猫は病気を隠す生き物です。犬も同じですが、猫のほうが見破るのがとっても難しいのです。些細な病気のサインを見逃さないためにも、愛猫の普段の状態をよくよく知っておくことが大事です。愛猫の健康チェックを日課にしてみませんか?
正常を知ることが大事

健康チェックをするとは言っても、獣医師の先生のように、聴診器を当てて、血圧を測って、脈を測って…と専門的なことをする必要はありません。ただ、見てるだけ、なでるだけ、でも立派な健康チェックになるのですよ。
病気のサインを見分けるには、なにが正常であるかを知っておくことが大切です。正常でない何かを見つけた時、すぐにかかりつけの動物病院へ受診すれば病気の早期発見に繋がります。
猫の正常な体って?

では、部位別にご紹介していきましょう。
顔全体
- パーツが左右対称
目や耳、鼻は完全ではないものの左右対称にできています。左右対称でなかった場合は、片方のパーツとなにが違うのかを比べてみましょう。
目
- 目の開きは左右対称
- 目頭の部分の粘膜(瞬膜と呼びます)が飛び出ていない
- 瞳孔は明るいところで線のように細くなり、暗いところで広がる
- 瞳孔が左右対称
目は左右対称であっても、まぶしそうにしょぼしょぼしている時は注意が必要です。また、瞬膜が黒目にかかるくらい出ていたり、目やにが多量に出ている場合は受診しましょう。
耳
- 薄いピンク色や、白色に近く、汚れが付着していない
異臭がしたり、真っ黒の耳垢がついている場合は注意が必要です。
鼻・口
- 鼻は少し湿っていて、鼻水などの分泌液がでていない
- 口唇や、歯が左右対称
青っぱなが出ていたり、鼻水が乾いて固まって鼻の穴を塞いでいたりしたら風邪をひいている証拠です。また、口唇に腫れがあったり、歯肉が赤く腫れていたりしたら注意が必要です。舌のトゲのような突起があるのは正常で、ただれて真っ赤になっていたり、水ぶくれができている時はすぐに動物病院へ受診しましょう。
体全体
- 四肢は左右対称で、均一に体重がかかっている
- 爪はしまわれている
- 背骨をなぞっても嫌がらない、痛がらない(性格によります)
- ふらつかずに歩く
- 物にぶつかったりしない
体重のかけ方が均一でなかったり、爪がどんな時でも出しっぱなしになっているのは病気のサインです。背骨を痛がるときも受診が必要です。
排泄
- 尿は毎日出ている
- 便は3日に一度は出ている
尿は出なくなって3日で死に至る可能性があります。尿閉はとても怖い病気なので、おしっこをしているか、どれくらいしているか、何回しているかなど普段から観察するクセをつけましょう。便は3日以上出ないこともあります。3日以上出なければ、100%病気であるわけではありませんが、便秘が続くと嘔吐などの症状が出ることもあるので、3日出なければ一度受診しましょう。
様子
猫は普段からよく眠りますが、具合の悪いときも一日中眠ります。普段グルーミングをしているのに、していなかったり、毛がびしょびしょになる程グルーミングを繰り返していたら病気のサインかもしれません。
性格によることも

例えば体を触るのを嫌う猫だと、痛くて嫌がっているのか、単に触られたくなくて嫌がっているのか判断がつきません。普段から触られるのが嫌な子であれば、無理には触らなくて大丈夫です。ただ、どこをどんなふうに触ると嫌がるのかを把握しておくのはとても大切なことです。猫のサインを見つけるのは非常に難しいですが、普段から見ている飼い主さんであれば、何となくでもサインに気づくことが出来るかもしれません。
健康チェックをするぞ!と意気込むのではなく、なんとなく普段の様子を記憶しておくだけでも病気の早期発見に繋がるかもしれません。