体臭が気になる?気にならない?ラブラドール・レトリバーの体臭ついて

ラブラドール・レトリバーは穏やかで賢い犬種なので、初めての大型犬にはぴったりだといわれていますね。最近は大型犬でも犬の健康や精神面を考えて室内で飼う方が増えています。室内で犬を飼う時に気になることの1つは犬の臭いです。今回はラブラドール・レトリバーの臭いについて調べてみました。

 

ラブラドール・レトリバーは体臭が強いの?

ラブラドール・レトリバーの臭いは気になるのかを調べてみると、臭いは気にならないという意見と、臭いが強いので注意が必要であるという意見の両方があることがわかります。なぜ意見が分かれるのでしょうか?

ラブラドール・レトリバーは臭いが強いといわれているジャーマン・シェパードやビーグルのように、常に臭いに気を配らなければならないような犬種ではないようですが、だからといってプードルやパピヨンのように、臭いに気を配らなくてもよいという犬種でもないようです。

つまり毎日のブラッシングや定期的なシャンプーなどのケアを怠ると、犬独得の臭いが気になるような状態になってしまうので注意が必要だということのようですね。ラブラドール・レトリバーが臭いの予防のために被毛のケアが必要な犬種である理由の1つは、ラブラドール・レトリバーの被毛の構造にあります。犬の被毛の構造にはシングルコートとダブルコートの2つのタイプがあります。

シングルコートとは温暖な地方で育種改良された犬が多く、冬の寒さから体温を守る必要がないため、被毛の中の風通しが比較的よい毛の構造になっています。代表的なところではトイ・プードルや、ヨークシャー・テリア、マルチーズなどがシングルコートの犬種となります。

それに対してダブルコートは上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2層構造となっており、寒冷地で育種改良された犬が多いため、下毛によって体温を守るような構造になっています。代表的なところではコーギー、ポメラニアン、スピッツなどがダブルコートの犬になります。

ラブラドール・レトリバーは水中や水辺で獲物を回収する水中回収犬として生み出された犬種です。そのため水中でも体温を奪われることなく作業ができるように保温性の高いダブルコートの構造をしています。保温性が高いダブルコートはシングルコートよりも、被毛の中に風を通しにくい構造になっているため臭いが被毛の中にこもりやすく、一般的にはダブルコートの犬種の方がシングルコートの犬種よりも臭いが強いといわれています。

そのためブラッシングなどの被毛のケアを怠ると、臭いが気になるようになってしまうようです。

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犬の体臭とは?

人でも犬でも臭いで気になるのは体臭ですね。いわゆる犬くさいといわれる臭いの原因でもある犬の体臭ですが、臭いを発するメカニズムは人と同じです。汗と皮脂が混ざったものが皮膚上で脂肪酸へと変化し、脂肪酸を好色する雑菌が繁殖することで臭いを発するようになります。

汗をかく汗腺には2つの種類があり、それぞれに異なる意味があります。1つは体温を調整するための汗を分泌する汗腺で、もう1つは生殖のためのフェロモンを含んだ汗を分泌する汗腺です。体臭の原因となる汗腺はフェロモンを含んだ汗を分泌する汗腺で、アポクリン腺を呼ばれています。犬はこのアポクリン腺がほぼ全身にあるといわれており、そのため脇の下などの限られた場所にしかない人と比べると体臭が強くなるのです。

2つの汗腺の具体的な意味や臭いは次のようになっています。

エクリン腺

主に体温調整のための汗腺で、人の場合は全身にあるのに対して犬の場合は足の裏や鼻の頭などの限られた場所にあります。そのため犬は汗による体温調整が苦手だといわれているのです。このエクリン腺からの汗は、ポップコーンと形容されるような少し香ばしいような臭いを発します。ソファーや絨毯など犬が歩くような場所の家具が臭う原因はこのエクリン腺からの臭いによるものだといわれています。

アポクリン腺

この汗腺が臭いを発する汗腺で、人の場合は腋の下などの特定の場所にだけあるのに対して犬の場合はほぼ全身にあります。このアポクリン腺から分泌される汗にはフェロモンが含まれており、エクリン腺から分泌される汗よりも臭いの強い汗になっています。

