赤みや脱毛、においやべたつきなどなんらかの異常を発見した場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

子犬期の注意点

シェルティーは運動することや遊びが大好きでとても活発な犬種です。一方で気性が激しい面を持っていますので、コミュニケーションをしっかり取りながらたくさん遊んであげることが大切になります。また、子犬の頃はしつけも大切な犬種です。甘やかしてしまうと強気な性格からどんどんわがままになってしまいます。遊びと休ませるタイミング、遊びとしつけのメリハリがとても大切になります。

活発なシェルティーにとってアジリティーも最適な運動です。しかし子犬の頃は、骨の成長段階であり、関節を痛めやすいので十分に注意し、過度な運動は控えるようにしましょう。お部屋の中で遊んだり運動する場合も、フローリングで滑って股関節が外に開いてしまったり、骨折や脱臼につながらないように注意が必要です。外で運動できるようになってからは、アジリティーに挑戦してもよいですが、やはりアスファルトなどの固い地面は子犬のうちは特に注意しましょう。

活発なシェルティーにとって運動と食事、睡眠のバランスがとても大切になります。シェルティーの子犬は神経質であったり臆病な面を持っていることもあり、様々な原因で食が細くなってしまうこともあります。フードをお湯でふやかしたり何かをトッピングする、ハウスで食事をする習慣をもつなど、愛犬の食事に関しても生活習慣の中で注意してみてあげるようにしましょう。

シニア期の注意点


元気いっぱいにはしゃぐことが大好きなシェルティーですが、シニアになってからは心臓病や関節の痛みなどが出てきやすい犬種でもありますので、定期的な健康診断と愛犬のペースに合わせて適度に運動するようにしましょう。運動をすることは気分転換となり、血行もよくなります。脳の活性化、代謝アップにもつながりますので、可能な範囲で散歩に行くとよいでしょう。

シェルティーの毛並はとても美しく、柔らかく毛量もとても多いものですが、だんだん毛の色がうすくなってきたり、筋肉が衰えてくるなどの症状があります。被毛や皮膚の状態をしっかりチェックする習慣を持つようにしましょう。また、食事のペースや消化、吸収、能力も低下してきます。シニア向けフードに切り替えるなど、愛犬の栄養管理に十分注意してあげましょう。

お部屋の中で寝て過ごす時間が多くなる老犬の為に、ゆっくり休むことができる環境を用意してあげるようにしましょう。もともと活発で神経質であったシェルティーもシニアになると動きがゆっくりになります。今まで神経質に吠えた愛犬が吠えなくなる、おもちゃにあまり興味をもたなくなったなど、心の変化によって老化が進んでいることもあります。ゆっくり休める環境の中でも、愛犬とのコミュニケーションを大切にしましょう。ただし、ふらつきなど神経症状が出ている場合は、早めに獣医師に相談しましょう。

季節ごとの注意点

シェルティーにとってとても過ごしやすい季節ですが、子犬や老犬は特に気温の変化に注意しなくてはいけません。ダブルコートのシェルティーは比較的寒さに強いものですが、急激な温度変化や朝晩の寒さは体を冷やす原因になってしまいます。室温管理に注意するようにしましょう。

春になると外にお出かけすることも多くなります。シェルティーは外で遊ぶことも大好きで活発な犬種ですので、ストレス発散の為にもたっぷりお散歩などで運動する時間を作りましょう。しかし一方で、ノミやダニの寄生虫、また腸内寄生虫の感染など感染症に十分注意したい季節でもあります。ノミダニ対策、フィラリア予防薬、動物病院で検査を行い、適切な予防薬を服用するようにしましょう。また、狂犬病予防接種の時期でもありますので、必ず受けるようにしましょう。

シェルティーは春から夏にかけて抜け毛がとても多くなります。また胸の周りの豊富な毛や耳のあたりの飾り毛はからまりやすくなってしまいます。お散歩が気持ちいい季節ではありますが、お散歩の後などはブラッシングでほこり、毛玉やもつれを取りのぞくようにしましょう。また、美しい被毛を保つためのシャンプーも2週間から3週間に1回は行うようにしましょう。

ダブルコートのシェルティーにとって夏の暑さはとてもつらいものです。特に熱中症には注意しなくてはいけません。熱中症は家の中にいてもかかることがありますが、外で遊ぶ場合はさらに注意が必要です。お散歩の時間も夕方以降涼しい時間にするなど、生活スタイルを改めて見直すようにしましょう。

