2016年8月5日更新

僕らの居場所は言わにゃいで その9:いざ行けニャンコ飛行隊(前編)

今回も猫写真の撮り方についてお話をしようと思います。

え?タイトルに「にゃ」がない?

はっはっは、まあ、そういう時があってもいいじゃないですか。

・・・要するにタイトルのネタ切れです。

細かい事は気にせず、まずは写真をご覧ください。

僕らの居場所は言わにゃいで

岩合光昭さんが2014年に発表された写真集「島の猫」を彷彿とさせるというか、インスパイアされたというか、オマージュではないかというか、要するに「パクリ」に近いものがある写真ですが、猫がジャンプする姿を写真にしてみると、だいたい似たような感じになってしまうのでオリジナリティの創出はなかなかにむつかしい。

さて、この猫たちが空を駆ける姿。

「すごい瞬間ですね」とか「見事な腕前ですね」とお褒めの言葉を頂戴することもありますが、実際は「すごい瞬間」でもないし、撮り方さえわかっていれば「見事な腕前」が無くても撮れるものだったりします。では、早速説明していきましょう。

■猫がジャンプする条件

ここでジャンプを披露してくれている猫たちは、別に特別選ばれた猫というワケではなく、単にその場所に「猫がジャンプする条件」が揃っているというだけ(もちろん個体差があって、条件が揃っていてもジャンプしない子や、悪条件でも無駄に飛びまくる子も居ます)。

条件さえ揃えれば、家の中でも猫はジャンプをしてくれます。

では、その条件とは・・・?

まずは下図をご覧ください。

僕らの居場所は言わにゃいで

 

・ジャンプで飛び越えられる丁度いい隙間

猫が発進する地点をA、着地する地点をBとしています。

このA地点からB地点までの距離は1~1.5mくらいが望ましいでしょう。踏切のいい子は2m以上でも軽々飛びますが、躊躇する場合もあります。1mに満たない場合は普通に歩いてしまったり、後足がA地点を離れた時には前足がB地点に着地しているなんてことも。

滞空時間がそこそこ長く、心理的なハードルも低く、かつ失敗して怪我する恐れがない距離が1~1.5mです。家ならテーブルやテレビ台とキャットタワーなどをそれくらいの距離に配置すると良いでしょう。

・ジャンプで飛び越えたくなる丁度良い高さ

家で猫に飛んでもらうのに、椅子を1~1.5m幅くらいで配置してみたこともあるのですが、結局はあんまり飛んでくれませんした。ベッドでも同じ。

これはどうやら高さが関係しているらしく、50cmくらいの高さは猫にとって降りたり飛び乗ったりするのが苦にならないため「飛ばなくても降りて登ればいいや」と思ってしまうようです。

「降りて登ってするくらいなら、飛び越えた方が楽」と思わせる段差はだいたい1m。しかし座面の高さが1m以上の椅子となると、バーカウンターのスツールくらいでしょうか。一般家庭にはあまりないし、重心が高いため猫がジャンプしたときに、椅子がひっくり返って怪我の原因となるので恐れがあるのでオススメできません。

また、ベッドが二段でもないのに寝る場所が1m以上の高さにあると、就寝に対する心理的ハードルが高すぎです。寝ぞうの悪い僕はきっと毎日骨折や打撲が絶えないことでしょう。

ちなみにA地点の高さが1m以上でもB地点の高さが1m未満だとジャンプしないこともありますので、B地点の高さはA地点と同じかそれ以上になるようにしてください。

このように「猫がジャンプする条件」が揃っているところに、猫がいるという事が撮影技術と同じがそれ以上に大事なのであります。そんなワケで条件が整ったら、さっそく撮影してみましょう。

■さっそく撮りましょう

まずは設定。

自分は主にF値5.6~7.1/シャッタースピードは1/1000以上でISOは環境に応じて設定しています。第二回でも同じような設定でしたので、猫の動きもの(ジャンプやプロレスなど)を撮る時はほぼこの設定と考えていただいても宜しいかと思います。

むしろ説明しなければならないのは、どの角度で撮るか。

この手の撮影では主に3種類の角度のうち、いずれかで選ぶ事となります。

1.正面

僕らの居場所は言わにゃいで

飛んでくる猫を正面から捉える角度です。

発進点と着地点でピント位置が大きく変わるので、オートフォーカスの性能が高いカメラやレンズをお持ちでない方はマニュアルフォーカス、つまり腕前が要求されるので難易度は一番高いでしょう。

僕らの居場所は言わにゃいで

レンズの焦点距離はフルサイズで50~85mm前後。

2.斜め

僕らの居場所は言わにゃいで

正面よりもやや斜めから捉える角度は、正面よりも全身を捉えやすいだけでなく、多少ピントがずれてもピンぼけになりにくいので難易度は中といったところ。ただし、猫をA地点からB地点に誘導するため猫じゃらしを振ったりすると片手が塞がってしまうので、撮りやすさで言えば1の正面にやや劣ります。

僕らの居場所は言わにゃいで

このあたりだとレンズの焦点距離は35~60mmってところですね。

3.真横

僕らの居場所は言わにゃいで

これはピント位置がほぼ変わらないので、撮影の難易度で言えば最も低いです。

ただし、ひとりで猫を誘導しながら撮る場合は、第二回で使ったレリーズケーブルや普通の三脚が必須になりますので、経済的な負担が1や2よりも大きくなります。

僕らの居場所は言わにゃいで

真横はだいたい35mm~50mm前後のレンズがオススメです。

シャッターのタイミングは…人それぞれですが、猫がジャンプ前の準備行動として身体を低く構えたあたりから前足が地面を離れた瞬間にシャッターを切りましょう。人間の脳から発した「シャッターを切れ!」という指令が指に伝わり、指からカメラに伝わる微妙な遅れを勘定に入れておくのです。最高の瞬間にシャッターを切っても、最高の瞬間には間に合わない。

最高の瞬間の出現に予め準備をしておきましょう。

と、今回はここまで。

次回はピントの合わせ方について掘り下げていきたいと思います。

あ、そうだ。注意がもう一つ、いや二つ。

テーブルや椅子を使うときは座布団やテーブルクロスを敷いたままだと、猫が滑って落下する恐れがあるので細心の注意を払ってください。あと、ジャンプしない猫を無理やり飛ばそうとしないこと。今回の趣旨と真逆の事を言いますが、猫は飛ばなくたって可愛いですよ。

でわ、また。

末吉弦太



写真家

カメラマンとして企業のウェブサイト・広告用の写真を撮影する傍ら、各地を転々としつつ外暮しの猫たちを撮り続ける。 主要機材:PENTAX 645Z、Nikon D5、FUJIFILM X100 撮影場所を公にすることのリスクや問題について警鐘を鳴らすハッシュタグ「#僕らの居場所は言わにゃいで」を使って、猫の居場所をシェアするのではなく、静かに見守る気持ちをシェアしませんか?

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