2017年2月11日更新

下部尿路疾患の猫を飼っていたら食べさせたい専用の療法食

猫の下部尿路疾患はFLUTDとも呼ばれ、膀胱から尿道にかけて起こる病気の総称です。猫の祖先は砂漠に住んでいた関係で、体内に水を保持しておく必要がありました。水分を無駄に排出しないために、尿の水分も体内に再吸収しますが、その結果、濃度が濃くなり、膀胱炎、結石など尿路の疾患になりやすいのです。これらの疾患の症状が進むと尿が出なくなって尿毒症になることもあり、命を脅かす危険があります。こうしたリスクから猫を守るためにも必要なのが早めの病気の発見と食事療法。今回は、下部尿路疾患のある猫のための療法食をご紹介します。

下部尿路疾患の猫のためのフードは普通のフードとどこが違うの?

マグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラルは猫の成長や生命維持に欠かせない栄養素ですが、過剰に摂取すると尿の中に排出され、結石や結晶となって尿石を作ったり、膀胱炎の原因になったりする可能性が高まります。このため下部尿路疾患に配慮した療法食は、これらのミネラルを調整して疾患の再発を抑えています。また、健康な猫の尿のpHは6.5前後の中性だと言われていますが、これがアルカリ性(pHの数字が大きくなる)に傾くと尿の中に排出された余分なリンやマグネシウムが固まってストルバイト結石を起こしやすくなります。こうしたことから、 尿のpH値を調整する働きがあるのも下部尿路疾患の療法食の特徴です。

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード①ロイヤルカナン 療法食 PHコントロール2ドライ

下部尿路疾患の中でもストルバイト結石症やシュウ酸カルシウム結石症を防ぐために作られた療法食で、マグネシウムやミネラルの成分量が調整されています。特にストルバイト結石を予防するために尿を弱酸性にキープしたり、ストルバイト結石の構成成分であるマグネシウムの含有量を制限したりしている(20㎎/100kcal)のが特徴です。PHコントロールのシリーズには「2」のほかに「0」や「1」もあり、それぞれ酸性にする効果に違いがあります。「0」は酸性にする効果が一番高く、「2」はその効き目がもっとも穏やかです。

  • メーカー:ロイヤルカナン
  • 内容量:2kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード②ロイヤルカナン 療法食 PHコントロールパウチウェット

ロイヤルカナンの療法食のウェットタイプです。ドライと同様、ストルバイト結石症やシュウ酸カルシウム結石症などの下部尿路疾患をもつ猫に給餌するため、マグネシウムなどのミネラル分が制限されています。ストルバイト結石を防ぐために尿を弱酸性にキープするための栄養バランスに配慮しているのも特徴。ドライに比べて水分が摂取しやすいので水をあまり飲まない猫のためにもおすすめです。

  • メーカー:ロイヤルカナン
  • 内容量:100g
  • フードタイプ:ウェット(パウチ)

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード③ナチュラルハーベスト カントリーロード プレシャスサポート F.L.U.T.Dケア用食事療法食

猫下部尿路疾患の予防と初期症状の改善を目的に作られた療法食。猫が本来、小動物などを食べる動物であることに注目し、ミネラル分を過不足なく配合しました。原材料は厳選したチキンとサーモンを使用。高タンパク質なフードにすることで猫が自然に水を飲むように促すのが特徴です。また、尿のpH値が理想の6.5に近づくよう配慮しています。こちらの療法食はどちらかと言うと予防を目的にしていますので、
症状が既に進行している場合や、既に尿内に結石ができている場合に、治療や改善を期待することはできません。

  • メーカー:ナチュラルハーベスト
  • 内容量:100g、650g
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード④プリスクリプションダイエット 療法食メタボリックス+ユリナリー

肥満と下部尿路疾患は関係がないようで実は密接に繋がっています。肥満傾向にある猫は食べ過ぎからミネラル分も多く摂取しがちですし、運動不足、水分不足、活性酸素の増加による細胞の酸化などに陥りがちで、結果、下部尿路の疾患に罹る可能性が高いと言われています。プリスクリプションダイエットは、下部尿路疾患とその原因である肥満の両方にアプローチ。独自の原料配合と低カロリーレシピにより、60日間で11%の減量を実現し、ストルバイト結石の管理に最短7日(平均27日)で結果を出すことが科学的に証明されています。下

