2016年11月8日更新

【動物看護師が徹底解説!】怪我をしている飼い主が分からない犬猫を病院に連れて行ったら治療費はどうなる?

突然ですが、もしも道端で怪我をして倒れている犬猫を見かけたらあなたはどうしますか?野良だから仕方ない、とそのままにするでしょうか?誰が飼い主かわからないし、下手に手出しできない?治療後に飼い主が見つからず、飼ってくださいと言われたらどうしよう?助けたいけれども、いろんな不安が付きまといますよね。こんな時、どんな対処をするのが正しいのか、詳しく解説しましょう。

動物病院内でも度々議論される問題

実はこの手の問題はとても多く、保護してくださった方も、動物病院側も頭を悩ませがちです。それぞれの動物病院で対応は決めているものの、命が関わっていることなのでマニュアル通りにもいかないものです。

基本的には、連れてきた方をまず仮の飼い主とし、治療費や入院費の支払いを求められるでしょう。その支払いが出来ないのであれば、治療は出来ないと断られると思います。こう言われると一番に思うのが、「どうして?動物を助けるためにこの仕事をしているのではないの?」という悲しいような、腹が立つような、そんな感情でしょう。実際に、そう口に出す方もいらっしゃいます。

動物病院で働く人々はお金なんてもらわなくても、辛い思いをしている動物たちが目の前にいるのであれば、全力で助けたいと感じています。しかし、野良猫や野良犬がたくさん存在する世の中ですから、これを1件受け入れてしまうと、そのあともずっと例外なく受け入れ続けなければならなくなってしまいます。動物を愛しているのは当然ですが、仕事として収入を得て生きていくためには、このようなボランティア行為ばかりしているわけにはいかないことを、理解してください。

一時的な飼い主として治療するのであれば

もし、保護をして治療費や入院費を支払えるのであれば、本当の飼い主でないにしてもきちんと状況の説明を行い、同意の元で治療をしていきます。必要な治療と、支払える額が見合わなければ、必要となる最小の治療を行っていきます。

基本的にはそのまま入院になり、治療を続けながら飼い主を探すことになるでしょう。病院内に入院室が空いていない場合や、感染症の疑いがあり病院に入院できない場合は、自宅から通院することになるでしょう。いずれにしても、保護した方も突然のことで自宅での準備が整っていないなどの事情も考慮して、話を進めてもらえるでしょう。

飼い主が見つかったら

病院側が探してくれることもありますが、保護した方も周りに呼びかけたり、保護団体などに連絡が入っていないか調べてもらうこともあるでしょう。無事に飼い主が見つかったら、保護した方から本当の飼い主さんにカルテが書き換えられ、治療費を支払う義務はなくなります。見つからない間にかかった治療費も、飼い主さんの方にかけあって支払うように促してくれる病院がほとんどでしょう。その際に、支払いたくない、こんな高額の治療をするつもりはなかったなど、問題が起こった場合は病院を挟んで話し合いをすることになるでしょう。実際にこのような問題が起こるのも事実です。

犬猫を飼っていると言っても、治療などに対しての考え方はそれぞれです。もしこのような問題に巻き込まれてしまったとしても、病院側が丸投げしてくることは有り得ませんので、しっかりと話し合いをしましょう。

飼い主が見つからなかったら

飼い主さんが一向に見つからなかったり、野良であった場合は、まず保護してくれた方に飼う事は可能か聞かれるでしょう。しかし、無理強いではありませんので、情が移っているとは思いますが、飼えないのであれば無理をして飼う必要はありません。

帰る場所が見つからない場合は、病院で飼い主探しをしたり、動物愛護団体などに引き渡して新しい飼い主探しを始めることになるでしょう。

冷静な判断をしましょう

ほとんどの方は、助けたい!という一心で保護し、支払いなどにも応じてくれます。しかし、思った以上に治療費が膨れ上がったり、なかなか飼い主さんが見つからなかったりして、保護してくれた方の負担になることもあるでしょう。助けたいと思う気持ちは素晴らしいですが、本当に最後まで支払いができるのか、飼い主が見つかるまでの飼い主として責任を果たせるのか、しっかりと冷静に考えてから、病院側と話しを進めていきましょう。

保護をすること自体はすごく素晴らしいことです。仮の飼い主として責任は負えないとわかっていても、まず、動物病院へ電話して相談してみてください。もしかしたら、支払いをしなくても治療や一時的な保護を受け入れてくれるかもしれません。1件断られても、数件電話をしてみて、助けれる方法がないか是非探ってみてください。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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