このフェロモンを含んだ臭いの強い汗を分泌するアポクリン腺は、もう1つの臭いの原因である皮脂を分泌する皮脂腺とつながっています。

そのためアポクリン腺から分泌される汗は2つの臭いの原因である、フェロモンと皮脂が混ざった状態で分泌されることになりこの汗が酸素に触れて酸化し脂肪酸へと変化した結果、脂肪酸を好物とする雑菌が繁殖し脂肪酸を分解・発酵させることによって、強い臭いを発する体臭となるのです。

汗に混ざる皮脂の量が多ければ多いほど体臭が強くなるといわれています。ラブラドール・レトリバーは水中での作業をおこなうための犬種なので、被毛の撥水性をあげるために皮脂の分泌の多いやや脂性の犬種となっています。このこともラブラドール・レトリバーが被毛のケアを怠ると臭いが気になるようになってしまう、原因の1つになっているようです。

 

体臭をケアする方法は?

体臭を予防するためには被毛や皮膚の状態を清潔で健康に保ち、汗や皮脂が過剰に皮膚に残らないようにすることが大切です。そのためには毎日のブラッシングと定期的なシャンプーは不可欠ですね。ラブラドール・レトリバーのブラッシングとシャンプーの方法をご紹介します。

ブラッシング

ラブラドール・レトリバーは、抜け毛が多い犬種としても知られています。まずはラバーブラシを使ってしっかりと抜け毛や死毛を取り除きます。ラバーブラシで取りきれなかったもっとも皮膚に近い部分の抜け毛は、コームを使用して取るとよいようです。最後に獣毛ブラシで被毛の艶をあげて仕上げましょう。

ラブラドール・レトリバーの場合はできれば毎日、散歩の後などにブラッシングをしてあげるとよいですね。特に春から夏にかけてと秋から冬にかけての換毛期には、抜け毛の量が多くなります。数回に分けてこまめにブラッシングをして抜け毛を取り除いてあげましょう。

抜け毛をしっかりと取り除くことは、被毛の風と通しをよくし臭いを予防することにつながります。

シャンプー

シャンプーですが臭いが気になるからといってあまり頻繁におこなうと、雑菌から皮膚を守るために必要な皮脂まで落としてしまうことになり、かえって臭いの原因になってしまうことがあります。

適切なシャンプーの頻度は犬の皮膚や被毛の状態によって異なりますが、おおよそ月に1回~2回、皮脂の分泌が盛んになる夏場は週に1回~月に3回くらいのシャンプーが理想的なようです。

ラブラドール・レトリバーは水中回収犬であったこともあり、とても撥水性の高い被毛をしています。そのためしっかりと毛をかき分けるようにして洗わないと、肌まで洗うことができない毛質になっています。

被毛を洗っているだけでは臭いの予防にはなりませんね。シャンプーをする際は肌をしっかりと洗うように心がけましょう。

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臭いが気になる時は食事を見直してみましょう

犬の体臭が気になる時の対策を調べると、有効な方法としてエサの見直しがあげられていることが多いようです。

エサによって臭いが変化する理由の1つは臭いの強弱の原因となる皮脂が、脂質やたんぱく質の多い食事を続けると分泌が増加する傾向があるということです。特に動物性の脂肪は皮脂の分泌を盛んにしてしまうようで、動物性脂肪が多く含まれたフードやおやつをあげていると分泌が促進されてしまうようです。

市販のドッグフードを主に与えている場合は少し量を控えて、かわりにカボチャやサツマイモなど野菜を蒸したものと野菜スープを加えるとよいようです。

注意しておきたいラブラドール・レトリバーの臭い

犬の臭いが気になる時に気を付けたいのは、耳や口など特定の場所からの臭いを強く感じる時です。これらの臭いは体臭とは異なり、臭いがする状態をそのままにしておくと病気につながってしまうことがあるので注意が必要です。

ここではラブラドール・レトリバーで注意しておきたい臭いをご紹介します。

耳の臭い

垂れ耳のラブラドール・レトリバーでもっとも気を付けなければいけないのが耳の臭いです。

垂れ耳の犬種は立耳の犬種より耳の中が蒸れやすく、耳の臭いの原因である黒くベタッとした耳垢が溜まりやすい構造になっています。この耳垢が溜まった状態を放置しておくと雑菌が繁殖し外耳炎になる可能性があります。

