2016年10月8日更新

【動物看護師が解説】猫の偏食をなおすには?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

猫に多い偏食。昨日は美味しそうに食べていたのに、今日は全く口を付けてくれないなんて日常茶飯事ですよね。食の好みが変わる定期的なサイクルがあるわけでもなく、完全に気まぐれなのでご飯のストックも置いておけず大変な思いをしている飼い主さんもいることでしょう。

猫はグルメだと言われるから、仕方のないことなのでしょうか?偏食を治す方法は、何かあるのでしょうか。

 

ちょっとしたことで食べなくなる

食べなくなる理由は、ご飯の味が原因であると思いがちですが、神経質な猫はそれ以外の理由で食べなくなることも多々あります。

いつもはお母さんがご飯を出しているのに、今日はお父さんだった。いつもと時間が違う。いつもとお皿が違う。いつもと食事場所、周りの環境が違う。家の中の臭いが違う。ここに挙げきれないほど、小さな理由で食べなくなってしまうこともあります。

猫と話すことができれば不安を解消してご飯を食べてもらうことができるでしょうが、そうもいきませんよね。いつも食べるご飯をいらない。と言われたら、まず何かいつもと違うことがあるか考えてみてください。

体調が悪い場合も

猫はなかなか体調の悪さを表に出しません。

普段から寝ている時間が多いせいか、具合悪くて寝ているのか、いつものことなのか判断がつきにくいのが難点です。見た目や排泄などに問題がなくても、まず始めに食欲がなくなる病気はたくさんありますので、何か変かな?と少しでも飼い主さんが思ったら、かかりつけの動物病院へ連れて行くのが良いでしょう。24時間毎日一緒にいる飼い主さんの勘が大病の早期発見にもつながります。

動物病院へ連れて行くにも一苦労の猫であれば、億劫になって連れて行きづらいとは思いますが、ひと踏ん張りして受診してください。何もなければ何もないで、安心して見守ることができるでしょう。

 

あまりこまめに付き合わない

体調や環境などに何も変化が見られず、ストレスになりそうなものもない場合は、そのまま放っておきましょう。

コロコロと食事の種類を出す必要はありません。偏食に優しく付き合ってくれる飼い主さんほど、苦労することになり、猫もワガママになっていきます。出した時に食べなければそのまま置いておいたり、一度冷蔵庫にしまったりして、タイミングを見てまた出してあげましょう。匂いを嗅いで興味を持つようであれば、手から数粒差し出してみたり、お皿から出してみたりしましょう。健康で若い猫であれば数日食べなくても大丈夫ですから、あまり心配せずに見守りましょう。飼い主さんが寝ている間にこっそり食べていたりすることもあるでしょう。

この方法が危険なのは、子猫と肥満の猫です。子猫の場合は、食事を長い時間摂らないと低血糖になり発作を起こす可能性がありますから、食事を摂らないのであればミルクを飲ませる、病院に相談し糖水を処方してもらうなどしましょう。

また、肥満の猫は肝リピドーシスという肝臓に脂肪が溜まる病気になる可能性があるので、2日以上何も食べないのは危険です。絶食状態で栄養が補給されないと、自分の脂肪を分解してエネルギーにしますが、入ってくる量と代謝する量が合わず、肝臓に脂肪が溜まると、肝不全状態になり、黄疸や食欲不振、ヨダレ、嘔吐などの症状が出て来ます。死に至る可能性のある病気ですから、肥満の猫は半日程度様子を見て、それでも食べないようであれば動物病院へ受診するか、別の食事を試してみましょう。それでも食べない場合は、必ず受診してください。

猫だから、に騙されない

猫は偏食のイメージがありますよね。ですが、食べないからといって猫だからよくあること、と片付けるのは大変危険です。まずは動物病院へ受診し、体調に何も異常がないことを確かめましょう。

寝ている時間が多いのはいつもと変わらないかもしれませんが、毛ヅヤが悪くパサパサしてきたり、毛づくろいの回数が少なく感じたら、必ず動物病院へ行きましょう。気分が乗らないだけで食べないのであれば、お湯でふやかしてみたり、ササミのゆで汁を少しかけてみるなどして、誘ってみましょう。食べないかな、とずっと観察していると猫がストレスを感じ、余計に食べてれなくなるので、そっと遠くから様子を見守るようにしましょう。こういった時は夜間に隠れて食べることが多いので、飼い主さんが寝る前に新鮮なご飯をそっと置いておくのも効果的かもしれませんよ。