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:500g、2kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑤プリスクリプションダイエット c/d マルチケア コンフォート

マルチケア コンフォートは、プリスクリプションダイエットc/dの中でも特に膀胱炎に特化した療法食です。猫の下部尿路疾患の約6割は特発性膀胱炎。これは尿路結石の約2倍~3倍にもあたりますが、その主な原因はストレスだと言われています。このストレスによる特発性膀胱炎を根本から見直した新製品がこのマルチケア コンフォートなのです。加水分解ミルクプロテインとトリプトファンを配合することにより精神面での健康維持に配慮。さらに脂肪酸の比率を研究し、特発性膀胱炎が起きにくい栄養バランスにしました。もちろん、マグネシウム、リン、カルシウムなどのミネラルの調整も的確に施されています。

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:500g、2kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑥プリスクリプションダイエット ユーナリーケアc/d マルチケア ウェット

ストルバイト尿石がある猫の治療時のための療法食、プリスクリプションダイエットのウェットタイプです。ストルバイト結石やシュウ酸カルシウム尿石が再び形成されることがないよう、マグネシウム、リン、カルシウムなどミネラル分を調整するとともに、膀胱炎の予防のためにオメガ3脂肪酸を配合しました。下部尿路のトラブルを抱えた猫は長期に渡る食事管理が必要ですが、そのために塩分が控えめなのも特徴。フードに飽きやすい猫のために156g缶には粗引きチキン入り、粗引きシーフード入りの2種が、82g缶にはチキン&野菜入りシチュー、ツナ&野菜入りシチュー、コンフォートチキン&野菜入りシチューの3種類が用意されていて、高齢で歯の弱い猫やドライフードを好まない猫の療法食として広く使われています。

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:82g、156g
  • フードタイプ:ウェット(缶)

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑦プリスクリプションダイエット s/d

すでにストルバイト結石が確認されている猫の治療時の療法食。前述のc/dが再発の予防を意図しているのに対し、尿をpH5.9~6.1にして尿石を溶解しやすくする目的で使われます。 ストルバイト結石の元となるマグネシウムやリンを制限し、アミノ酸のバランスを調整してあるのが特徴。最短6日(平均13日)で結果を出すことが科学的に証明されています。尿石が溶解したことが獣医さんによって確認できたら、s/dを止めてc/dにシフトします。s/dにはドライとウェットが1種類ずつ用意されています。

  • メーカー:日本ヒルズコルゲート
  • 内容量:500g、2kg、4kg(ドライ)、156g(ウェット)
  • フードタイプ:ドライフード、ウェット(缶)

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑧ドクターズケア 療法食 ストルバイトケア

製薬会社のノバルティスの小会社が作った療法食で、ストルバイト結石の食事管理のために開発されました。ミネラルバランスをコントロールし、栄養分を調整することにより尿が6.1~6.4pHになるように配慮されています。特にストルバイト結石の原因となりがちなマグネシウムの量は0.05%に制限。また、小粒なので高齢の猫や歯の悪い猫にも比較的食べやすくなっています。

  • メーカー:ノバルティス アニマルヘルス
  • 内容量:1.5kg、4kg
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑨ユーカヌバ Sアシスト pH猫用 ドライ

マグネシウム量を減らし、尿のpH値を適切に管理することを目的にした療法食。ストルバイト結石を防ぐだけでなく、オメガ3&6脂肪酸の配合で皮膚や被毛を健康に保ち、食物繊維(ビートパルプ)の配合により腸の調子を整えるなど猫の体をトータルでサポートしてくれるフードです。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:400g、1.5kg、3kg
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑩ユーカヌバ Sアシスト pH猫用 ウェット

ユーカヌバ Sアシストのウェットタイプです。マグネシウム量を調整し、尿のpHを調整することによりストルバイト結石を防いでいる点や、オメガ3&6、食物繊維の配合などフードの処方はドライと同様です。ウェットは歯の弱い猫にも無理なく食べることができますし、ドライフードに比べて水分を摂取できる点が下部尿路疾患の猫にとって便利です。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:170g
  • フードタイプ:ウェット(缶)

