2017年2月12日更新

「犬の死の海岸」と呼ばれる場所を知っていますか?

「dead dog beach(犬の死の海岸)」と呼ばれる場所をご存知でしょうか?
文字通りたくさんの犬達が、毎日ここで命を落としています。
それは、プエルトリコ自治連邦区という小さな場所にあります。

はじまりは経済破綻

2015年の8月、プエルトリコの経済破綻はニュースなどでも多数報道されていました。

経済低迷から財政危機に陥っていたプエルトリコのガルシア知事は6月、「約720億ドル(約8・6兆円)に上る公的債務を返せない」と表明。8月3日には借金の一部しか返済できず、事実上のデフォルト(債務不履行)となった。

出典:プエルトリコの財政破綻とは – コトバンク

プエルトリコの経済状態はとても悪く、10人に1人は失業している状況です。
人々は職を求め、アメリカ本土への移住が後を絶たない状態となっています。
そして移住する際に、飼っていたワンちゃんを置きざりにしてしまうのです。

dead dog beach

現在プエルトリコには250,000匹もの野良犬がいるとされています。
かつては人間に飼われていた子や、その子から生まれた子犬達です。

Terryさん(@terry_heat)が投稿した写真

こんなに野良犬がいると、もちろんシェルターはいっぱいで入れません。
行き場所のない犬達は街中をさまよいます。
そして街中に野良犬がいると不衛生、観光客が来ない、という理由で、
犬達はさらに島の南西部にある「デッドドッグビーチ(犬の死の海岸)」と呼ばれるビーチに捨てられるのです。

ただ海岸沿いに捨てられるだけなら、まだ良かったのかもしれません。
心無い人に虐待されたり、銃の試し撃ちに使われたりと、悲惨な目に遇っているため、
この海岸にたどり着いた犬は、数カ月以内には死んでしまうのだそうです。

なぜdead dog beachはできたのか

もちろん人々が犬を見捨ててしまったから…というのが大きな理由ですが、
人口が減少していく一方で、犬の数は増え続けています。

プエルトリコでは犬の去勢をしない

一番大きな理由として、プエルトリコでは犬の去勢という文化があまり一般的ではありません。
プエルトリコの男性は、自分の犬に去勢させる事を嫌がる傾向があるそう。
そのため一般家庭で飼育されている犬たちはほとんどが未去勢で、
置いて行かれた犬達はその後繁殖し、250,000匹もの数に増えていったとされています。

獣医師の不足

もう一つの原因として、プエルトリコでは動物の数に対し獣医師が圧倒的に不足しています。
その理由として、プエルトリコでは法律上、独自に発行された獣医師のライセンスが必要になります。
にもかかわらず、現在のプエルトリコには獣医科のある学校は存在しません。
そのため他の米国の州で獣医師をしていても、そのままプエルトリコで治療する事が出来ないのです。

立ち上がった人たち

プエルトリコのdead dog beach。
この悲惨な状況を変えるため、現在たくさんのボランティアの方達が活動しています。

スタッフさんたちは毎日ビーチに行って、出会った犬たちに餌や薬や治療を与え、保護します。
そして保護した犬を去勢し、主にNYで里親さんを探して送り届けるという活動を行っているのです。

さいごに

日本に住む私たちでは、このビーチのワンコ達の里親になる事は難しいです。
けれど現在の日本でも、飽きたから、しつけがうまくできなかったからという身勝手な理由でペットを捨てる人がいます。

これからワンコを迎えようと思っている方は、そういった子を家族に迎えるのも1つの選択肢です。
(子犬の時期を一緒に過ごせないけれど、今までにない幸せを、あなたの手で与えることができます)

もちろんいまワンコを飼っている方は、その子を生涯大切にすること。
飼い主さん一人一人が意識する事で、世の中の不幸な犬達が1匹でも多く救われることを祈っています。

※「dead dog beach」で検索すると現地の写真を見る事ができますが、ショッキングな画像も含まれていますのでご注意ください。

おかもとてつへい



ドッグマナー

自称犬の写真家(笑)/ NPO法人日本ドッグマナー協会 / 一般社団法人ペットライフデザイン協会 愛玩動物救命士 モラキジドッグは愛犬(モモ、ララ、キキ、ジジ)の頭文字からです。 犬同伴可の焼肉店で手作りフードでキャリアを積み、飼い主さんと愛犬の(ドッグマナーとペットライフ)共生の為に尽力しております。自社Webサイトコンテンツ制作や他社Webサイトも制作。

