2016年10月2日更新

猫壱セミナーに行ってきました!〜「愛猫を看取る時」服部幸先生〜

ペット生活

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編集部

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9月21日、神保町で開催された猫壱セミナーに行ってきました!
ここでは第3部16時から17時半までおこなわれた、服部幸先生の講演の様子をお伝えしたいと思います。

服部先生は猫専門病院・東京猫医療センターの院長をされており、『ネコの看取りガイド』『猫とわたしの終活手帳_いまからできる12歳からの猫生活 (TWJ books)』など猫の看取りに関する書籍を執筆されています。情熱大陸にもご出演され、猫獣医師として全国的にも有名な先生です!

猫壱セミナーの内容を一部ご紹介させていただきます。

 

いつからシニア?

完全室内飼育の猫の平均寿命は現在15.9才。ヒトの場合と同じように、平均寿命の8割ぐらいからシニア期と考えると、猫の場合11,12才ごろからシニアといえるようです。

高齢猫ならではのケア

猫は高齢になると、適応能力の低下が見られます。そのため、飼い主さんが気をつけてあげなければいけないことが増えてきます。

引っ越し

若い猫であれば引っ越しによる環境の変化は大してストレスになりませんが、適応能力が低下した高齢猫には大きなストレスとなってしまいます。

とはいえ、引っ越しは避けられないことも多いです。対策としては、「前の家で使っていた家具をそのまま使用する」「猫のトイレやおもちゃなどは変えない」など、前の家で使っていたものを継続して使うことで高齢猫のストレスは軽減させることができるそうです。

温度、湿度

冬にはこたつで丸くなる猫もいますが、こたつはつけっぱなしにせず、中があたたまったら電源を切るとよいそうです。こたつは電源を切っても充分あたたかさを保ってくれます。

温度に気をつかう人は多いですが、湿度にも気をつけましょう。乾燥しないように加湿器で適度な湿度を保つことが大事だということです。

新しい子猫、子犬

新しい子猫や子犬を、高齢猫の過ごす家に迎えいれるのは、高齢猫にとって吉とも凶ともなりえます。

  • ゆっくりすごしたい高齢猫にとって、元気な子猫子犬たちの存在がストレスに…
  • 元気な子猫子犬たちにつられて、高齢猫も元気を取り戻す場合も!

特に幼い小型犬などは子猫以上にとても元気です。良い方向にころぶか悪い方向にころぶかわからないので注意が必要なようです。

寝る時間

高齢猫は睡眠時間が増えます。体の筋肉や脂肪が落ちてくるので、やわらかいベッドをいくつか用意してあげましょう。

また、押入れなど、飼い主さんの目の届かない場所に隠れて寝るのは危険な場合があります。様子がおかしい、嘔吐した、粗相した、など隠れているとすぐに気づいてあげられません。

服部先生のオススメはダンボールだそうです。リビングなど、すぐに様子のわかる場所にダンボールで隠れられる場所を作ってあげると、様子の変化に気づいてあげられるので安心です。

スキンシップ

全身を毛でおおわれている猫は、目で見ただけでは体系の変化や皮膚の変化がわかりづらいため、スキンシップが大切になってきます。

方法

尻尾の先や手足の先、お腹は触られるのが嫌いな猫も多いです。比較的どの猫も触られるのが好きな、頭や尻尾のつけ根からはじめ、少しずつ触れる範囲を広げていきましょう。

日々のお手入れ

毛玉

カラダが固くなるため、自分で毛づくろいできなくなり、毛玉ができやすくなります。

爪が太く丸くなっていきます。丸くなった爪は、爪とぎにひっかからず、爪とぎできなくなっていくそうです。

若いうちは爪切りしなくても大丈夫だった猫でも、爪切りしてあげないと伸びて肉球にささってしまいます。高齢になってしまう前から、こまめに爪切りしてあげる習慣をつけておくとよいようです。

目やにが増える

コットンで優しくふいてあげましょう。ふつうの目やには赤茶色ですが、白っぽかったり黄色だったりするとおかしい、と変化に気づいてあげられます。

食事の工夫

歯石がたまりすぎると、痛みでドライフードが食べられなくなることがあるそうです。

若い頃はドライフードしか食べなかった子でも、食の好みが変わることもあります。ドライフードをウェットフードに変えてあげることで痛みが減り、食欲が回復することもあるので、チャレンジしてみるのもいいということです。

水はこまめに飲めるように

うつわの好み、水の種類、猫の好みは様々です。いろいろなタイプを用意してあげましょう。

バリアフリー

高さ、段差に注意

高いところから落ちるとうまく受け身をとれずケガすることもあります。特にソファの高さには注意が必要で、受け身の体勢が間に合わずケガをする事故が多いそうです。

 

老猫と病気

老猫の三大疾患として服部先生があげる3つの疾患があります。

  • 腎臓病
  • がん
  • 糖尿病

もしガンになったら

  • 手術……?
  • 放射線治療……?
  • 抗がん剤治療……?
  • 家で面倒みる……?

