2016年8月3日更新

【獣医師が解説】子猫の授乳をする時の注意点

生まれて間もない子猫を保護したら、その日から子猫への授乳を行なうことが必要です。生まれて間もない子猫への授乳を適切に行なうことは、子猫の命を守るためにとても大切なことなのです。ここでは、保護した子猫への授乳について解説します。

子猫に授乳をする前に

保護したばかりの子猫は衰弱していたり、体温が下がっていたりすることがあります。子猫の体温が下がりすぎている状態は子猫の命に関わります。また、体温の下がった子猫はミルクを飲むことができません。まずはタオルでくるんだ湯たんぽなどを使って子猫を温めてあげてください。そして、子猫を保温しながら授乳をはじめましょう。

授乳のしかた

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子猫の口のまわりに哺乳瓶の乳首をそっとあてると、自分から乳首に吸い付くはずです。子猫が衰弱していて自力で乳首に吸い付くことができない場合には、まずは体温が低下していないか確かめてみてください。もしも子猫の体温が低下しているならば、子猫を温めてあげてから再度授乳してみましょう。

授乳の姿勢

子猫のお腹を下にして、母猫の乳首に吸い付くのと同じようにミルクを与えてください。あらかじめ乳首をミルクで満たしておき、空気を吸い込まないようにしてあげましょう。飲み終わったら、口のまわりのミルクをきれいにするとともに、可能であれば少し背中をさすって飲み込んだ空気を出してあげましょう。また、授乳がおわったら排尿もさせてあげましょう。

子猫が自力で哺乳瓶から飲めないときは

子猫を保温しても乳首に吸い付くことができない場合には、ミルクを口の端からほんの少しずつ、そっと湿らせるように与えてみてください。子猫が自力で乳首に吸い付くことができないからといって、無理やり子猫の口の中に乳首を押し込むようなことはしないでください。焦らずに少しずつ、ゆっくりと口を湿らせるようにしてミルクを与えましょう。

はじめは自力で飲めなかった子猫でも、保温して何度か口にミルクを湿らせるように与えているうちに、自力で飲めるようになることも少なくありません。それでもどうしてもミルクを飲まない場合や、子猫が衰弱してしまっているような場合は、至急動物病院を受診してください。

子猫に与えるミルクについて

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子猫には、子猫専用のミルクを与えてください。子猫専用のミルクには、リキッドタイプのものや粉末タイプのものが販売されています。リキッドタイプのものを使用する場合は、哺乳瓶に10〜20mlほどのミルクをいれ、お湯をはったボウルなどで温めてください。

授乳に慣れるまでは、粉ミルクよりリキッドタイプの方が使いやすいかもしれません。リキッドタイプは温めるだけで使うことができるので、粉ミルクと比べてとても便利です。ただ、子猫が小さいうちは1缶を1度に使いきることができないため、残ったミルクを廃棄することになるでしょう。そのため、粉ミルクと比べて経済的な負担は大きくなります。

粉ミルクの場合は、ミルクをお湯で溶かした後、哺乳瓶ごと流水で冷ますようにしてください。また、粉ミルクを溶かすときは、必ず記載されている濃度を守るようにしてください。

ミルクの温度はどれくらい?ミルクの温度の確認方法は?

どんな種類のミルクを与えるにしても、ミルクを与えるときは、母乳に近い38℃程度に調整してください。授乳する前にミルクを手の甲に垂らしてみて、人肌に冷めていることを必ず確認しなくてはなりません。

ミルクの温度が高すぎると、子猫が火傷をしてしまい非常に危険です。一方、ミルクの温度が低すぎると子猫はミルクを飲まなくなってしまいます。さらに、温度の低いミルクは、たとえ子猫がミルクを飲んだとしても子猫の体温が下がってしまうために好ましくありません。

授乳をしている間にミルクの温度が下がってきてしまうこともよくあることです。ミルクの温度が下がってしまったら、再度湯せんで温めるようにしてください。温めたあとは、授乳の前に再び手の甲にミルクを垂らし、温度を確認しましょう。

どれくらい飲ませたらいいのか?

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自力で乳首に吸い付くことができる子猫ならば、欲しがるだけミルクを与えてよいでしょう。子猫はお腹がいっぱいになったら、自分で乳首を離すはずです。一方、自力で乳首に吸い付くことができない子猫の場合は、様子を見ながら少しずつ授乳してください。飲み込むことができずに口からあふれてくるようであれば、一度にたくさん与え過ぎです。

授乳間隔は?

生後1週間は2〜3時間おき、あいても4時間間隔で授乳するようにしてください。生後2週間をすぎたら、少しずつ間隔をあけていき、1日に5〜6回程度を目安にしてください。

衛生管理

抵抗力の弱い子猫を育てて行く上で、衛生管理はとても大切なことです。子猫が飲みきれずに哺乳瓶に残ったミルクは、必ず廃棄してください。もったいないからといって再利用してはいけません。哺乳瓶は使ったらすぐにきれいに洗って、可能なら熱湯消毒をしてきちんと乾燥させておきましょう。

大切な栄養源であるミルクを、上手に飲ませてあげてくださいね

保護された子猫にとっては、人間が与えるミルクが唯一の栄養源です。子猫の命を守るためには、適切なタイミングで適切な方法で授乳をすることがとても大切です。生まれて間もない子猫の場合は、夜間も頻繁な授乳が必要となります。くれぐれも、朝までほったらかしておくといったことのないようにしてくださいね。

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