2016年12月11日更新

予防しないと病気のもと~猫の毛球が危険な理由

後藤大介



獣医師

 

猫の魅力の一つ、ふわふわの毛。触っていないと落ち着かないなんて飼い主さんもいらっしゃると思います。そんな猫の毛ですが、手入れをしてあげないと大変なことになってしまうこともあります。今回はそんな毛が固まった「毛球」が引き起こす病気を見ていきましょう。特に長毛種の猫ちゃんを飼っている人はしっかり見ておいてくださいね。

 

おう吐の原因~胃腸の毛球症の症状と対策

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毛球があっても吐かない子もいる

まずは、猫が自分で手入れをして飲み込んだ毛が胃の中で固まる胃腸の毛球症についてお話しします。
猫は毛球を吐くのが普通と思っている飼い主さんもいますが、胃の中に毛球ができてもはかない子もいます。その場合は少しずつ便に混じって出てきます。実際に毛球が腸に詰まってしまって腸閉そくまで行ってしまうことは非常にまれですが、そういった報告はありますので、あまり大きな毛球ができてしまうことは良くないです。

頻繁な嘔吐によって逆流性食道炎を起こすことも

また、毛球が胃の中を刺激して嘔吐にもつながります。それほど頻度が高くなければいいですが、中には何度もおう吐してやっと吐き出せるという子もいます。そういった子では胃炎を起こしてしまったり、胃酸で食道が荒れてしまう「逆流性食道炎」を起こす心配があります。

胃腸の毛球症の予防と対策

毛球予防として、一番いいのはやはりブラッシングです。ブラッシングの方法については最後にお話しします。他の対策としては以下の方法があります。

  • 毛球用の食事を与える
  • 猫草などで定期的に吐かせる(吐かせすぎると胃や食道が荒れてしまうこともあるので注意してくださいね)
  • 毛球用のサプリメント(ラキサトーンなど)をご飯に混ぜる

重度の皮膚炎の原因になる皮膚の毛球症

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長毛の子・高齢の子では皮膚の毛球にも注意

長毛の子ではかなり大きい毛球を付けてしまうこともあり、皮膚の毛球症にも注意が必要です。
猫は基本的には自分で毛をキレイにし、もつれないようにするのですが、ケアが下手な子ではグルーミングだけでは不十分なことがあります。

さらに、高齢になってくるとグルーミングの頻度が減ったり、毛がごわごわになって毛球になりやすくなります。病気を持っている子の場合、体調が悪くてグルーミングをしなくなるという子もいます。

毛球の下の皮膚は真っ赤な炎症に

皮膚の毛球、実は非常に怖いんです。毛球の奥の皮膚は、そこにたまった老廃物と湿気で荒れてしまい、細菌感染や炎症も非常に多いです。毛球を取ってみると、その下の皮膚が真っ赤に炎症を起こしているということは非常に多いです。
しかも猫の皮膚は非常に薄く繊細ですので、大きな毛球を取ろうとするとハサミでもバリカンでも皮膚を切ってしまうことが非常に多いです。病院ではよほどおとなしい子でない限り、鎮静をかけて注意深く行います。

 

毛球予防にはブラッシング

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ブラッシングの3つのポイント

胃腸と皮膚の毛球を予防するために必要なのがブラッシングです。
ポイントは以下の通りです。

子どものころからやる

小さいころからやっているとブラッシングを嫌がらずにできるようになります。

一番気に入るブラシやコームを見つける

さまざまなタイプの猫用ブラシやコームがあるので、猫ちゃんが一番気持ちよさそうにするものを使ってあげてください。長毛の子には人のくしの形に似たコームが使いやすいことが多いです、

毛の向きに沿ってブラッシングする

脇や内股などは毛球になりやすい場所ですが、皮膚が弱い場所ですので傷つけないように注意して行ってください。

コミュニケーションの一つとしてブラッシングをしよう

たかが毛球ですが、されど毛球です。ブラッシングは毛球による病気の予防だけでなく、愛猫とのコミュニケーションの一つの手段になります。無理せず少しずつ、猫とともにブラッシングに慣れていきましょうね

 
 

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