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑪ユーカヌバ Oアシスト pH ドライ

猫の結石にはストルバイト結石とシュウ酸カルシウム尿結石の両方がありますが、それぞれ原因が違います。こちらの0アシストはシュウ酸カルシウム系の結石の治療や予防のための療法食。クエン酸カリウムを配合することにより血中の酸と塩基のバランスを調整し、シュウ酸カルシウム結石の形成を予防します。ビタミンEなどの抗酸化物質を配合してありますので免疫力を高める効果も期待できます。オメガ3&6、食物繊維の配合で猫の体を幅広くサポートするのは「Sアシスト」と同様です。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:1.5kg
  • フードタイプ:ドライフード

下部尿路疾患をもつ猫におすすめのフード⑫ユーカヌバ Oアシスト pH ウェット

ユーカヌバ 0アシストのウェットタイプです。ドライと同じくクエン酸カリウム量を調整することにより、シュウ酸カルシウム結石を予防することを目指しています。ドライに比べて自然に水分を摂ることができますし、固いドライフードが嫌いな猫におすすめです。

  • メーカー:ユーカヌバ
  • 内容量:170g
  • フードタイプ:ウェット(缶)

療法食を与える場合は必ず獣医さんに相談を

療法食は獣医さんの指導のもとに与えることを前提にしたフードです。下部尿路疾患のための療法食の中にはプリスクリプションダイエットのように目的によって細かく種類が分かれているものもあります。自分の猫に療法食が必要なのか、また、どのフードを食べさせるべきなのかは必ず獣医さんに相談するようにしましょう。そのうえで継続して療法食を与える必要がある場合は、リーズナブルな価格で販売しているところを見つけて購入するのがおすすめです。また、下部尿路の疾患は、飼い主さんの早期発見が治療の大きなカギになりますので、猫のオシッコは常にチェックするようにしてください。

ペット生活

ペット生活

編集部

ペットとの暮らしを豊かにするお役立ち情報をお届けします。

関連記事

【スペシャルキャットフードのすすめ】長毛種や毛の抜ける季節に取り入れたい「毛玉ケア」キャットフード

年齢や体調によってさまざまな処方の違いがあるキャットフード。飼い主さんの中には「どれを選んだらいいの?」と迷ってしまう方も多いかもしれませんね。特に「毛玉ケア」は「ウチの猫に本当に必要なの?……

猫のニュース

【動物看護士が解説】シニア猫の口臭が気になる原因は?

高齢の猫に限った事ではありませんが、猫の口臭が気になる事ってありますよね。口が臭うようになってしまう原因はいくつかあり、中には重大な病気が隠れている事もあります。最近口が臭うな、と感じたら唇……

キャットフード

【獣医師監修】猫はぶどうを食べても大丈夫?猫にぶどうをあげると中毒になる可能性が!

秋の代表的果物のひとつ、ぶどう。抗酸化作用があるアントシアニンがたくさん含まれているので、猫の健康にも活かしたい・・・そう思う飼い主さんも多いかもしれません。果たして、猫にぶどうを食べさせて……

キャットフード

自分で作れなくてもOK。手作りキャットフードを定期購入できる「ネコロジースタイル」

ここ数年で広がりつつあるのがペットフードの手作り。飼い主さん自らが原料を吟味できる上、愛猫の好みが分かるようになれば猫が喜ぶごはんを作ってあげることができる点が評価されています。しかしながら……

キャットフード

【ちょっと猫飼いに聞いてみました!】人の食べ物を食べたがるけどあげていいの?

猫について獣医師に聞くほどのことではないのだけど、でも知っておきたいことってありますよね。猫飼いのスタッフが考えてみました。 質問!人の食べ物を食べたがるけどあげていいの? かな……

キャットフード

グレインフリーフードのキャットフードのおすすめは?人気のグレインフリーのキャットフードを調査

猫のフードを探していると最近目につくのが「グレインフリー」という言葉。猫のフードに敏感な飼い主さんにとっては当たり前になってきた「グレインフリー」のキャットフードですが、まだまだ知らない人も……

キャットフード

【猫の食事】早食い・丸呑み・ちょこちょこ食べにはこんな理由があった!

