2017年1月19日更新

【動物看護師が徹底解説!】寒さのせい…?愛猫が水を飲まない時の対処法は?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

寒い冬は汗をかくことが少ないので”のどが乾いた”という感覚も、夏のように一日のうちにそう何度もなくなりますよね。とはいえ空気は乾燥しているので、自覚はしていなくとも体は水分を常に欲しています。

猫はもともと水をあまり飲まない生き物なので、冬になると更に飲水の回数が減っていくでしょう。そこで怖いのは、脱水。脱水するとなぜいけないのか、脱水を防ぐためにはどんなことをすればよいのでしょうか。

 

なぜ猫は水を飲まない?

猫はもともと砂漠地帯に住んでいた生き物とされていて、水をあまり飲まなくても生きていけるようになっています。取り込む水分が少ないので、排出もなるべく少なくするために猫の泌尿器は他の生き物とは違う、特異な働きをしています。

現在家庭で飼われている猫も、この特性を受け継いでいることから、飲水量は少なく、犬のように何度も一日に排尿することもないのです。

脱水するとなぜいけない?

冬の猫の脱水はよく見られる症例です。軽い脱水であれば、尿量が少なくなり、尿の色や臭気がいつもよりも濃く、臭くなります。また、排便も少ないか、あるいは便秘になります。自力で排出できなくなるほど便が硬くなることもあります。

脱水が進むと、毛ヅヤが悪くなり、鼻や口の中が乾いてきます。体表に沿うように流れていた被毛が、毛羽立つようになり、特に背中の被毛がギザギザに見えます。やがて食欲がなくなり、活動性が急落し、起立困難、最悪の場合死に至ることもあります。死に至るほど見逃してしまう飼い主さんは少ないですから、こうなる前にかかりつけの動物病院へ連れていくことをおすすめします。

脱水は急激に症状が現れるのではなく、じわじわと進んでいきます。早期発見すれば最悪の結果になることはないので、愛猫の観察は怠らないようにしましょう。冬に飲水量が少なくなっただけの脱水症状ならまだよいですが、病気からくる脱水の場合もありますので、変だなと思ったらすぐに病院へ連れていきましょう。

 

飲水量を増やすには?

冬の脱水を防ぐために、日常でできることは多くあります。水を置く場所を増やしたり、ささみ汁や猫缶の汁を少しだけ滴下して水に風味付けしたりする方法もあります。留守中に置き水をする場合は少量ずつを数か所に置くようにしましょう。バケツや桶に水をためておくと、事故でおぼれる場合もあります。万が一足を滑らせたりして、水の中に入ってもおぼれない程度の量を置いておくとよいでしょう。

置き水や風味付けをしてもなかなか飲まない場合は、少量でも効率よく体内に水分を吸収できるように、人間でいうスポーツドリンクのようなものを飲ませるのも良いでしょう。これは、猫用のものが存在しますので、なかなか飲水せずに脱水が心配な旨をかかりつけの動物病院に相談し、病院で購入するようにしましょう。人間用のものは塩分が強いため、薄めたとしても腎臓の負担になります。猫は特に腎機能が低下しやすく、腎不全でほとんどの猫が命を落としますのでなるべく塩分は控え、腎臓の負担にならないようにしましょう。

どれくらい飲んだかわからない?

うちの猫はよく水を飲んでいるから、脱水は心配ない、と思っていませんか?一日どれくらい飲水しているかを確かめている飼い主さんは少なく、それで脱水の心配はないと言い切る自信はあるでしょうか?ペットショップなどで飲水量を測れる、皿にメモリのついているものがよく売られていますが、そんなものを用意する必要はありません。

置き水をするときに、測って入れればよいだけです。そして、夜にでももう一度計量カップなどに移して、どれくらい減っているかを調べてみましょう。また、カップに移さなくても、皿の重さをひいて水を入れて、入れ替えるときにもう一度重さを測るだけでも良いです。水で遊んだり、ひっくり返したりする猫には効果はありませんが、大抵の猫はこの方法で一日にどれくらい飲水しているかを知ることができるので、是非脱水対策のためにも計測してみてくださいね。