2016年11月18日更新

【動物法務のプロが解説】犬/猫を放し飼いにしていると…

一昔前まで、犬や猫は当然のように放し飼いでの飼育が行われていることもありました。現在ではほとんどの飼い主が「室内飼育」「管理下に置いた飼育」をしているので、以前ほど放し飼いされているケースは減少しましたが、それでも一部の飼い主は犬・猫を放し飼いにしている場合があります。

これは、犬の場合は高齢で散歩に行けなくなった飼い主が犬だけ散歩させる「行ってこい散歩」であったり、猫の場合は飼い主が「猫は気が向いた時だけ戻ってくる」という考えを持っていたりするからなのですが、管理下から離れた犬や猫は色々な意味でのリスクを持っています。近所の方が放し飼いをしていて、それによる何らかの損害が生じている場合の対処についてもみていきましょう。

法律・基準など

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動物愛護管理法では、動物の適正な飼養及び管理を確保するため動物の所有者又は占有者の責務等を定め、その飼養保管に関しよるべき基準を同法に基づき定めています。罰則はありませんが、「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成14年環境省告示第37号)」(出典:環境省ホームページhttp://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/baseline.html)では、犬は放し飼いをしないように努めること、猫は屋内飼養に努めることなど、適正飼養・終生飼養について規定しています。

さらに各自治体においては動物愛護管理条例等(名称は自治体により様々)を定めています。いずれも飼い主さんにとって必要なことが規定されていますので、法律や基準とともにお住まいの自治体の条例も確認しておくとよいでしょう。

放し飼いはいいことなし?

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放し飼いのリスク

ケンカや事故によるリスク、望まない妊娠や病気感染のリスク、他の方が住む家を糞尿で汚すリスクなど、放し飼いというのは飼養されている動物にとっても周辺の人々にとっても不幸な結果を引き起こしてしまうケースがほとんどですので、もし放し飼いを行っている飼い主の当事者であれば、できる限り速やかに管理下に置く適正飼養をすべきでょう。

放し飼いの飼い主に遭遇したら?


一部の飼い主が放し飼いを行うのは一概にマナーがないだけとも言えません。特に近年、「高齢の方がペットの面倒をみきれなくなる」というケースが増えていて、たとえば周辺に何らかのサポートをしてくださる方がいればよいのですが、そうした方がいない場合にはどうしても適正飼養が難しくなってしまいます。もし近所の飼い主がそういったケースになっている場合には、町内会や行政関係者なども交えてよい解決策を考えていくことが必要となります。

一方で、世の中には周辺住民からの苦情にも耳を傾けないような悪質な飼い主もごく一部存在します。本来、こうしたトラブルは話し合い等で解決すれば一番よいのですが、いくら周辺住民が声を上げても飼い主側が聞く耳を持たないと問題解決が非常に難しくなってしまいます。飼い主には飼育管理責任がありますので、もし明らかに飼育管理責任を逸脱しているような場合であれば、行政機関に指導してもらうという方法なども考えていかなければならないかもしれません

この場合、明らかな実害があれば迅速に動いてくれる場合が多いのですが、実害がそれほどない場合にはあまり積極的に動いてくれないこともありますので、その時は諦めずに何度も訴えたり、もしくはあらかじめ実害が生じている証拠を収集しておくとよいでしょう。

執筆協力:有吉圭太((一社)どうぶつ法務福祉協会理事・動物総合相談ボランティア)

山口 一哉



(一社)どうぶつ法務福祉協会・代表理事(行政書士)

一般社団法人どうぶつ法務福祉協会・代表理事/行政書士横浜いずみ共同事務所・代表。(一社)ペットライフデザイン協会理事。幼少期に犬を飼っていたことと、捨て猫との暮らしをきっかけに、何か出来ることはないかと模索していたところ、「動物法務」の存在を知り、開業を決意。平成21年行政書士事務所開業。平成23年横浜市に移転、事務所名をいずみ代書に変更。成年後見、遺言、人と動物に関する許認可等各種手続や書類作成の支援が主な業務。平成27年一般社団法人どうぶつ法務福祉協会設立、同代表理事に就任。1級愛玩動物飼養管理士、愛護動物虐待防止管理士、少額短期保険募集人の資格を保有。

一般社団法人どうぶつ法務福祉協会HP
行政書士横浜いずみ共同事務所HP
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