2016年3月2日更新

【獣医師監修】垂れ耳犬に多い、耳の病気の原因と症状。外耳炎、中耳炎の予防法

耳の病気にかかる犬がとても多いこと、みなさんはご存知でしょうか?ぴんと立った耳の犬種に比べ、ダックスフントやコッカースパニエルのような垂れ耳の犬種は耳が蒸れやすく、耳のトラブルを起こしやすいようです。今回はそんな耳の病気と症状について紹介します。

耳の病気の原因

犬の耳の病気で多いのは、耳道の炎症です。炎症の原因は細菌、耳ダニ、真菌、アレルギーなど様々なものがあります。

垂れ耳の犬では耳が外の空気に触れることが少なく、耳道の炎症の原因となる細菌などが増えやすい環境になりがちです。そのため、よごれを放っておくとそこで細菌が繁殖して炎症を起こしたり、その炎症が悪化したりするのです。

主な耳の病気と症状

外耳炎

耳やその周辺をかゆがったり、触るのを嫌がるようなそぶりを見せたりしたときは外耳炎の可能性があります。外耳炎では臭いがある耳垢がたくさんでるようになるほか、炎症を起こした耳が赤く腫れていることが確認できることもあります。

原因はいくつか考えられますが、多くは細菌感染を起こしています。

細菌感染の他に意外と多い外耳炎の原因は、耳ダニの感染です。耳ダニに感染した場合は、非常にかゆみが強いので、早急な治療が必要となります。

中耳炎

外耳炎がひどくなると中耳炎を起こすことがあります。中耳炎では鼓膜のさらに奥の鼓室に膿がたまります。

中耳はいくつかの神経に隣接しているため、頭が一方に傾いたままになってしまったり、目や口の周囲の神経が麻痺してしまったりなどの症状がみられることがあります。

このため、できるだけ早い段階での治療が必要です。多くの場合、外耳炎の悪化により鼓膜が破れることが原因といわれています。

内耳炎

中耳のさらに奥で炎症が起こる内耳炎では平衡感覚を失ったり難聴になったりと、外耳炎から中耳炎、内耳炎と炎症が奥に波及するにつれて、より深刻な症状が現れます。

外耳炎や中耳炎を繰り返す犬にみられるため、慢性的に外耳炎と中耳炎を起こしている犬は注意が必要となります。

耳の病気の予防法

耳の病気を予防するために一番大切なことは「耳を清潔に保つこと」です。耳垢がたまっていたり、耳が汚れたまま放っておいたりすると外耳炎になりやすくなります。また、そこから中耳炎、内耳炎と病気が進んでいってしまう原因にもなります。

ただし、正しい耳掃除を行わないと、汚れを取りきる事ができないだけでなく、耳の中を傷つけてしまう恐れがあるため、効果的な耳掃除の方法を動物病院で指導してもらいましょう。

耳ダニについては、接触感染であり、また感染力がとても強いために予防は困難です。多頭飼いをしている場合には、1頭で耳ダニが確認されたら他の犬にも感染している可能性が高いので早めに治療を行ないましょう。

おわりに

耳は、音を聞く以外にも、平衡感覚を司るなどの働きをしており、生きていく上でとても重要な器官です。耳の病気が悪化することによって、歩くことにまで支障をきたすこともあります。

愛犬が普段より耳を気にしている様子があれば、できるだけ早く動物病院に連れて行きましょう。早めに適切に処置をすることで、早期の回復が見込め、悪化を防ぐことに繋がるでしょう。

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