2016年11月13日更新

子猫が歓迎されない町【ねりまねこブログ】

毎日のように
「子猫が産まれた!(´Д`;)」と
相談が来ます。

人口72万の広大な練馬区にはたくさん猫がいるので、
子猫が生まれるのはあたりまえ。

おそらく何千という単位で生まれているでしょう。

しかし、現代の住宅密集地において
子猫の誕生が歓迎されないこともあります。

それどころかひと騒動になってしまうことも。

なんだか息苦しい世の中になりました。

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新たに着手した現場もその一つです。

大きな農家さん

自然豊かな敷地にはたくさんの猫が居ついています。

農家さんは追い払うこともなくあるがままにさせていました。

おそらくネズミ対策のため昔からの習慣で
猫と共存していたのでしょう。

それは、どこの家も同じで文句を言う人もいませんでした。

しかし・・・

23区中で最大の農地面積を有する練馬区でさえ

開発の波にさらされ、周囲はどんどん住宅地に変わっていきます。

居場所を失った猫たちはますます農家さんの元に
集まるようになりました。

敷地に居着いた猫の総数は40匹以上

敷地の外にも姿を見せるようになります。

たとえば

農家さんの敷地のフェンスの外で倒れていたわかちゃん

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「死にかけた子猫は生きています」

わかちゃんはもちろん農家さんの飼い猫ではないので
適正飼養の責任はありません。

それでも敷地の中で産まれたために

「農家さんの猫」と周囲に思われてしまうのです。

「あそこで猫が増えているのではないか?」

「ちゃんと飼っているのか?」

不安に思う人からのご相談で、

私達が問題解決のお手伝いに伺うようになりました。

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広い敷地は猫の楽園です。

農家さんは猫を増やしたいわけではありませんでした。

それどころか、

たくさんの猫を手懐けて、捕まえて、
正規の料金で不妊・去勢手術をしていました。

これまでに何十万円も使ってきたそうです。

ただ、警戒心の強い猫は素手では、捕まえられません。

納屋に居着いた生粋の野良猫は毎年出産します。

農家さんはできるだけのことはしてきたのに

野良猫の繁殖まで責任を負わされるのは納得できませんでした。

(私達も、「責任を負わせよう」などとは考えてません)

私達の訪問は、苦情を鵜呑みにして
注意しに来たように見えるので

農家さんにとってご気分が悪かったでしょう。

確かに地域猫活動は苦情や通報から始まることが多いです。

しかし、私個人としては、

苦情者のご要望を叶えるためだけに
対策をしているわけではありません。

むしろ、

行き場のない野良猫に心を寄せる優しい人々と

野良猫たちを

適正な管理をすることで

周囲の批判や苦情から守りたい
そういう思いがあります。

なぜなら、捕獲を手伝い、
手術費用を負担し、
今後の適正管理に協力をしてくれるのは

苦情者ではなく、猫に心を寄せる人たちだからです。

その思いが最初から通じるわけがなく、
何度も訪問をすることになりました。

地域猫活動は「苦情者のため?エサやりのため?」

答えは、両方のため

もっと言えば、無関心な人も含め
町のすべての人のためという気持ちで行っています。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

他人に干渉されるのは誰でも嫌なものです。

私達も最初から歓迎されたわけではありません。

しかし訪問を重ねることで、
少しづつ、お話ができるようになりました。

農家さんを助けたいという
私達の思いはやがて相手にも通じ、

捕獲と手術のご許可をいただきました。

朝どりのお野菜をお土産に持たせてくれた時は
本当にうれしかったです。
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そうして始まった捕獲作業

頭数が多いので、最初は楽勝かと
思ったら、とんでもない。

大変、難航しています。

それは、敷地内の猫で
どれが手術済なのか見てわからないせいです。

耳カットがないのです。

捕獲器に入るのは、慣れた手術済の猫ばかり。

耳カットの必要性を強く感じました。(;´Д`)ノ

ねりまねこ



NPO法人

「NPO法人ねりまねこ・練馬区地域猫推進ボランティアのブログです。 博愛の夫と、平均的猫好き妻による、市民ボランティア奮闘記! 地域猫とは地域にいる飼い主のいない猫の問題を、 地域住民・問題解決に取り組むボランティア・行政の三者が協力しあって解決を目指すことにより、 人と猫とが共生する地域づくりをしていくという考え方です。」

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