2016年11月12日更新

【動物看護師が解説】イングリッシュコッカースパニエルにトリミングは必要か、被毛のお手入れ方法は?

愛らしいアメリカンコッカーに比べて、エレガントで上品な雰囲気を放つイングリッシュコッカー。華奢に見えますが、筋肉がほどよく付いていて締りのある体は見ているだけでウットリしてしまうほどです。イングリッシュコッカーの被毛の手入れはどのように行えば良いのでしょうか?

定期的なトリミングが必要

イングリッシュコッカーは、定期的なトリミングが必要になる犬種です。

本来は、バリカンは用いずに専用のナイフで抜き取ったり、スキバサミで仕上げていきます。しかし、多くの飼い主さんは飼いやすさを重視して、バリカンで全体的に短くそろえることもあります。大体体の上部は短く、下部は被毛を長めに残しますが、散歩や排泄の際に汚れるのを嫌う飼い主さんは、丸刈りにしてしまうのも良いでしょう。

基本的なカットスタイルは存在するものの、家庭で飼いやすいようにアレンジするのも1つの手です。イングリッシュコッカーはこうあるべき、と固い考えは持たずに、それぞれの家庭でそれぞれの選択をすると良いでしょう。

ブラッシングも高い頻度で必要

丸刈りにした場合は特に必要はありませんが、長めに被毛を残している場合は毎日のブラッシングが必要です。特に下毛が柔らかく、絡みやすいので、きちんと毛をかき分けて根元からブラッシングする必要があります。

イングリッシュコッカーは活発で運動量もある程度必要なので、動きが多く、その分すれる部分に毛玉が出来やすくなります。脇の下や内股は特に頻繁に観察をして、小さな毛玉の段階でブラシで解いておくようにしましょう。

あまりに大きな毛玉が皮膚にべったりつくような形でできてしまった場合は、無理をして自宅で取らず、トリミングサロンや動物病院へ行きましょう。毛玉と一緒に皮膚を裂いてしまう、切ってしまう事故は非常に多いです。ひどい時は何針も縫合をして、動くたびに皮膚が引っ張られるような場所である場合は行動を制限しなくてはいけないこともあります。愛犬に辛い思いをさせないように、毛玉を自宅で切ったり、取ったりするのはやめましょう

耳のケアも忘れずに

イングリッシュコッカーは耳の皮膚が分厚く、非常に通気が悪くなっています。大抵イングリッシュコッカーのトリミングというと、耳の三分の一だけ毛を残して、あとは短くしますが、それでも通気が格段に良くなるわけではありません。

耳先の毛を長く伸ばしていればいるほど、耳の重さが増し、耳の穴の密閉度が高くなります。加えて日常的に耳の毛を汚れないようにまとめる、スヌードをしていると更に空気がこもりがちになります。通気が悪いままでいると、耳の穴の中が蒸れて、雑菌が繁殖しやすくなり、汚れが異常に増えたり、炎症を起こしたりするようになります。特に梅雨や夏の時期は注意が必要です。

なるべく毎日耳をチェックして、赤くなっていたり、腫れていたりする場合は早めに動物病院を受診しましょう。汚れているだけであれば、清潔なコットンを湿らせて、耳の穴の入り口を拭うようにして拭き取りましょう。綿棒で穴の中まで掃除する必要はありません。綿棒の先で汚れを奥へ押し込めて、病気の原因をつくることもありますので絶対に行わないようにしましょう。なるべく通気をよくすることに努め、耳の健康を守るようにしてあげてください。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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