猫の食事。私は犬も猫も飼っていますが、犬のご飯が朝と夜の2回なのに対し、猫は基本的に食べたい時に食べさせています。 皆さんのお宅の猫もそうかはわかりませんが、我が家のカイトは1回の食事……

猫のニュース

【獣医師監修】猫はお刺身を食べても大丈夫?食べ過ぎはマイナスになるので与える場合は少しだけに

新鮮で美味しいお刺身。人間が食べている時に愛猫にねだられて一切れ上げたり、猫の誕生日やご褒美にお刺身を買ってあげる飼い主さんもいるのではないでしょうか。ところが意外なことにお刺身は猫にとって……

キャットフード

ホリスティックなアプローチで多くの愛猫家からの信頼を得ている「アズミラ」のキャットフード

まだ、ホリスティック、ホメオパシーなどという言葉がほとんど知られていない1980年代に人間の栄養学、ホリスティックケアへの探求をペットケア商品に生かしたのがアメリカのペットフード「アズミラ」……

キャットフード

【キャットフード】愛猫の水分補給にもおすすめキャットフード10選

愛猫が脱水症状を起こしやすい時期には、特に水をもっと飲んでほしいと思いますよね。また、下部尿路疾患など水分不足が悪影響を及ぼす病気もあるので、猫の水分補給はとても大切です。 愛猫が水分……

キャットフード

フードはどれくらいづつ増やす?食事量を増やす目安とは【獣医師が解説】

子猫の身体が大きくなってくると、それに伴ってフードの量も増やしていく必要がありますね。フードの量が少なすぎると成長不良になってしまいますし、多すぎれば消化不良を起こしたり、肥満につながること……

キャットフード

ペットフードと手作りフードどちらを選ぶ?獣医師が教えます!

愛犬や愛猫の主食には何を与えていますか?何かと便利なペットフードを与えている人もいれば、手間隙かけた手作り食を与えている人もいるでしょう。今回のテーマは、手作り食とペットフード、それぞれの良……

猫に必要な栄養

シンガプーラの寿命と長生きしてもらうためのポイント3選

猫との生活を満喫している方も、これから生活を始めようと考えている方も、猫の健康について興味がないという方は、いないでしょう。猫ブームの影響もあり、猫の健康や高齢化について関心が高まっています……

キャットフード

健康に良いだけでなく美味しい!長寿を目標に作られた「Simply」のキャットフード

猫は食べ物に関して非常にわがままな動物です。健康に良く素材にこだわっていても猫が食べてくれなければ意味がありません。プレミアムフードを食べてくれなくて食いつきの良いジャンクフードに戻ってしま……

「偏食」「ムラ食い」「ドカ食い」心配したり、イライラしたり、飼い主さんが困る猫の食べ方一覧!!

猫を複数飼っている方なら日々実感しているかもしれませんが、猫の食に対しての反応は驚くほど違います。待ちきれなくてご飯の2時間前から楽しそうにしている猫。食べる事に興味がなくてご飯が出てきてか……

ニュース

プレミアム・ニュートリション・フード 「ピュリナワン」のキャットフードとは?

キャットフードを選ぶ時、愛猫が勢いよく食べてくれる〝食いつきの良いフード″を選んでしまうという飼い主さんは少なくないのではないでしょうか。やはりガツガツ食べてくれると嬉しいですし、何より健康……

キャットフード

ネコはいつも同じフードだと飽きる?フードの切り替え時ってあるの?

いつものご飯を用意してあげても、今日はクンクンと匂いを嗅いだだけで食べずにスタスタ…。 昨日は美味しそうに食べていたのに、ネコは突然フードを食べなくなる時ってありませんか?ネコは意外に……

キャットフード

【獣医師監修】猫は生の魚を食べても大丈夫?手放しでOKとは言えず注意が必要!

「猫の好きな食べ物は?」と聞いたら日本では十中八九「魚」という答えが返ってくるのではないでしょうか。それほど「猫は魚が好き」というイメージが強いのですが、果たして生の魚は猫にとってベストなご……

キャットフード

【獣医師監修】猫はたまねぎを食べても大丈夫?猫にたまねぎをあげると中毒になる危険性が!

猫は盗み食いのプロ。きちんと猫用のごはんをあげていてもテーブルの上に乗った人間の食事をちゃっかり自分のお腹に納めてしまったりすることがあります。しかしながら、もし猫が食べてしまったメニューの……

キャットフード

「スーパーフュージョン」という新しい考え方に基づいた「by nature」のキャットフード

「良い食材を使用するのは当たり前。素材を組み合わせることで最大限の健康を維持する」ことを目標としているのが「by nature」のキャットフードです。人間が栄養を吸収する仕組みを研究し、それ……

キャットフード