2016年12月11日更新

【動物看護師が徹底解説!】猫のアレルギー症状とは?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

春先に鼻がムズムズしたり、ホコリで喉がイガイガ痛くなったり。これらはアレルギーの一種です。猫にもアレルギーが存在し、さまざまな原因でさまざまな症状を引き起こします。また、鼻水やくしゃみだけではなく、皮膚の炎症、下痢など表れる症状は多岐にわたります。病気なのか、アレルギーなのか、見分けるにはどうすればよいのでしょうか。

 

そもそもアレルギーとは何か

アレルギーとは、自己免疫の過剰反応のことをいいます。体には自分を守る働きがありますが、時にそれが、守るどころか壊していってしまうこともあります。アレルギーはアレルゲンと呼ばれる原因(例えば、ホコリ、花粉、ダニなど)があることで起こり、免疫が過剰反応する場所によって症状が出る部分が変わってきます。

猫にはどんなアレルギーがある?

湿疹や痒みを伴う皮膚炎、外耳炎などの皮膚症状、下痢や嘔吐などの消化器症状、くしゃみや鼻水などの呼吸器症状、実にさまざまな症状を引き起こします。皮膚症状ひとつをとっても、痒みや湿疹だけでなく、脱毛やフケ、化膿することもあります。”このアレルギーの場合、この部分に必ずこんな症状が出る”といったものはないので、最初はアレルギー反応で症状が出ていると気が付かないこともあるでしょう。

アレルギーというと生まれたときから、特定の物質に対して反応すると思いがちですが、生きている間で突然発症することもあります。食物アレルギーの場合は、今まで食べていたフードが突然合わなくなることもあるので、どんな症状が出ても、病気の可能性とアレルギーの可能性、両方を考えるようにした方がよいでしょう。

 

どんなアレルゲン(原因)がある?

結論から言えば、体の中に備わっていない物質はすべてアレルゲンになり得るものです。

ホコリや花粉、ノミ・ダニの死骸、食べ物、金属や植物の汁や樹液もアレルゲンになります。生きているだけでさまざまな異物に触れているので、正直どれが原因になって、アレルギー反応が出ているか判断するのはとても難しいです。ある程度これに反応しているのでは?と標的を絞るためには、アレルギー検査をする必要がありますが、1つだけアレルギー反応があることは稀で、ほとんどはあれもこれも反応が出る可能性があると結果が出て、頭を悩ませることになるでしょう。かといって、無駄な検査ではなく、標的は1つではなく指折り程度に絞り込むことが出来れば、その物質に対しての対策をして、症状が落ち着くか反応をみることが出来るのです。

ステロイドを怖がらないで

インターネットが普及し、飼い主さんも動物病院へ行かなくてもさまざまな治療の情報を入手できるようになりました。しかし、ネット上の情報が100%正解かどうかはわかりません。

どこから始まったのかはわかりませんが、ネット上で勉強し、「ステロイド=副作用が強く、よくない薬」と考えている飼い主さんも少なくはありません。ステロイドを処方しようとすると、「いりません」や「他の薬にしてください」と言う方もいらっしゃいます。治療の第一段階にステロイドを出す獣医はヤブだとまで言う方も稀にいます。ステロイドは免疫を抑制する作用があるので、アレルギー反応を起こしている体には非常によく効くので処方されることもあるでしょう。確かに、副作用があり、免疫を抑制するので感染に弱くなったりすることもありますが、それは多量に服薬したり、長期に服薬したりした場合に起こることです。正しい量、正しい期間使用する分には問題はありません。

「ステロイドを出さないで。」と言っているのは、「このまま愛猫を苦しめて。」と言っているようなものです。アレルギー反応を起こした体は非常につらいです。そのつらさを取るためにまず、ステロイドで免疫を抑制し、原因に対して過剰な反応を起こすのを止めるのです。そして、継続して服薬している間に原因を探します。原因を突き止めなければ、アレルギー反応は止まらないのです。少しでも疑問があるのであれば直接獣医師に相談しましょう。生返事をせずに、納得するまで質問をしましょう。

ネット上の情報を信じ込んだせいで、愛猫を苦しめることもあります。愛猫を守るためには、飼い主さん本人が正しい知識を持つことが大切です。ステロイドだけでなく、治療や処方された薬について疑問点があれば、あとからでも構わないのできちんと理解できるまで、獣医師と話をするように心がけましょう。

 
 

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