動く胃袋?食欲旺盛なラブラドール・レトリバーのエサの量について

優しい顔立ちと穏やかな性格が魅力的なラブラドール・レトリバー。大型でがっちりとした体形から、よく食べる印象がありますが実際はどうなのでしょうか?エサを与える時の注意点はないのでしょうか?今回はそんなラブラドール・レトリバーのエサについて適量や注意しなければならないことなどを調べてみました。

 

ラブラドール・レトリバーのエサの適量は?

ラブラドール・レトリバーは動く胃袋と呼ばれるほど、食欲旺盛で食べることに貪欲な犬が多いといわれています。好き嫌いもあまりなく与えられたものを美味しそうに食べるので、ついついあげ過ぎてしまいがちですが、肥満になりやすい体質なので食べる量には注意が必要なようです。

まずはエサの適量について理解しておきましょう。ここでは一般的なエサの適量の算出方法をご紹介します。

体重から割り出す方法

おおよそ体重の2.5%の量が適量といわれています。カロリーでいうと体重1kgあたり50~110カロリーの計算になります。

ただしこれは成犬の場合の計算になるので、成長期の子犬の場合は約2倍、逆にシニア期の犬の場合は2~3割少なめに与えるとよいといわれています。

パッケージの記載量を目安にする

市販のフードの場合はパッケージに給仕量が記載されているものがほとんどになります。記載されている量を目安に運動量や太り気味であるかなどを考慮して、エサの量を決めていくとよいといわれています。

係数から計算する方法

年齢や月例、体質などの係数を使用して1日に必要なカロリーを割り出す方法です。次のような式を使用します。

  • 安静時の必要エネルギー=70×(適正体重)の0.75乗
  • 1日の必要エネルギー=安静時の必要エネルギー×ライフステージ係数

ライフステージ係数

  • 4ヶ月まで:3.0
  • 4ヶ月以降体重増加が止まるまで:2.0
  • 避妊・去勢をしている成犬:1.6
  • 避妊・去勢をしていない成犬:1.8
  • 肥満気味の場合:1.2~1.4
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個体差にあわせたエサの適量の見極めは?

前に書いたような一般的なエサの算出方法は、あくまでも体重や体型などから標準的にはどのくらいの量が適量であるかを算出するもので、それぞれの犬の運動量や消化能力、食欲などの個体差までカバーできるわけではありません。

では個体差にあわせたエサの適量を見極めるにはどうしたらよいのでしょうか?与えるエサの量が個体差にあった適量なのかを知るためには、便の状態を確認するのが1番よい方法だといわれています。

便が柔らかい状態が続く場合は与え過ぎ、逆にポロポロと硬い便が続く場合は少なすぎだと考えられています。丁度よい便は硬さが耳たぶくらいの柔らかさで、拾うと便のあとが少し残るくらいがよいといわれています。

目安として算出された量をまず与えてみて、便の状態や回数、臭いなどを確認しながら調整していくとよいでしょう。

 

月例や年齢によるエサの与え方

ラブラドール・レトリバーの場合は体ができるまでの子犬の間は、ちょっとコロコロとしていても心配ないので偏りのないエサをしっかりと与えることが大切だといわれています。しかし子犬の頃は消化器官も未熟なので、しっかりと栄養を摂取させるためには、与える回数やエサの固さなどを成長の度合いにあわせて細かく調整してあげる必要があります。

成長の早さには個体差があるのでそれぞれの成長にあったエサの回数や与え方、量などは便の状態を確認しながら調整していく必要がありますが、目安としては次のようにいわれています。

2ヶ月~3ヶ月

このころに子犬を引き取った場合は、急な変化による胃腸障害を起こさないために、量や回数、食べ物の硬さなど基本的に引き取った時と同じようにして与えます。

自宅で出産した子犬の場合は、市販の離乳食やパピー用の高カロリーのフードを与えます。ドライフードの場合はお湯や犬用のミルクでふやかしてあげるようにしましょう。

食事の回数は朝、昼、夕、夜の4回が目安となります。

4ヶ月~5ヶ月

ドライフードの場合は便の様子を見ながら少しずつ硬い状態で食べられるようにしていきましょう。離乳食を与えていた場合はパピー用のフードに切り替えます。

おやつもこの時期から開始します。

食事の回数は3ヶ月までと同じく4回か夜を除いた3回目安になります。

6ヶ月

成犬として体ができてきて体重の増加がおさまってきます。成犬用のフードに変えていく時期ですが、いきなり変えてしまうと胃腸障害につながってしまいます。もともと食べているフードに少しずつ混ぜて慣らしていくとよいでしょう。

便の状態が変わらないようなら1週間くらいを目安に切り替えていくとよいようです。

食事の回数も徐々に減らしていく時期になります。朝、昼、夕の3回から朝、夕の2回が目安となります。

7ヶ月~1歳6ヶ月

体が出来上がってきますがまだ成長過程のため体重が安定しない犬が多いようです。ただしこの時期に高カロリーのエサを与え続けてしまうと肥満につながり関節への影響が心配されるので、高カロリーのパピー用の食事をやめて成犬用の食事へと、しっかりと切り替えましょう。

食事の回数は朝、夕2回が目安となります。

1歳6ヶ月~7歳

できるだけ体重の増減のない状態を保つような食事に気を心がけます。成犬用のフードを与えていても体重が増えて行ってしまうような場合は、食事量を減らすかダイエット用のローカロリーの物に切り替えましょう。