関連記事

助け合いで命を救おう!犬猫の献血の疑問とペットへの負担

「供血のご協力をお願いします」動物病院でこう書かれている貼り紙をご覧になった事はないでしょうか? ペットの場合、人間のように輸血用の血液のストックがないことがほとんどなので、もし輸血が……

犬の動物愛護

『保護犬専用ブース』を設け里親探しも行う新しい形のペットショップ。

『P’s-first』というペットショップをご存知でしょうか? ペッツファースト株式会社が運営しているペットショップで、従来のペットショップとは少し違った取り組みをしています。 『ペット……

犬の殺処分

ペットは8週齢まで親元に!「8週齢規制」札幌市で全国初めて条例化

子犬や子猫の成長には母親の存在は不可欠です。特に生後8週間は、人間との生活に無理なく馴染める社会性を身につけ、健康な体を作るためにも親兄弟と一緒に過ごすことが望ましいとされています。2013……

犬のニュース

【ドッグマナー協会理事が解説】犬に優しくない日本は2020年東京オリンピックまでに何か変わるのか?

日本は本当に犬に優しくない国です。 特に電車で移動する際には強く感じます。 電車の規制が厳しいのでケージに入れて運べる小型犬じゃないとまず無理です。それに心なしか周りの目が冷ややかだ……

犬のニュース

知ってるようで知らないペットを守る「改正動物愛護法」を巡る主な出来事

2016年。今年は「改正動物愛護法」が施行されて3年目だって知っていましたか? そもそも「改正動物愛護法」って何?という方も多いのかも知れません。 この法律は、「ペットの命を守る……

猫の動物愛護

犬の飼い主さんに一度は読んでほしい「犬の十戒」。犬との関係を考えされられます。

「犬の十戒」という犬からの10のお願い文があるのをご存知でしょうか?作者不明のまま世界中に広まった詩のような文章で、犬と人間との理想的な関係を犬の立場から語りかけるという内容になっています。……

犬の雑学

ピコ太郎のPPAPのネコ版が(笑)これは教えたい最新の猫情報♪

最近世界でも大人気だというピコ太郎。一度聞くと忘れられないPPAPですが、これのネコバージョンがとっても可愛い!皆様もうごらんになりましたか? ペンとアポーとネコを合体させたら何になる……

猫のニュース

最期まで面倒みられますか?子犬を迎える際に、考えなければいけないこと。

犬を新しく家庭に迎え入れる時、好きな犬種や可愛いと思った子犬を迎え入れることはよくあることですが、ぜひ選ぶ時の基準として知って頂きたいことがいくつかあります。 犬を飼うということは、人……

犬の選び方・迎え方

愛犬との新しい出会い方!知ってますか?保護犬のカフェ【HOGOKEN CAFE®】

保護犬カフェとは? 日本初! キャストが一度は人間に捨てられ、殺処分されるかもしれない運命から奇跡的に保護された保護犬という「いぬカフェ」です。 「保護犬」の話題となるとどうしても……

犬カフェ

「災害時のペット同伴避難所の開設を!」の署名活動をしています

「災害時のペット同伴避難所の開設を!」の署名活動 9月23日(金曜日)に多くの国会議員の前で「ペット同伴避難所の必要性」を講演することになった すごーいでしょ(^○^)何がすごい……

犬のニュース

自分がもしもの時に愛犬を救いたいなら、愛犬の為の意思表示カード!【無料ダウンロード】

実際には決して起こって欲しくない事ですが、自分がもし外出中に大きな事故に巻き込まれて大怪我を負いそのまま入院、最悪の場合亡くなってしまったとしたら・・・家に残して来た大切なペットのケアをして……

犬のニュース

「犬の死の海岸」と呼ばれる場所を知っていますか?

「dead dog beach(犬の死の海岸)」と呼ばれる場所をご存知でしょうか? 文字通りたくさんの犬達が、毎日ここで命を落としています。 それは、プエルトリコ自治連邦区という小さな場……

犬の動物愛護