2016年9月10日更新

【今日のにゃんグッズ】大人にこそ読んでほしい。宮沢賢治の童話「猫の事務所」

ペット生活

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編集部

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「注文の多い料理店」「よだかの星」「どんぐりと山猫」などの童話で知られる宮沢賢治。一見子供向けの童話のように思えますが、宮沢賢治の童話は意味深く、大人になってから読んでも充分心動かされる内容です。今回ご紹介するのは「猫の事務所」という作品。猫好きはもちろんのこと、多くの人に広く読んでほしい傑作です。

 

人間社会にもありそうな猫社会の物語

「猫の事務所」は猫たちのために歴史や地理を調べるための事務所で起こるお話。ここには事務長の黒猫のほかに、第一書記の白猫、第二書記の虎猫、第三書記の三毛猫がいて、一番下の第四書記に主人公のかま猫がいました。かま猫というのは猫の種類ではなく、夜にかまどの下で寝る習慣のある猫のことで、その体はいつも煤だらけ。そのため、ほかの猫たちに嫌われていました。何かにつけ、かま猫をいじめ、仕事の邪魔をする先輩書記の猫たち。そんな中で事務長だけはほかの猫から疎まれ、嫌がらせを受けるかま猫をかばい、守っていました。ところが、ある日、かま猫が風邪で事務所を休んでいる間にほかの書記たちの策略で味方だったはずの事務長の信用まで失うことに。悲しさのあまり泣くかま猫。そこへ事務所の様子を扉の後ろから窺っていた獅子が登場し、ある決断をするのです。

子供から大人まで多くの人に読んでほしい作品です

「猫の事務所」猫たちの心の闇を描いたシビアな内容です。自分より弱い相手をいじめることで優越感を感じる書記仲間の猫と虐げられても一生懸命生きているかま猫の姿は、人間社会でも問題になっているいじめの構図そのものです。今回ご紹介する本は、宮沢賢治の物語に黒井健さんがイラストを起こした力作。ぜひ、一度手に取って読んでみてください。

  • 偕成社