2016年10月7日更新

僕らの居場所は言わにゃいで その17:みんな楽しくにゃる

あちらこちらへ赴いて外暮らしの猫の写真を撮っていると、少なからず心地よくない体験をする事があります。

ひとつは、近隣に暮らす猫嫌いの人に突っかかられること。

もうひとつは、猫たちの面倒を見ている方々から「撮るな!」と言われること。

まずは後者の方についてですが、実を言うと自分は体験したことがありません。

自分がよく写真を撮っている場所に来た方とお話をしている中で「いや~、この間〇〇に行って猫の写真を撮ろうと思ったら、面倒見てるって人達から『撮るな!』と怒鳴られて・・・もう二度と行きたくないと思いました」的な話がちょくちょく出てくるのを聞いた程度。

もっとも、その場所で怒鳴られた人はひとりやふたりではないので、だいたいの一見さんは怒鳴られてるのではないでしょうか。ちなみに自分も行った事がありますけれど、怒鳴られた事はありません。運が良いのか、はてさて。

僕らの居場所は言わにゃいで

■みんな楽しくなにゃる

ウキウキした気持ちで猫を見に行ったのに、怒鳴られて帰る。

こんなにも切ないことはありません。

猫写真を始めたばかりの人は、あまりのことに心が折れてしまうかもしれない。

「出来る事ならば近付かない方がいいですよ」と場所をお教えしたいところですが、残念なことにこの連載のタイトルは「僕らの居場所は言わにゃいで」。なので猫の居る場所は教える事は出来ません。それでも、うっかり足を踏み入れた時、怒鳴られないようにするポイントをお伝えすることは出来るので、どうか憶えて帰ってください。

いいですか?

一瞬のことなのでお聞き逃しのないよう。

とっても簡単なことですよ。

20120504-33.jpg

「挨拶する」

たった、これだけ。

不慣れな土地で猫を探していると、けっこうな高確率で猫の世話をされている方にも遭遇するのですが、前にも書いた通り自分は近隣の猫事情や情報を得るため気軽に挨拶をするよう心がけています。その際はカメラをカバンの中に仕舞っておくと良いでしょう。カメラを持っている=撮る気満々な姿勢を見せると警戒する人も少なくありません。

ここで反応が芳しくない場合は、カメラを取り出さず和やかな会釈だけをして立ち去りますし、逆に反応が良ければ「最近はインターネットで場所書いたりすると、捨て猫とか虐待が怖いですからね・・・」と配慮の姿勢でジャブを繰り出しつつ、頃合いを見てカメラを取り出し「一枚撮らせてもらってもいいですか?」と確認します。

このプロセスはとても大事です。

お世話をされている方々の心情的に、その猫たちは”我が子”にも等しく、自分の子供を無断で写真に撮られ良い気がしないのは普通のこと。偶然出会ったよその子供の写真を撮る時は、まずご家族に話かけて、了承が得られた場合にのみ写真を撮らせていただくのが正しいプロセスであり、猫たちにも同様のプロセスを踏めばいいだけの話です。

「でもさあ。外猫って誰のもんでもないんだから、イチイチお伺いを立てる必要なくない?」

こういう意見もあります。

おそらく、それは正しい。ぐうの音も出ないほど。※1

だけど、正しいことが何時でも皆を納得させるとは限りません。それどころか誰も望んでいない争いの原因になることもあります。そもそもは純粋に猫と触れあったり写真を撮るために来たワケであって、お世話をしている人と言い争いたいワケではないはず。