室温は、人間が快適に過ごすことができる温度で十分ですので、エアコンを上手に利用しましょう。ただし、冷房の風が直接当たってしまうと、体があっという間に冷えて体調を崩す原因にもなってしまいます。ケージやベッド、愛犬が過ごす場所に直射日光が当たっていないか確認すると共に、冷風もあたっていないか確認しましょう。

夏バテによって、体力や食欲が減退してしまうこともあります。普段から食が細いシェルティーの場合は、さらに注意が必要です。食欲が低下してしまった場合は水分量が多く嗜好性も高いウェットフードを与えてみるなど、少量であっても栄養補給できるような食事を心がけてあげるとよいでしょう。ただし、高カロリーな物を与え過ぎると、肥満や皮膚コンディションを悪くする原因になりますので注意しましょう。

秋は気温が下がって春と同じくシェルティーにとっては過ごしやすい季節になります。冬に向けて体力を回復させておきたい季節でもありますが、注意すべき点は食欲と肥満です。急に食欲旺盛になってしまい、欲しがるままに与えていると、あっという間に肥満になってしまってしまいます。食欲旺盛になったからと言って与え過ぎないように十分に注意しましょう。

秋はお散歩も気持ちよい季節です。春夏と同様に、秋になってもフィラリア症の予防薬とノミの駆除薬は続けるようにしましょう。また、お散歩のあとのブラッシングや被毛の手入れはしっかり行うようにしましょう。皮脂が残っていたり、逆に乾燥してしまっていると、被毛にダメージを与えてしまいます。万が一、痒がるなど、皮膚に異変を感じた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

ダブルコートのシェルティーは比較的寒さには強いと言えますが、体の冷えは体調不良の原因になります。室内であっても気温が下がると、体調不良の原因になってしまいます。暖房をつかって、室内の温度に十分注意しましょう。また、暖房を使うことによる乾燥にも注意しましょう。室内の乾燥は、ウイルスの蔓延や気管支炎、被毛の乾燥などを引き起こしてしまいます。暖房とあわせて加湿器を上手に使うようにしましょう。

暖房器具を使用すると、気づかないうちに体が温まりすぎて脱水症状を起こしてしまうことがあります。特にヒーターやこたつによる火傷、電気コードによる事故などには特に注意しましょう。家族と一緒にいる時間が大好きで特に子犬のうちは様々な物に興味を持ってしまいます。年末年始のご馳走も思わぬ誤食につながってしまう危険性もあります。危険な物は片づけておくようにしましょう。

子犬期に気を付けたい病気とその兆候

股関節形成不全

股関節形成不全は、シェルティーの子犬にも多い先天的な股関節の病気です。先天的に亜脱臼を起こしていますが、進行していき関節炎を起こしたり、ぐらぐらと不安定な股関節になってしまいます。

股関節形成不全は、その症状によって軽度から重度まで進行具合は異なりますが、おすわりができない、腰を振るような歩き方や跳ねて歩くような動きが見えた時は注意が必要です。成長と共に症状が現れる為、一旦症状が落ち着くこともありますが、関節炎で運動自体を嫌がってしまうようなこともあります。

先天的な病気であるため、獣医師と相談しながら病気と付き合い、場合によっては手術を行うなどの治療方針を考えていきます。成長段階にある子犬の骨は、毎日十分な栄養をとっていても思わぬ事故から骨折や脱臼につながってしまうことがあります。日々の生活の中で、関節に負担をかけないようなお部屋の環境づくりをしていくことも大切です。

コリーアイ

見た目では気づかない場合もありますが、重度の場合は失明に至ることもある先天性の目の疾患です。コリーやシェルティーが発症する病気で、生後2か月ぐらいまでの間に発症する場合もあります。

先天的な眼形成の異常の為、脈絡膜の発育不全の部分がある、一方網膜内に過剰な血管があるなど、見た目では気づかないこともあります。しかし、網膜剥離などで視力障害が出てくる為、子犬でありながら物にぶつかるなどの症状が出てくることがあるのです。

気づかないうちに病状が進行していること、根本的な治療がないこと、その為気づいたときに重度であることもあります。子犬のうちから気になる点があれば、早めに獣医師に相談するようにしましょう。

シニア期に気をつけたい病気とその兆候

結膜炎

シェルティーは年齢と共に目の病気にもなりやすくなります。目の中に傷がつきやすかったり、汚れが入りやすくなってしまいます。目に毛やほこりなどの異物が入っている時は片目だでけも炎症が起きますが、細菌感染やなんらかの病気が原因になっている場合は両目に炎症が出てくることがあります。まぶたの裏を覆っている結膜が炎症を起こして結膜炎になり、場合によっては角膜炎などになることもあります。

