2017年1月15日更新

【動物法務のプロが解説】犬猫を飼っていることで嫌がらせを受けている…どうすればいい?

山口 一哉



(一社)どうぶつ法務福祉協会・代表理事(行政書士)

一般社団法人どうぶつ法務福祉協会・代表理事/行政書士横浜いずみ共同事務所・代表。(一社)ペットライフデザイン協会理事。幼少期に犬を飼っていたことと、捨て猫との暮らしをきっかけに、何か出来ることはないかと模索していたところ、「動物法務」の存在を知り、開業を決意。平成21年行政書士事務所開業、平成23年横浜市に移転。成年後見、遺言、人と動物に関する許認可等各種手続や書類作成の支援が主な業務。平成27年一般社団法人どうぶつ法務福祉協会設立、同代表理事に就任。1級愛玩動物飼養管理士、愛護動物虐待防止管理士、少額短期保険募集人の資格を保有。

 

ペットブームといわれて久しいところですが、数年以上前と比べて飼い主さんのマナーが向上し、モラルが浸透してきているとは思われます。何より、犬・猫を家族同様に接していることの現われだといえるでしょう。ただ気をつけなければいけないのは、モラルなどを守っていたとしても「犬や猫が嫌い!」という方がいる、ということです。

実害が生じていればもちろんのこと、その恐れが高い場合は速やかに法律専門家や警察等へ相談し対処すべきですが、具体的な証拠等の有無などもかかわってきますから、できれば何か起きる前に防ぎたいものです。今回は法律トラブルを未然に防ぐという飼い主さんの心構えの観点からみていくこととします。

 

事例

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ここで一つ事例をみてみましょう。

『散歩中近所の方に出くわし、ちょっと目を離したすきに咬んだといわれ、その後訴えられてしまった』という事例があります。被害の状況は、肩のあたりからちょっと血が流れていたそうですが、咬みあとはハッキリせず、犬も平静で何を騒いでいるのかといった状況だったそうです。

しかし、その瞬間を見ていなかったため、やむなく病院にお連れし対処はされたものの、「連れていかれた病院の対応がよくなかった!」、「普段からの犬のしつけがきちんとされてない!」などと因縁をつけられ、自宅はおろか家族の勤め先にまで頻繁にメールを送られ、挙句の果てに裁判にまで至ってしまいました。

咬まれたというご近所の方は当初さほど騒いではおられなかったようですが、海外に嫁いだ娘さん夫婦が帰省して実家を訪れた際に、その話を聞いて執拗に要求をしてきたのが真相でした。慰謝料としての要求金額も交通事故に準じ、かなり高額なものでした。その犬の飼い主さんは、率先して地域貢献されていただけに、とてもやりきれない結果となってしまいました。

(※事例は海外のものですが、日本の実情に合わせ脚色・改変しております。)

「犬や猫が嫌い!」への事前予防は?

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犬や猫が嫌い!という方々は犬や猫の姿を目にしただけで気分が悪くなったり不快な思いをされているかもしれません。鳴き声にも敏感です。留守中も含め、気づかない間に漏れ聞こえているかもしれません。周りの方々の状況をしっかり確認して注意を怠らないことが必要です。

特に転居された際には慎重すぎるくらいに確認しましょう。独立して家を出て行った身内が動物嫌いという可能性もあります。こうした注意を続けていても些細なことをきっかけに恨まれてしまうこともありますし、罪のない犬をけしかけて事故を起こさせたりすることなどもあり得ます。悪意を持ってねらわれてしまう可能性もあるのです。

これらは極端な例としても、もちろん飼い主側に何の落ち度もない理不尽な嫌がらせや不当な要求などには毅然とした態度と法的措置で対抗する局面もありえます。しかしながら、ご近所付き合いのなかではそうそう法的対応はとりづらい気持ちもあるかと思います。

一人で悩まず、専門家に早期に相談したほうがよいでしょう。予防的な対応として、大切な家族を守るために、何かあったらつけこんでやろうと思われている可能性があることもしっかり頭に入れておく必要があります。