挨拶をすることで気持ち良く写真が撮れるのだから、ちょっと腑に落ちないことだって目を瞑ったほうが得ではないでしょうか。

臆さず挨拶をしたら、帰り際の挨拶は「また来ます」と言いたい。

それで「またおいで」と手を振ってもらえたなら、その場所には写真が撮れて嬉しい人だけでなく、友達が増えて嬉しい人、ぎすぎすした空気がなくて嬉しい猫がいます。

ひとりで楽しくなろうとして誰ひとり楽しくなくなってしまうよりも、みんなで楽しくなった方が、きっともっと楽しいですよ。

僕らの居場所は言わにゃいで

※1.自治体によっては”外猫であっても世話(飼育)をしている人間に飼い主と同等の権利と義務が発生する”という考え方もあります。

■みんなの良いとこ探し

さて、遡って今度は前者の「近隣に暮らす猫嫌いの人に突っかかられる」ケースです。

「写真に撮るほど猫が好きなら、この猫持って帰ってくれよ!」

なんて無理難題や場合によっては興奮気味に難癖をつけてくる人も稀にいるのですが、これについて言い争いをしたところで折り合いはまず付かないので、争わないのがベスト。変に言い争って万が一言い負かしたところで、猫嫌いの人の猫に対する嫌悪が強まり、その場所の子達が暮らしにくくなるだけですから、あくまでも穏便かつマイルドに対処しましょう。

これは前述と被るのですが、写真を撮っている時に誰か近付いてきたら、まずは笑顔で挨拶。

ニコニコ挨拶する相手に、突っかかろうとする側の気勢はちょっぴり削がれます。

相手がもし犬を連れていたら迷わず犬に駆け寄り「可愛いですなあ。賢そうですなあ。犬種は?年齢は?女の子?男の子?いい子だねー!」とムツゴロウさんばりにスキンシップをはかってみましょう。

仮にもし犬を連れているのが猫嫌いの人であっても、ここまで自分の犬を褒めちぎられると、なかなか文句が言いにくいもの。気持ち良くなったら、ちょっと嫌味を言われるくらいで済むのがもっぱら(自分の場合、犬に対する態度はポーズではなく、犬が好きで、だけどあまり接する機会がないから本当に嬉しい)。

相手が競馬新聞を持っていたら、競馬の話を。高そうな自転車に乗っていたら、自転車に興味を示しても良いかもしれない。仮に競馬や自転車の知識がなくても、興味を示して質問するだけでいい。これは単なる手法の一例に過ぎず、要するに近付いてきた相手の良いところを見つけて、すかさずその話で相手を気持ち良くさせ、無用な言い争いを未然に防ぎましょうというもの。

そんなの日和見じゃないか!と言われれば、その通りかもしれません。

だけど、真っ向から言い争ったところで、人も猫も誰も幸せになれないなら延々と争いを続けるよりも、明るい挨拶で良好な関係を作ることに意識を向け、猫の世話人とも、猫嫌いの人とも、そして当然ながら猫たちとも気持ち良く過ごせるよう心がけると、あなた自身も猫の写真が楽しく撮れるのではないでしょうか?

それでわ、また。

僕らの居場所は言わにゃいで

★告知・写真展に参加いたします

横浜赤レンガ倉庫 ねこ写真展

会場:神奈川県横浜市中区新港1-1-1 赤レンガ倉庫1号館 2F

日程:11月2日~7日

時間:10:00~19:00(最終日は15:00迄)

入場料:500円(小学生以下無料。当日に限り再入場可)

http://akarengasoko-catphoto.yokohama/

「僕らの居場所は言わにゃいで」をテーマにした写真の展示を行います。

ここでしか買えない限定フォトブックもありますよ!!

★facebookページでのイイね!も宜しくお願いします。

https://www.facebook.com/events/669234779899544/

末吉弦太



写真家

カメラマンとして企業のウェブサイト・広告用の写真を撮影する傍ら、各地を転々としつつ外暮しの猫たちを撮り続ける。 主要機材:PENTAX 645Z、Nikon D5、FUJIFILM X100 撮影場所を公にすることのリスクや問題について警鐘を鳴らすハッシュタグ「#僕らの居場所は言わにゃいで」を使って、猫の居場所をシェアするのではなく、静かに見守る気持ちをシェアしませんか?

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