2016年8月23日更新

【獣医師が解説】子猫が哺乳瓶からミルクを飲んでくれない時は…哺乳瓶を使わずに授乳する方法

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保護した子猫を動物病院へ連れて行って健康診断や必要な処置を受け、哺乳瓶などの授乳グッズをそろえ、いざ、自宅での子猫への授乳をスタート。でも、子猫が哺乳瓶からミルクを飲んでくれない…。そんなこともあるかもしれません。ここでは、子猫が哺乳瓶でミルクを飲んでくれないときの対策についてまとめます。

 

まずは落ち着いて

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はじめの数日、特に子猫が哺乳瓶からミルクを飲むことに慣れるまでは、思うように飲んでくれないことはよくあります。ただ、だからといって、子猫が全く何も口にしない状態が続くと命に関わります。まずは落ち着いて、子猫がミルクを飲まない理由を探しましょう。

子猫の体が冷えていませんか?

子猫の体温が下がると、消化管の活動性が落ち、ミルクを飲まなくなります。特に、放置されていた時間の長かった子猫を保護した場合、子猫の体温が下がっていたり、衰弱していたりすることはよくあります。湯たんぽを使い、フカフカのタオルなどで子猫の体を包んであげて、子猫の体温を上げた上で授乳してください。

子猫用の哺乳瓶を使っていますか?乳首の穴の大きさは適切ですか?

子猫用の哺乳瓶や授乳用の乳首は、吸う力の未発達な、生まれて間もない子猫でも飲みやすいように設計されています。授乳には必ず、子猫用の哺乳瓶と乳首を使ってください。また、哺乳瓶を上下ひっくり返してみた時にミルクが乳首の切り込みから出ないようならば、切り込みを少し大きくしてみてもよいでしょう。

ミルクの温度が下がっていませんか?

授乳に慣れないうちは、授乳や準備に手間取っている間にミルクの温度が下がっていることがあります。必ず、授乳をする直前にもう一度手の甲にミルクを垂らして温度を確認し、ミルクが冷めてしまっているようならば人肌になるように再度湯煎で温めてください。

子猫の姿勢は適切ですか?

母猫が授乳する時のように、子猫をうつぶせにさせて授乳してください。仰向けになっているとうまく授乳できない場合があるだけでなく、ミルクが気管に入ってしまうなどして危険です。

授乳前に排泄させましたか?

子猫に授乳する前に、排尿、排便をさせることで、子猫がミルクを飲むようになることがあります。優しく排泄の介助をした上で再度授乳をしてみてください。

哺乳瓶からうまくミルクを飲めない子猫への授乳のコツ

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子猫の口に乳首を突っ込まないで!

子猫がミルクを飲まないからといって、グイグイと子猫の口に哺乳瓶の乳首を押し付けないでください。また、子猫の口をこじあけて哺乳瓶の乳首を押し込むこともしてはいけません。子猫が自力で哺乳瓶の乳首に吸い付けるようになるまでは、気長に少しずつミルクを口に含ませてあげたり、ミルクを先端につけた乳首をやさしく子猫の口元にあててあげたりして授乳してください。

はじめに哺乳瓶の穴から少しミルクを出して舐めさせる

哺乳瓶からの授乳を練習するときは、まず哺乳瓶の乳首の穴から少しミルクを出して、舐めさせるようにしてください。ある程度元気のある子猫であれば、哺乳瓶の乳首からミルクが出てくる事がわかってくれば、少しずつ哺乳瓶の乳首に吸い付くようになるはずです。この時、乳首の中に空気が入らないように、乳首の中をミルクで満たしておいてください。空腹だった時間が長く衰弱している子猫や、体温の下がっている子猫であれば、自力で乳首に吸い付く元気がないこともあるでしょう。そのような子猫の場合、しばらく他の方法で授乳を続け、きちんと保温することで全身の状態が良くなってくると、自力で乳首に吸い付けるようになるはずです。

 

哺乳瓶を使わずに授乳する方法

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どうしても哺乳瓶から授乳できない場合、特に自力で乳首に吸い付くことができない子猫の場合には、他の方法で授乳しなくてはなりません。哺乳瓶から自力で飲む場合と異なり、ついつい人間のペースで授乳してしまいがちですが、必ず子猫がミルクを舐めるペースにあわせて授乳しましょう。子猫の安全のためにも、焦らずゆっくりと時間をかけて授乳をすることが大切です。

スポイド、シリンジ(針のついていない注射器)を使う

動物病院で相談すれば、授乳に使えるスポイドやシリンジ(針のついていない注射器)を購入できるでしょう。子猫が舐められるようにほんの少しずつ、1滴、2滴と授乳してみてください。子猫の口の中にミルクを注入することは大変危険です。必ず子猫のペースでミルクを舐めさせてください。

指にミルクをつけて少しずつ舐めさせる

動物病院に相談するまでの間、シリンジなどが手に入らない場合は、清潔な指先に少しミルクを垂らし、それを子猫に舐めさせるようにしてください。

ミルクを飲まない…どれくらい時間をあけてもいいか

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ミルクを飲まなくても大丈夫な時間は、子猫の日齢や全身状態によって異なるので、一概には言えません。へその緒のついているような子猫であれば、ほんの少しずつでもいいので、少なくとも2時間おきには授乳をしましょう。へその緒がとれていても生後1ヶ月に満たない子猫であれば、3〜4時間おきには授乳したいところです。それが難しい場合であっても、子猫の様子を見ながら、長くても4〜5時間おきには必ず授乳してください。ミルクを飲まない子猫を一晩中ほったらかしていた、ということは決してないようにしましょう。

哺乳瓶でうまく授乳できず、1回あたりに飲むミルクの量が非常に少ない場合は、授乳間隔をさらに短くする必要があります。子猫が安定してミルクを飲めるようになるまでは少々大変ですが、こまめに授乳をすることで子猫の命は守られるのです。

子猫がうまく哺乳瓶で飲めないことはよくあること。焦らず対処を!

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子猫がうまく哺乳瓶からミルクを飲めなくても決して焦らず、まずは授乳をする状態が整っているかを確認しましょう。いずれ哺乳瓶から飲めるように練習する必要はありますが、はじめから子猫に必要なミルクを全て哺乳瓶で与えようとしなくてもかまいません。子猫の命に関わる低血糖、脱水、低体温にならないように、とにかく少しずつでもいいので子猫の口に含ませてあげてください。 はじめは少し大変ですが、子猫の命を守るために頑張ってあげてくださいね。