その際はできればかかりつけの獣医師に相談し、適したフードをアドバイスしてもらうとよいですね。

食事の回数は朝、夕2回が朝の1回が目安になります。

7歳以降

シニア期に入ってきて消化機能や噛む力が衰えてきます。ドライフードの場合はふやかすなどして柔らかい状態の物を与えるようにしましょう。フードは高タンパク低カロリーのシニア用のフードに切り替えていくとよいでしょう。

食事の回数は1回~2回が目安ですが、歯が抜けたりして1回に多くの量を食べることが難しい場合は、1回の食事量を減らして回数を増やしてあげるようにしましょう。

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ボディーコンディションバランスで体格をチェックしましょう

ラブラドール・レトリバーは摂取カロリーと運動量のバランスが崩れると、すぐに体型に響いてしまう太りやすい体質をしています。また股関節形成不全や糖尿病など、肥満によって誘発されやすい病気に注意が必要な犬種でもあります。成長期の体重の増加がおさまってきたら、できるだけ安定した体重を保ってあげたいものですね。

体重をコントロールするためにはこまめに体重を測定することが大切ですが、雄で29kg~36kg雌でも25kg~32kgになるラブラドール・レトリバーを自宅で体重測定するのは大変なことです。できればブラッシングの時などに手軽に体型が維持できているのかを確認したいものです。

体重計を使用せずに手や目で犬が骨格にあった体型を維持しているかを確認する方法があります。ボディーコンディションスコアと呼ばれるもので、ブラッシングの時でも簡単にチェックができます。正確な体重測定はもちろん必要なものなので定期的に動物病院でおこなうようにして、日々のチェックにはボディーコンディションスコアを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

ボディーコンディションスコアで適正な体型であるかを見極める手順は次のとおりになります。

ボディーコンディションスコア

肋骨を触る

軽く胸に手を添えて力を入れずに肋骨の上を上下にずらしながら触ってみます。

  • 痩せ過ぎ:触らなくても肋骨が浮いて見える・触るとすぐに肋骨にあたる
  • 太り過ぎ:指先に力を入れないと肋骨を触ることができない

ウエストラインの確認

背中を上から見た時に後ろ足の少し前にあるウエストラインがどのように見えるかで判断します。

  • 適正:背中を上から見た時に少しくびれて見える
  • 太り過ぎ:くびれがなく長方形に近い体型に見える

背骨の確認

背骨のラインを手で触って確認をします。

  • 痩せ過ぎ:背骨の1つ1つがわかる
  • 適正:背骨のラインが触れる
  • 太り過ぎ:触っても背骨の場所がわからない

誤飲の原因!拾い食いには注意が必要です

食べることに関心が強く、出されたものを何でも食べてしまうようなラブラドール・レトリバーの場合に注意が必要なのが、落ちているものを食べてしまう拾い食いという癖です。落ちているものは必ずしも食べられるものであるとは限りません。なかには電池など食べてしまうと重篤な症状を起こしかねない危ないものもあります。

ではなぜ犬は落ちているものを拾い食いしてしまうのでしょうか?犬はとても好奇心旺盛で落ちているものが何かを確認するために臭いを嗅いで、口に入れられそうなものなら口に入れて確認をしたいという本能があるのです。

エサの量が少ないからお腹が減って食べてしまうというわけではないので、エサの量を増やすという方法は拾い食いを止めさせるためには効果がありません。本来はしつけで拾い食いをやめさせることが大切なのですが、本能に基づいた行動なのでなかなか難しいしつけになります。しつけで覚えてもらえない場合には、飼い主が注意をして拾い食いをしない環境を作ってあげる必要があります。

家の中の犬の生活動線に誤飲するようなものや食べ物を落としておかないように注意します。落ちているのを見かけたらすぐに拾っておきましょう。

散歩の時も犬が興味を示しそうな物を飼い主が先に見つけるように注意します。物が落ちている場合はできるだけ冷静に、犬がものに注意を向けないように通り過ぎるようにしましょう。草むらなどに入る場合はより注意が必要です。犬が臭いをかぎ始めたらリードを引いてやめるように促しましょう。

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早食いには要注意!

ラブラドール・レトリバーが食欲旺盛でよく食べることは前に書いているとおりですが、エサを早く食べてしまうことでも有名なようです。ラブラドール・レトリバーの場合は、エサを飲み込むように早く食べてしまうことには注意が必要です。

胸の深い大型犬が突然死する原因の1つに、胃拡張胃捻転症候群という病気があります。ラブラドール・レトリバーはこの胃拡張胃捻転症候群の好発犬種だといわれています。

この病気は胃にたまったガスで拡張した胃が捻じれてしまう病気です。捻じれた胃はどんどんガスをためてやがて他の臓器や血管を圧迫し循環不全を起こします。また捻じれた胃や捻じれる際に巻き込まれてしまった臓器は時間とともに壊死が進んで行くため、早期発見早期処置をしなければ命を落としてしまう恐ろしい病気なのです。

なぜ胃の中にガスが発生してしまうのかはっきりとした原因はわかっていませんが、エサの早食いと食事直後の激しい運動が病気を誘発しやすいといわれています。ラブラドール・レトリバーの場合はゆっくりと10分くらいかけて食事をさせ、食後は30分~1時間はゆっくりと安静に過ごすようにしつけてあげるとよいですね。

犬の早食いを防止するには水分が十分にあるエサを食べさせるのがよいといわれています。ドライフードの場合は水や犬用のミルクでふやかして与えたり、ウェットタイプの缶詰を混ぜて与えるとよいようです。また早食いを防止する工夫がされたエサ皿やおもちゃも販売されていますので、あわせて試してみるのもよい方法ですね。

早食いは膨満感を得ることができず肥満の原因にもつながります。慌てずにゆっくりと食べる癖をつけて、肥満と病気を予防してあげましょう!

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