2016年11月29日更新

ねこばばの語源、猫の糞にまつわるあれこれ

後藤大介



獣医師

 

物をこっそり盗むことを「ねこばばをする」と言います。このねこばば、「猫糞」から来ているって知っていましたか? 「糞」は「ばば」とも読みます。ねこばばが物をこっそり盗むという意味になった理由、さらには猫はなぜ糞を隠すのか、猫の糞の処理方法など、ねこばばにまつわるあれこれを考えてみましょう。

 

「ねこばば」という言葉の由来

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こっそり物を盗むという意味の「ねこばばする」。猫の糞と盗むことにどのような関係があるのでしょう。

猫は糞を隠して知らんぷり

猫は糞をすると砂で隠す習性があります。そして知らんぷりをしてどこかへ行きます。つまり糞をこっそり隠して知らん顔するということから転じて、ヒトの物をこっそり持ち去るという意味になりました。

「いぬばば」ではなく「ねこばば」になった理由

犬も同じように糞を隠しますが、なぜ「いぬばば」ではなく、「ねこばば」になったのでしょうか?これは江戸時代のエピソードに由来すると言われています。
動物好きで有名な徳川五代将軍、綱吉。ある日彼が道を歩いているときに猫の糞を踏んでしまったそうです。しかし彼は「生類憐みの令」を出した張本人。糞をした猫を怒ることができず、踏んでないふりをしたということです。つまり、知らん顔をしたのです。そこから、ヒトの物を取って知らん顔をするというねこばばが生まれたと言われています。

猫が糞を隠す本当の理由

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では猫はなぜ便を隠すのでしょうか? これにはいくつか説があります。

においを隠す

まず、1つ目は「自分のニオイを隠して外敵や獲物に気付かれないようにする」というもの。野生には敵もいれば獲物もいます。それらの動物に自分がここにいるということを気付かれないために隠してしまうという理由です。一番もっともらしい理由なのではないでしょうか。

目上の猫への敬意

2つ目は、「自分より強いものへの敬意」だと言われています。ボス猫の場合は糞を隠さないことが多いため、目下の物が自分の排せつ物をボスに見せないためのエチケットではないかともいわれています。猫の世界にも上下関係があるんですね。

伝染病の予防

3つ目は、「伝染病の予防」のためです。猫には便からうつる寄生虫やウイルスが多いです。便を隠すことで、それらの病原体へ他の猫が接触しにくくなります。そうして伝染病の蔓延を防いだ猫のグループが生き残って、本能として引き継がれていると言われています。

昔の本能で隠している

現在家で飼われている猫は、これらの心配はする必要はないですが、野生の時代の癖がそのまま残っており、今でも隠すことのできる砂がないとトイレをしたがらない猫ちゃんは多いですね。

 

意外と知らない糞の処理方法

少し話は変わりますが、皆さん猫の糞はどのように処理していますか? おそらく、ペットシーツや猫砂などと一緒に燃えるごみに捨てている人が多いと思います。この行為、自治体によっては法律違反になってしまうんですよ!

猫の糞をごみとして持ち込み禁止している自治体も

実は、自治体の中にはペットの糞尿をごみとしては持ち込み禁止物に指定しているところがあるのです。業者などでなければ捕まることはまずないとは思いますが、注意が必要です。

砂を落としてトイレに流そう

ではどうしたらいいのでしょう? 正解は砂などを落としてトイレに流す、もしくは自宅の庭や生ごみ処理機で処理するというものです。猫の糞をトイレに流すと詰まると言われていますが、これは砂や石がついている場合。それらを落として流せば問題ないようです。

「猫糞」には注意しよう

猫の糞にまつわるあれこれ、いかがでしたか?

猫が当たり前のように行う糞を隠す行為、まさか物を盗むことに例えられているとは思っていないでしょうね。

中には、外に行った猫が毎回近所の花壇に糞をして近所トラブルになるという話も聞きます。処理方法を含め、猫が隠した「猫糞」は飼い主さんがきっちり処分してくださいね。

 
 

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