2016年8月2日更新

獣医師が教える! 犬・ネコの寿命が近いときのサインと飼い主ができること

犬や猫の寿命はヒトより短く、いずれは別れのときがやってきます。いつ頃そのときが来るのか、犬・猫は寿命が近付くとどうなっていくのか、知識があれば心構えもできますよね。今回はもも動物病院の谷祐子院長に、ワンちゃん・ネコちゃんの寿命について詳しいお話を聞いてみました。

ヒト同様に、やせる、毛のツヤが悪くなる、足腰が弱る

、種類や体格にもよりますが、2015年度の一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬とネコの平均寿命は犬は14.85歳、ネコは15.75歳とされています。病気ではなく老化で寿命が近付いてきた場合は、やせてくる、毛にツヤが悪くなる、足腰が弱る、白内障になって目が乳白色ににごる、抜け毛や白い毛が増えるなど、ヒトと同様の変化が現れます。ただしこれらの兆候の有無や程度には、個体によって大きな差があります。また、若年性の白内障や皮ふ病による抜け毛、慢性胃炎や肝臓がんなどの内臓の病気でやせる場合もあるので、変化が目立つようなら動物病院を受診してください。

散歩の距離、気温に注意し、食事の量と内容を見直す

では、老化の兆候が出てきたら、飼い主は何に気を付ければいいのでしょうか。高齢になった犬・ネコを快適に過ごさせるには、生活を見直す必要があります。

犬の散歩は無理をしない

散歩は犬のペースにあわせてゆっくり行います。疲れたとき、嫌がるときはすぐに抱いて帰りましょう。散歩コースの最後のほうで立ち止まることが多いようなら、距離が短いコースに変更しましょう。

暑さ、寒さに注意する

犬もネコも年をとると体温調節機能が低下するので、夏の暑さ、冬の寒さ、急激な気温差には注意が必要です。室内で飼っている場合は夏は26度から28度、冬は20度前後を目安にできるだけ一定の室温を保ってください。

ただし、犬・ネコによって快適な室温は異なるので、口を開けて息をして暑がる、体を丸めて寒がる、震えるなどの様子があれば調整してください。外飼いの犬も高齢になれば真夏や真冬は室内で過ごさせるといいでしょう。

食事の量と内容を変える

「高齢犬・高齢猫用」と表示されたフードに切り替えましょう。低カロリー、血液や筋肉をつくるのに必要なタンパク質が多い、毛のツヤや皮ふのバリア機能を保つ脂肪酸を含むなど、高齢犬・猫に合わせた配合になっています。

一度に食べられる量が減ってきた場合は、少量を何度かに分けて与える、歯がなくてドライフードがかめない場合はウェットフードにする、ドライフードにお湯をかけてふやかすなど食べやすくする工夫をしましょう。

10歳を超えたら、病気の治療方針を家族で話し合っておく

半年に一度程度、身体検査や触診、血液検査、尿検査などの検診を受けるようにしましょう。犬・猫が高齢になると免疫力が低下し、皮ふ病やケンネルコフ(犬伝染性気管支炎)、犬伝染性肝炎などの感染症、リンパや血管に腫瘍(しゅよう)ができるなどの病気にかかりやすくなるからです。

検診の結果、完治が難しい重とくな病気が見つかった場合は、病気の種類によって、どのような状態であと何年生きられるかの見通しは異なります。まずは獣医師の診断を聞き、残された時間と、手術や抗がん剤療法などの治療に伴う犬・猫の苦痛を検討してから、どう治療するかの方針を決めてください。

ただしその際には、時間を犬・ネコの感覚でとらえることが重要です。ヒトにとっての1年は犬・猫の約4~5年に相当すると言われています。例えば、『苦痛を伴う治療をしても、あと1年しか生きられないのなら、自然に任せよう』と、治療を諦めるケースがありますが、犬・ネコにとって、1年は短い時間ではありません。

治療方針に正解はありません。自然に任せるのも一つの決断です。ただし、覚悟を決めきれていないと、末期になって『治療すればよかった』と後悔することもあります。犬・ネコが10歳を超えたら別れのときが来ることを意識し、重とくな病気になった場合の対応を家族でよく話し合っておきましょう。
犬・ネコとの別れについては、考えたくないという思いもあります。しかし、高齢で重とくな病気になったとき、後回しにはできない問題となるでしょう。愛犬・愛猫にとってどの方法が最良か考えておきたいものです。

記事提供:獣医師が教える! 犬・ネコの寿命が近いときのサインと飼い主ができること-学生の窓口

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