2016年12月23日更新

【動物看護師が徹底解説!】多頭飼育で愛犬が風邪をひいたらどうするべき?

あなたの家には何匹犬がいますか?一頭のお宅も多いと思いますが、最近では犬を二、三頭連れてお散歩してる方もよく見られます。多頭飼いはお世話だけでも大変そうに思えますが、実は1番苦労するのは風邪などの感染する病気にかかったときではないでしょうか?多頭飼いで愛犬が風邪を引いてしまったらどうすればよいのでしょうか。

まずは病院へ行くこと

風邪かな?と思う症状がみられた場合はまずはすぐに動物病院へいくことです。「なんだか少し咳をしてるな、まあいっか。」では他の犬に感染することになります。互いに風邪の原因になるウイルスや細菌を譲り合うと、自然治癒は到底難しく、重篤化しやすくなってしまいます。風邪かな?ではなくても、いつもと違うと感じたら早期にかかりつけの動物病院へ受診しましょう。

隔離は必ず行うこと

受診して、何か感染する可能性がありそうだと診断されたら、必ず隔離をおこなってください

同室で、離れているだけではダメです。必ず別室で、ケージの中など行動範囲を狭めて看護を行ってください。隔離する部屋は換気が行える場所にし、1日に最低3回は空気を入れ替えるようにしましょう。犬風邪は乾燥しているところで蔓延するので、加湿もかならず行いましょう。

自宅の部屋の構造によっては、風邪を引いている犬がいつもの部屋、そうでない犬が寝室などの別室になることもあるかと思いますが、可哀想という理由で隔離を解除するのは絶対にやめてください。感染を広げ、重篤化すれば肺炎などを引き起こすこともあります。

隔離管理を甘くみない

部屋を隔離しただけで感染を防げるわけではありません。飼い主さんの行き来があれば、それを媒介して別室でも容易に感染します。汚物や吐出物、鼻水や痰などの体液の処理をする場合は必ず手袋をしてください。おすすめなのは薄手の使い捨てビニール手袋で、使えば捨てられるのでいちいち消毒をする必要はありません。手袋をしたからといって、手洗い、消毒は怠らず、ケージや食器なども必ず消毒するようにしてください

ケンネルコフは空気感染するので、実は感染を防ぐのはかなり難しい感染症です。できれば、空間除菌ができるようなスプレーや、看護をした後の洋服などは全て消毒し、髪の毛なども消毒液などを散布することが理想です。どの消毒液を使うかは、どのウイルス、細菌に感染しているかで変わってくるので、受診した動物病院の獣医師に尋ねてみるとよいでしょう。

ワクチンの有無は関係ない

ワクチンを打っているからといって、ケンネルコフにかからないというわけではありません。ケンネルコフは、呼吸器に症状が出る感染症の総称で、原因は様々あります。ウイルスや細菌、マイコプラズマなど、ワクチンですべての原因を予防できるわけではないので、ワクチンを打っているから隔離しなくてもよいわけではありません

パラインフルエンザウイルス、ジステンパーウイルスはケンネルコフの原因であり、ワクチンで予防できるものでもありますが、それ以外の原因はワクチンを打っていなくても感染します。また、パラインフルエンザ、ジステンパーも100%感染しないわけではなく、ワクチンを打っていれば重篤化はしないという意味合いで接種していますので、絶対にかからないわけではないという考えは間違いです。

一番の対策は別の家に隔離すること

ケンネルコフは空気感染するので、別室にいても感染してしまうことがあります。一番の対策は、飼い主さんのご実家や、世話を任せられる友人などに感染が認められない愛犬を預けることです。ただし、預け先に犬がいる場合は、お願いするのはやめましょう。発症はしていないだけで、ウイルスや細菌は持っているかもしれないからです。

散歩はしない

感染が認められた場合、完治するまでは外出も禁止です。外で感染源をバラまき、他の家庭の犬にも感染させることになります。症状が出なくなってどれくらいで外に出ていいのかは、かかりつけの動物病院の獣医師に確認するとよいでしょう。

ケンネルコフはワクチン接種を受けていればあまり重篤化しないものです。ウイルスに感染した方が、細菌に感染したときよりも少し長めに治療することがありますが、それでも何ヶ月も時間がかかることはほとんどありません。早期に発見して、早期に治療すればあまり心配のいらない病気ですので、重篤化させる前に、感染を広げる前にきちんと治してあげましょう。

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

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