2016年10月31日更新

【動物看護師が徹底解説!】心配しなくていい嘔吐と危険な嘔吐の見分け方(猫篇)

猫は比較的よく吐く生き物ですが、だからといって「いつものことだから」と見逃すのもよくありません。嘔吐という症状が出る疾患はたくさんあり、病院に連れて行くか否かの判断は100%飼い主さんに任されています。それは、病気を見逃してしまうか、手遅れになる前に発見するかは飼い主さんにかかっているということでもあるのです。

毛玉の嘔吐は危険か

猫が吐くときと言えば、毛玉がお腹の中に溜まったときを1番に思い浮かべるでしょう。長毛種は特に胃内に毛玉が溜まりやすく、頻繁に嘔吐することもあります。毛玉を吐く場合は大抵、黄色い胃液と共に毛が固まって出てきて、回数は1回のみのことがほとんどです。その後、普段通りに生活していれば、食事もなくしたり、減らしたりしなくても大丈夫です。

毛玉を吐くたびに病院に行く必要はありませんが、1日に何度も毛玉を吐いたり、吐きたいのに吐けない様子が何度も見られる場合はかかりつけの動物病院に連れて行きましょう。

一気食いのあとの嘔吐は?

猫で勢いよくたくさんのご飯を食べ過ぎて嘔吐する、というのはあまり見られないパターンですが、この場合も受診は必要ありません。

人間は喉の辺りに触れると吐きそうになりますが、猫はあまりその反応が見られません。吐きそうになることを咽頭反射といいますが、猫はこの反射が非常に鈍く、流すように飲み込んでいるときは何も感じませんが、突然大量のご飯が流れ込んでくる胃はビックリしてしまいます。結果、胃が収縮することにより、今さっき流し込んだご飯がそのまま口に帰ってきてしまうのです。この嘔吐の特徴は、胃内のものを押し上げるような腹筋の収縮はなく、まるでげっぷと一緒に吐き戻してしまったかのような、なんの前触れもない嘔吐です。

実はこれを嘔吐と呼ぶのは間違っていて、正しくは吐出と呼びますので、混合しないようにしましょう。嘔吐は胃の中にある程度の時間あった消化された、またはしかけたものが出ることをいい、吐出は胃内に入ってすぐ、もしくは胃内に達しないまま出てくることを言います。

一気食いはしていないのに吐出する?

ゆっくり、少しずつ食べているはずなのに食事をするたび吐出をする場合は、必ずかかりつけの動物病院に受診しましょう

胃腸などではなく、咽頭や食道に問題がある可能性があります。あまりにも吐出が多いと、栄養を吸収できずどんどん弱っていってしまいますので、おかしいな?と感じたら、すぐに受診するようにしましょう。

危険な嘔吐とは?

動物病院に受診するべき、危険な嘔吐とはどんな嘔吐なのでしょうか?

1日に何度も吐く


短い間隔で嘔吐、もしくはものは出てこないけれども何度もえづく場合はすぐに受診しましょう。

吐物にご飯以外のものが混ざっている


猫の誤食は珍しいことではありません。植物や果物でも中毒を起こすこともあります。吐物の中におもちゃの破片、ビニール紐の破片、草や人間の食事が混ざっていたら、まだ胃内に残っている可能性があるのですぐに受診しましょう。

吐物から、チョコレートの匂いや、薬品(洗剤やシャンプーなど)の匂いがしてくる場合もすぐに動物病院へ連れて行きましょう。

吐物が黒い、もしくは赤い


吐物が赤い場合は鮮血、黒い場合は酸化した血液が混ざっている可能性があります。

何を伝えるべきか

何かおかしい、と感じたら、正確に状況を伝えるためにも、嘔吐した時間や、吐物の内容、色、量、匂いを記録しておきましょう。できれば吐物は全て持参するか、写真を撮って獣医師に見せるとよいでしょう。

また、何時に食事をしたのか、嘔吐が始まる前は何をしていたのか、などもすぐに伝えられるよう、確認しておくとよいでしょう。焦って病院へ駆け込むと、何を聞かれても正確に頭に蘇って来ないこともあるので、行く前にきちんとメモなどに記録しておくと安心です。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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