2016年9月23日更新

僕らの居場所は言わにゃいで その15:相手の気持ちになって考えにゃいか

ずいぶんと脱線したりもしながら早いもので15回目となりました。

連載を始めてからタグの事を知っている人、それを広めようとしてくださる人、猫の写真を撮っている時に「見てます!応援してます!」と温かい言葉をくださる方にも遭遇する機会が増えてきたなぁ・・・と感じております。僕らの居場所は言わにゃいでそれでも今も猫の居場所を明らかにすることのリスクを知らない方はもちろん、「なんだかわからないけど」的な感覚で場所を書きつつタグを使う方も少なからずいるので、今回はこれまでの話を振り返りながら「僕らの居場所は言わにゃいで」の意味について考えていきたいと思います。

そもそも「僕らの居場所は言わにゃいで」=「外で暮らす猫たちの撮影場所を明らかにしない」という考えの根本には”相手の気持ちになって考えよう”というスタンスがあって”もし自分が相手の立場だったら・・・・”というところに想像を巡らせれば、何となくご理解いただけるのではないでしょうか。

■もし、自分が相手の立場だったら?

あなたがもし可愛い女の子で、近所にあるお気に入りの公園でベンチに座って本を読んでいたとしましょう。

そこにいきなり見ず知らずの人が現れ、スマホやカメラであなたの顔をパチパチ撮って「どこそこの公園では可愛い女の子が読書をしています」なんてSNSに投稿したとします。その投稿がシェアやリツイートなどの拡散で広く世に知られ、あなた目当てに公園にやってくる怪しい男性が増える・・・ちょっと突飛なたとえですが、インターネットが普及した今、絶対に起こらないとは言えません。

その時、当事者であるあなたは何を感じるでしょうか?

よっぽど「友達がいない」とか「誰でも良いから彼氏が欲しい」なんて、ごく一部の特殊なケースを除けば、喜ぶ人はまずいない。

これ、女の子を猫に、読書を昼寝に置き換えたら、そのまんま今SNSに溢れる地名や位置情報付きの猫写真に同じ事が言えるのではないでしょうか。

僕らの居場所は言わにゃいで

(いきなり撮るニャよ)

それで写真を撮りに来る人が大挙するだけなら、心の広い可愛い女の子と猫は許容してくれるかもしれないけど、世の中に流れてしまった情報がどう使われるかは、受け取り側次第。世の中には色んな種類の人間がいて、相手の気持ちも考えることなく女の子に言い寄ってくる輩はもちろん、猫に悪戯をしたり、家族である猫をポイっと捨てる人だってあっちこっちにいます。

あまりよろしくない状況に陥った際、人間の場合はその公園に行かない等の対処ができるし、個人情報が晒されて家まで押しかけられる事になったら警察へ相談するなり、引っ越してしまえばある程度どうにかなりますが、誰かのせいで転居を余儀なくされるなんて納得いきませんよね。

外暮らしの猫は写真を撮りに来たり、なでなでしに来るだけの人でも大挙すればストレスになりますし、かといって安心して暮らせる今の縄張りから移動するのは命がけです。

そんな相手の立場になって考えた時。

果たして、猫の居場所を明らかにすることが出来ますか?

僕らの居場所は言わにゃいで

■相手の気持ちになって考えて写真を撮る

知らない相手にいきなり近付かれたら

誰だってイヤですよね。

その相手が無言でカメラを構えてシャッターを切ったら

誰だって不愉快ですよね。

あまつさえ、目が眩むようなフラッシュを焚かれたら

誰だって怒りますよね。

人を被写体にする時は、言葉で「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねることができます。相手が外国人だったら「May I take your picture?」と一声かけたりジェスチャーで想いを伝えればいい。それで笑顔で頷いてくれたらようやくカメラを構える。人間同士なら当然のマナーです。 僕らの居場所は言わにゃいで

じゃあ、動物という被写体には何のマナーも必要ないのでしょうか?

自分はNo!と強く言います。

写真は被写体が何であろうと、撮影者と被写体の共同作業によって生まれるもの。撮影者がなんぼ厳密に構図を決めてピントを合わせてシャッターを切っても、被写体の気分を蔑ろにしていては、良い瞬間を掴むことはできません。

だから、撮られる側に気持ち良く撮られてもらうため、撮られる側の立場になって色々と考えてみる。その中で相手がイヤなことや困ることについて色々と考え、相手と望ましい関係(それは必ずしも仲良くなるだけではなく、適切な距離を保つことも含む)を作ることが、最高の瞬間に出会う最初の一歩ではないかと思うのです。

僕らの居場所は言わにゃいで

自分の生活圏を勝手に晒されたらイヤなのは皆さんも、僕も、猫たちも同じ。「僕らの居場所は言わにゃいで」には、相手の立場や気持ちに対して想像力を巡らせようというメッセージが込められています。

その想像力は、猫の写真に限らず様々な場面で必要なんだってことを憶えておいてもらえたら嬉しいですよ。

そんなわけで、でわ、また。

★告知・写真展に参加いたします

横浜赤レンガ倉庫 ねこ写真展

会場:神奈川県横浜市中区新港1-1-1 赤レンガ倉庫1号館 2F

日程:11月2日~7日

時間:10:00~19:00(最終日は15:00迄)

入場料:500円(小学生以下無料。当日に限り再入場可)

http://akarengasoko-catphoto.yokohama/

「僕らの居場所は言わにゃいで」をテーマにした写真の展示を行います。

ここでしか買えない限定フォトブックもありますよ!!

★facebookページでのイイね!も宜しくお願いします。

https://www.facebook.com/events/669234779899544/

末吉弦太



写真家

カメラマンとして企業のウェブサイト・広告用の写真を撮影する傍ら、各地を転々としつつ外暮しの猫たちを撮り続ける。 主要機材:PENTAX 645Z、Nikon D5、FUJIFILM X100 撮影場所を公にすることのリスクや問題について警鐘を鳴らすハッシュタグ「#僕らの居場所は言わにゃいで」を使って、猫の居場所をシェアするのではなく、静かに見守る気持ちをシェアしませんか?

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