耳掃除の頻度ですが耳の中の皮膚はとてもデリケートなので、あまりやり過ぎるとかえって傷つけてしましまい逆効果になってしまうこともあるようです。臭いの気にならない状態であれば週に1回~2回の頻度でよいといわれています。

耳掃除の仕方ですがデリケートな耳の中を傷めないようにコットンやガーゼ、耳そうじ専用のウェットティッシュなどの柔らかい素材のものを使用して、耳の汚れを拭き取っていきます。この耳垢が悪臭の原因になるので、できるだけ綺麗にふき取ってあげましょう。

奥の汚れは無理に綿棒などを使用して取ると鼓膜を傷めてしまう可能性があります。専用のイヤーローションを使用して耳垢を浮かしとるようにします。イヤーローションの使い方がわからない場合や汚れがひどい場合は、獣医師やトリマーなど専門の知識のある方にお掃除をお願いするのとよいでしょう。

定期的に耳の掃除をしているのに耳からの悪臭がおさまらない場合は、外耳炎などの耳の病気を発症している可能性があります。できるだけ早めに獣医師の診察を受けるとよいですね。

目やに涙やけの臭い

ラブラドール・レトリバーは結膜炎や角膜炎になりやすいといわれており、耳の臭いに次いで目の周りの臭いには注意が必要です。目の周りにいつも目やにや涙があるとその部分の皮膚や被毛が濡れた状態が続いてしまい、そこに雑菌が繁殖し臭いを放つことがあります。

できれば1日数回目の周りをチェックして、気になる場合は優しく拭いてあげるとよいでしょう。

歯周病などによる口臭

口臭は特に老齢になってから気になってくる臭いの1つですが、原因は歯についた歯垢です。歯垢は歯についた食べかすに菌が付着し繁殖したもので、この歯垢が石灰化したものが歯石になります。この歯垢から歯石ができることを繰り返すことによって、歯茎や歯自体に菌が繁殖し炎症などをおこすのが歯周病です。

歯周病を予防するには毎日のデンタルケアで歯垢をためないことが大切です。そのためにはできるだけ小さな頃から歯磨きのトレーニングをし、歯磨きに苦手意識をなくしておくとよいですね。またデンタルガムなどを使用するのもよい方法でしょう。

それでもなかなか完全に防ぐことは難しいものです。少しでも異臭を感じたら早めに獣医師に口腔内チェックをしてもらうとよいでしょう。

肛門腺からの臭い

犬が自分の臭いを付けるための臭いを貯めておく袋を肛門腺といいます。肛門腺は字のごとく犬の肛門付近にあり、排泄と一緒に臭いを排出する仕組みになっています。

ただうまく排出されていないような場合、お尻のあたりから強い臭いを放ち始め、放っておくと破裂してしまうこともあります。肛門腺はトリミングの際や動物病院などで絞ってもらうことができますので、定期的に絞ってもらい臭いの軽減につなげるとよいでしょう。

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アレルギー性皮膚炎やホットスポットに注意!

ラブラドール・レトリバーはアレルギー性の皮膚炎や、急性湿性皮膚炎いわゆるホットスポットと呼ばれる皮膚病に注意が必要なようです。皮膚炎はそれぞれの症状によって異なる独特の臭いを発することから、犬の臭いが気になる原因になっていることが多い病気です。

アレルギー性皮膚炎は食べ物や、ノミやダニなどの寄生虫、ハウスダストや花粉などのアレルゲン(アレルギーを起こす元となる物質)が肌についたり、呼吸とともに吸い込んだりすることで発症する皮膚病です。

症状としては痒がって手足を噛んだり、足でかくと大量のフケが出たりするようになります。重症化していくと脱毛を起こしたり、患部が赤黒くなり皮膚が分厚くなるなってしまったりします。

ホットスポットは発症の原因ははっきりとわかっていないのですが、細菌感染などによって皮膚が部分的に激しく炎症を起こし、その部分の被毛がごっそりと脱毛してしまう病気です。特に細菌の活動が活発になる湿度が高く気温の高い夏場に多く発症するようです。

皮膚病は早期発見・早期治療が大切な病気です。いつもと同じケアをしているのに臭いがなかなか取れなかったりすぐに臭いが強くなってしまうような場合は、皮膚の状態を確認してみましょう。少しでも気になる症状があれば、すぐに獣医師に相談するとよいですね。

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