高齢になると、視力低下が進んでくることも多いものですが、白内障や緑内障を起こしている場合もあります。結膜炎や角膜炎は、目を痛がったりかゆがったりの症状があらわれます。原因によって異なりますが、目薬などの治療が必要になりますので、早めに原因を見つけることが必要になります。白内障や緑内障は、加齢とともに症状が進行していきます。早期発見によって、進行を遅らせることも可能ですので、早めに診察を受けるようにしましょう。

鼻腔腫瘍

シェルティーが発症する悪性腫瘍の中でも多い物が鼻腔腫瘍です。初期の段階では、鼻水やくしゃみ、目やになどの症状が出てきますが、進行によって鼻血が出るなど、呼吸にも影響を及ぼすようになります。また、この病気は鼻に腫瘍ができる為、顔のバランスが崩れてくるなど見た目でも異常を感じるようになります。

鼻の腫瘍に放射線治療をすることができる病院もありますが、外科手術が多く選択されます。しかし、腫瘍の進行具合によって治療ができるかどうかも異なりますので、獣医師と相談し治療を決めることが必要になります。

健康に過ごすためのボディチェック

体全体のチェック

まずはシェルティーの体全体を触ってあげる習慣をもちましょう。ボディチェックは、コミュニケーションの一環としてもとても大切です。背中や胸など、愛犬が気持ちよいところを触ってあげながら、たくさん褒めていきましょう。

飾り毛も豊富なシェルティーにとっては、ブラッシングをする習慣もとても大切です。丁寧にもつれを取りながら、コームや獣毛ブラシで艶を出すようにしましょう。あまりに強くスリッカーでブラッシングしていると、皮膚まで傷つけてしまうことがありますので注意が必要です。被毛のチェック、皮膚のチェックもしてあげましょう。

特に梅雨の時期は、大切な飾り気も毛玉になりやすいものです。そのままにしておくと、衛生的にもよくありません。毛玉やもつれは解いてあげるようにしましょう。あわせて皮膚のチェックも大切です。炎症や脱毛などがないか、また掻いてしまった跡がないかなどチェックしてあげましょう。

足先は嫌がる部分でもありますが、散歩後などに足の裏のパッドが傷ついていないか、何か異物が刺さっていないかなどチェックすることも大切です。また、爪が伸びていないかもしっかりチェックしてあげましょう。

お尻付近やしっぽの周辺も触られることを嫌がる部分ではありますが、優しく声をかけてあげながら見るようにしましょう。シェルティーが地面にお尻をこするようなしぐさをしている時は、肛門腺絞りが必要なサインです。その他、お尻周辺が汚れていないか、下痢の跡や肛門周辺の炎症はないかなどチェックしてあげましょう。

顔周りのチェック

元気な場合は顔もとてもイキイキとしています。シェルティーは目の病気にもなりやすい犬種です。普段から目の輝きを見てあげましょう。逆さまつげになっている、目の炎症が起きている、いつもよりまぶしそうにしている、痛がっているなどの様子があれば、早めに獣医師に診てもらいましょう。なんらかの病気が原因で涙が多くなると、涙やけにもなりやすいので涙が出ている場合は丁寧にふき取ってあげましょう。

シェルティーの耳は通気性が比較的よい立耳ですが、においがする、耳周辺が汚れている、耳垢が出てくるといった場合は、外耳炎や耳ダニの感染などを起こしている場合があります。また丁寧に耳掃除をしようとしたあまり、耳を傷つけてしまっていることもあります。においや耳の炎症、赤みが気になる場合は早めに獣医師に診てもらいましょう。耳の炎症は、アレルギーによって引き起こされていることもありますので、注意してみるようにしましょう。

口のチェックも大切です。犬は歯周病になりやすく、特に老犬は注意が必要になります。毎日の歯磨きが効果的ですが、難しい場合は、指先に布を巻いてふき取るようにマッサージしてあげるだけでも効果があります。愛犬が口を触ることに対して嫌がったり、恐怖を感じているようであれば、少しずつ慣らしてあげるようにしましょう。

健康な犬であれば、鼻は適度に湿っています。乾いてしまっている、鼻水が出てしまっている場合は体調不良になっている場合があります。早めに獣医師に相談するようにしましょう。

ayuka



ペットシッター

子どもの頃から動物が好きで、ペットのことを学べる専門学校へ進学。卒業後、会社員を経て、ペットシッターとして独立。愛玩動物飼養管理士、愛玩動物救命士の資格を取得し、日々たくさんのわんちゃんやネコちゃんのお世話に奮闘中。自宅では、トイプードルと猫1匹とのんびりとした時間を過ごす。

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