飼い主さんの要望として、以下のような意見が多いそうです。

  • 愛猫に負担はかけたくない
  • ストレスはかけたくない
  • 無理な延命はしたくない

しかし、一切治療しないことを選択すると、愛猫に病気の症状や痛み、苦しみをすべて受け入れさせることになってしまいます。

もし手術や抗がん剤治療などでは治る見込みがない場合、痛みや苦しみだけでも取り除く「緩和ケア」という選択肢も考えていただきたいということです。

高齢猫のSOSのサイン

高齢だからしょうがない、年をとったからこんなものだろう、と考えずによく観察してSOSを見逃さないようにしましょう。

  • 冷たい場所に行く(暑い日でもないのに玄関のタイルの上で眠っている)
  • 体温が冷たい、暑い(触って体温がわかりやすいのは耳の中。普段からチェックする習慣をつける)
  • 元気よく歩いているのにしっぽが垂れている
  • 瞳孔開きっぱなし(失明の可能性があります。レーザーポインターをちらつかせて目で追えるかチェック)
  • 体重の減少(5%減ると日々の変化をこえた量といえる。たとえば3kgのネコなら2.85kgになったら何か異常があると考えてよい)
  • 白目をチェック(ネコは毛でおおわれていて肌の色がわかりづらく、黄疸が出ていてもわからない)
  • 呼吸が早い(元気なうちから1分間に何回か記録しておく。60回になると多い)

高齢猫と動物病院

動物病院が大嫌いな猫ちゃんも多いですが、通院ストレスを減らす対策をいくつかご紹介くださいました!

キャリーの種類

通院用のキャリーとしては、以下の3点をかなえるキャリーがおすすめということです。

  • プラスチック製
  • 上が開いて、上下に開ける
  • 扉が完全にはずせる

例として挙げられていたのが、リッチェルのキャリーです。

大きさは猫ちゃんがスフィンクス座りできる程度のものを選びましょう。

Cat Friendly Clinic

動物病院の待合室では、他のペットや好奇心旺盛な犬との接触が猫ちゃんにとって大きなストレスとなります。

そこで、猫に配慮したCat Friendly Clinicが世界的に広がっており、全国に77件(2016.6.22現在)あるそうです。Cat Friendy Clinicには猫専用の待合室、待合スペースが設置されており、犬との接触が少なくなります。

もし自宅の近くにCat Friendly Clinicがない場合は、待合室ではキャリーにタオルやブランケットなどをかけて視界を遮ってあげると、においや音が軽減され、ストレスも減らすことができるということです。

終末期の病院で考える事

終末期には、高度医療ができる病院を探すことはほとんど意味がありません。

終末医療に明るいか、家から近いか、往診してくれるか、飼い主さんのフィーリング、を猫ちゃんが元気なうちに確認しておくといいでしょう。

最後の時

通院?入院?自宅で緩和ケア?
そのときが来る前によく考えておきましょう。家族と同居している場合は家族ともよく話し合っておく必要があります。

先生の考えとしては、「最期は飼い主さんの腕の中で迎えさせてあげたい」「そして飼い主さんから『ありがとう』と声をかけてあげてほしい」ということです。

ペットロス

気持ちの整理をして、しっかりとどうするか自分で選択してきた人はペットロスになりづらい傾向にあるそうです。

最近では仏壇を作る、人と一緒のお墓に入るなど、供養の形も様々です。つらく悲しい別れですが、時間がかかっても、また立ち直って猫との素晴らしい生活をもう一度楽しんでほしい、と服部先生は仰っていました。

さいごに

13時から17時半まで参加させていただきましたが、どの先生のお話もとても興味深く、ためになる話で、あっという間に時間が経ってしまいました!

そして、早くも次回の猫壱セミナーの開催が決定しています!
2016年10月12日 13:00-17:30 猫と人のQOR向上セミナー
第1回と同様に3部構成になっており、3名の先生のお話を聞くことができます。
こちらから申込可能です!

他の講演は…

本セミナーの第一部、第二部の様子は以下の記事でお伝えしています!

第一部:猫から人にうつる病気
第二部:猫の困った行動に隠された謎とは?

 
 

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