2016年10月2日更新

【動物看護師が解説】犬が誤飲・誤食しやすいものとは?

仕事の関係で早朝や夜間に散歩をする機会が多かったり、夏場は涼しい時間帯に散歩をすることが多いと思います。薄暗い時間帯の散歩では、愛犬が何かをパクリと咥えても気付かないという危険もあります。もしも愛犬が食べてはいけないものを食べてしまったらどうすれば良いのでしょうか?

散歩中は誤食が多い

飼い主さんがいくら気を付けていても、外には食べ物やそうでないものもたくさん落ちていて、防ぎきれないことも多々あります。散歩中だけでなく、留守番中に家中を漁って誤食することもあります。一体どんなものを食べてしまうケースが多いのでしょうか?

人間の食べ物


愛犬たちはいつも、飼い主さんたちがドッグフードとは違う良い匂いのする”何か”を食べていることを知っています。

普段おすそ分けをほんの少しもらっている犬は余計、人間の食べるものは美味しいものだと知っています。完熟を待って常温で置いている果物や、ちょっとトイレの間だけテーブルの上に置きっぱなしにしたお菓子、早朝にお母さんがせっせと作って冷ましているお弁当。それら全てが標的になるのです。

チョコレートを食べてしまったり、玉ねぎ入りのカツ丼を平らげてしまったり、おやつ代わりのナッツを食べてしまったり。犬の誤食には様々なケースがあります。中毒の危険性があるものや、そうでないものがありますが、基本的に人間が口にするものを犬に与えるのは良くありません。塩分が高く、腎臓に負担をかけたり、消化に負担がかかり胃炎や腸炎を起こすこともあります

ほんの少しの時間であっても食べ物を置きっぱなしにしたり、犬の手が届くところに置いておくのはやめましょう。

おもちゃ


食べ物か何だかは分からないけれど、だんだん噛んでいるうちに砕けて小さくなったり、口の中に入ったので飲み込んでしまったというように、遊びの延長で誤食してしまうのがおもちゃ。

特に食べ物に執着心が強い犬は、口に入っているものを取り上げようとすると急いで飲み込んでしまうことがあるので、愛犬がどんなタイプの犬なのかを見極め、おもちゃを選ぶ必要があります。食べ物でなくても、口に入ったものは何でも飲み込む犬もいるので注意してください。

うっかり落としたペットボトルのキャップや、子供のおもちゃのブロック、人形など、食べてしまうものは様々です。

その他

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時として、どうしてそれを?と思うようなものも食べることがあります。

洗濯洗剤や漂白剤、人間の薬、タバコ、石、砂など、すべての犬が誤食する可能性があるわけではありませんが、中に好んでこれらを食べようとする犬もいるので注意してください。特に人間の薬は糖衣が付いていると食べやすく、種類によっては神経症状を引き起こしたり、死亡する可能性もあるので絶対に誤食させないようにしましょう

石や砂も消化や腸に流すこともできずに胃内に溜まり、食欲が低下し、重さで血流が悪くなり壊死や臓器不全を引き起こすこともありますので注意しましょう。

塩は絶対にやめて

誤食のタイミングはいつかはわかりません。

夜間に突然その時が訪れるかもしれません。夜にこのようなことが起きると、多くの飼い主さんはネットで対処法を探します。そして、未だに多くのネット情報に”塩を飲ませると吐き出す”と書いてありますが、これはかなり昔の対処法であり、デメリットの部分が多く、現在では方法が見直されていますので、絶対に行わないでください

塩は家に必ずあるものなので手軽に行えますが、吐き出させるためにはかなり多量の塩を飲ませることになり、吐き出した後は喉の渇きや腎臓への負担、ひどい場合には急性腎不全を引き起こす可能性があります。

大体小柄のチワワに大きなスプーン一杯くらいを飲ませなければ吐き出さない計算になり、そんな量を飲ませられるわけもありませんよね。少しの量でうまく吐き出して、事なきを得たという人がいれば、それは非常に幸運だっただけです。吐き出す事で食道を傷つけたり、引っかかったりして、窒息死する可能性もあり、素人判断で対処しようとするのは絶対にやめてください

必ず病院へ

いつ、どんな時であっても、誤食をしたのであればまず病院へ電話をしましょう。日中であれば、そのままかかりつけの動物病院へかかっても良いです。

一番困るのは夜間の判断ですが、朝を待っていると消化吸収され中毒症状を引き起こしたり、腸に流れて詰まったりすることがあるので、気付いた時に行動するようにしてください。夜間も診察を行っている病院は少ないですが、必ずあります。夜間往診をしてくれる獣医さんもいます。病院に行くのか、来てもらうのか、飼い主さんの状況、車の有無などに合わせて判断し、連絡をしましょう。

中毒症状を引き起こす危険もなく、朝まで待っても良いと指示をされたのであればそのまま様子を見て、日中にかかりつけの病院へ行きましょう。

誤食させない事が一番

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留守中の誤食は必ず防げるものです。口に入れそうなもの、いたずらしそうなものは、犬がいる部屋とは別にするなどして絶対に触る事のできない環境を作りましょう。

一番は、きちんとケージに入れて留守番をさせることです。フリーにして留守番をさせると必ずと言っていいほどいたずらをするでしょう。絶対にうちの愛犬はそんなことしない!と思っていても、気付いていないだけかもしれません。

散歩中の誤食はゼロにするのは難しいと思いますが、飼い主さんがよそ見をしない、ゴミの多そうなところは避ける、細い道に入るのではなく大通りに出ると、視界が開けて道のゴミに気付きやすくなるかもしれません。拾い食いの癖が付いている犬は口輪をするなどして、誤食を防ぎましょう。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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