2016年9月2日更新

【獣医師が解説】子猫の住環境。生後1カ月までの子猫の場合。

子猫を保護したら、子猫が穏やかに暮らし、健やかに成長できるような住環境を整えましょう。適切な住環境を整えることは、子猫だけでなく、子猫を保護した人やその家族の健康や安全を守るためにもとても大切です。ここでは、生後1ヶ月までの子猫に用意してあげたい住環境のポイントをまとめます。

飼育箱はどこに置く?

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子猫を飼育する箱は、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に設置しましょう。箱の上に落下してくるようなものがないかをしっかりと確認して、子猫の安全を確保してください。また、できれば室温は25℃以上に設定しましょう。

飼育箱には何を用いたらよい?

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子猫がまだ歩き回らないうちは、丈夫な段ボール箱などで飼育するとよいでしょう。段ボールを用いることで、ちょうど子猫が安心できるような薄暗さを確保できます。また、子猫を飼育していると、思った以上に飼育箱が汚れます。段ボールであれば、汚れたら廃棄して新しい物に交換できるため、とても便利です。そのほか、段ボールには、保温性や通気性に優れているといった利点もあります。

ホームセンターなどで購入できる衣装ケースなどのプラスチックケースも子猫の飼育箱として使用できます。プラスチックケースであれば、汚れたら丸洗いできるため、衛生的です。しかし、段ボール箱のように薄暗くすることが難しかったり、通気性が悪く湿気がこもりやすかったりといった点が問題となります。プラスチックケースを用いるのであれば、付属のプラスチックの蓋は使用しないでください。網状のものを蓋として利用して、通気性を確保しましょう。

飼育箱に蓋は必要?

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生後間もない子猫を飼育している段ボール箱には、薄い布などを使って蓋をしてあげてください。そうすることで、飼育箱内の暖かい空気が逃げてしまうことを防げます。さらに、子猫が成長してくると、子猫の脱走も防がなくてはなりません。生まれて間もない子猫が箱から脱走することは難しいですが、子猫が成長してくると、ある日突然脱走する日が来るかもしれません。3週齢くらいになると、よちよちと歩き始める子猫もいます。4週齢くらいになると箱の壁をよじ登り始める子猫もいます。子猫が箱から脱走することを防ぐ為にも、 飼育箱には蓋をしたほうがよいでしょう。このとき、飼育箱の通気性を妨げることにならないよう十分に注意してください。

寝床の敷物には何を用いたらよい?

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寝床の清潔を維持し、保温性を維持するためには、寝床の敷物の選択も大切です。まず、段ボール箱の一番下にはペットシーツを敷きましょう。生まれて間もない子猫であれば、その上に短冊状の新聞紙やフカフカのタオル、古い毛布などを敷いてあげてください。生まれて間もない子猫の場合には、部屋の床の温度が伝わって、猫の寝床が冷えてしまうことを避けることがとても大切です。

子猫を飼育していると、排泄物や吐き戻したミルク、鼻水や目やになど、様々な原因で寝床が汚れてしまうことは日常茶飯事です。そのたびに寝床の敷物は取り替えなくてはなりません。

その点、新聞紙を短冊状にさいたものであれば、汚れたら廃棄すればよく、経済的で手軽に使いやすい敷物のひとつといえるでしょう。短冊状にさいた新聞紙をたくさん使って作った寝床は、保温性、吸水性に優れた良い寝床です。ただ、子猫の被毛がインクで汚れることは覚悟しておいてくださいね。

タオルも吸水性には優れているのですが、子猫の爪がのびてくると引っかかってしまいがちです。子猫がよく動くようになってきたら、ループのあるタオルは避けたほうが良いかもしれません。一方、吸水性は劣りますが、フリース素材のものや毛布であれば、柔らかくて暖かいために使いやすいでしょう。これらを使用する場合も、汚れるたびに清潔なものと取り替えるようにしてください。

その他、ペットショップなどで購入できる猫用のベッドも使うことはできます。ただ、汚れるたびに丸洗いをする手間がかかったり、きちんと乾くまでに時間がかかったりといった問題点があります。さらに、子猫を取り出しにくかったり、子猫の様子を観察しづらかったりする形状のものだと、頻繁に取り出して世話をする必要がある時期、こまめな観察が必要な時期には不向きと言えるでしょう。

子猫の寝床の保温はどうすればよい?

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飼育箱の内部は30℃前後を保つように保温してください。温度計を飼育箱の内部に設置しておき、こまめに確認しましょう。

保温の方法としては、お湯を入れたペットボトルを用いた湯たんぽが使用しやすいでしょう。必ず毛布などで湯たんぽを包み、飼育箱の隅の方においてあげてください。子猫は暖をとりたくなったら自分で寄ってくるはずです。湯たんぽの温度はこまめに確認してください。湯たんぽは、お湯が冷めてくると、逆に子猫の体を冷やすことになるために注意が必要です。使い捨てカイロはやぶれたら危険なので使用しない方がよいでしょう。ペットヒーターを使う場合は、設定温度には特に注意の上、33℃以上の設定にはしないようにしましょう。湯たんぽと同様に、タオルや毛布をかけて、子猫が直接触れないようにしてください。また、飼育箱の中に、保温具のある場所とない場所を作ってあげることで、子猫が自分で温度調節できるような環境を作りましょう。

飼育箱を保温することはとても大切ですが、保温しすぎて子猫が熱中症や低温やけどを起こすことは避けなくてはなりません。湯たんぽやペットヒーターは必ずタオルで包み、熱すぎないかを触って確認すること、こまめに飼育箱内の温度を確認することを忘れないでください。

子猫と人がともに快適で健やかに暮らせる住環境を整えましょう。

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自力での体温調節が困難で、頻繁な世話が必要となる生後1ヶ月までの子猫の住環境としては、子猫が落ち着いて過ごせること、保温性と通気性に優れていること、衛生的であること、子猫を取り出しやすいこと、子猫を観察しやすいことがとても大切です。さらに、子猫が成長してくると、子猫が脱走しないような配慮も忘れてはなりません。子猫と人が快適に健やかに暮らせるような環境を整えてあげてくださいね。

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