2017年1月21日更新

【動物看護師が徹底解説!】猫が口呼吸をしているけど大丈夫?病気の危険は?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

猫のゆっくりで深い呼吸。見ているだけでこちらもリラックスしてしまうような、心地よいリズムですよね。さて、そんな猫の呼吸、主にどこで行っているか知っていますか?そういえば、あまり気にしていなかったけれども、猫って口を開けて呼吸しないな、と思う飼い主さんも多いはずです。

もし、犬のようにハアハアと口を開けて呼吸していたら、あなたは何を考えるでしょうか?「猫ってこんな呼吸するんだー」「何かで興奮したかな?」「まさか、これって異常?」など様々だと思います。しかし猫の口呼吸は、実は危険のサインなのです。

 

猫は鼻で呼吸する

犬が全力疾走したあと、口を開けてハアハアしているところを見たことがある人は多いと思いますが、猫が全力疾走したあとはどうでしょう?どれだけ呼吸が荒くなっても、鼻の穴を膨らませて一生懸命酸素を取り込んでいませんか?猫は口で呼吸できないわけではありませんが、基本的には、体になんらかの異常がなければ鼻で呼吸しています。すなわち、口で呼吸しているということは体の異常を知らせるサインなのです。

口は最終手段

何度もいうように、猫は主に鼻で呼吸する生き物です。口で呼吸することを開口呼吸といいますが、これをするということは鼻の呼吸では酸素が足りないか、鼻では呼吸できなくなっている状態を示します。猫が開口呼吸をする原因となる病気はいくつかありますので、ご紹介していきましょう。

鼻が詰まっている


風邪を引いたときなどによく開口呼吸がみられることがあります。鼻が粘性の高い鼻水でふさがってしまうと、呼吸はおろか、匂いさえもわからなくなってしまうので、食欲も急低下します。食事をとらないことで、免疫や体力が低下し、さらに悪化する可能性がありますので、開口呼吸がみられる前にかかりつけの病院で治療を始められるとよいでしょう。

肺に異常がある

気胸などで肺が膨らまず酸素が吸いづらい場合、肺炎の炎症で肺の伸縮が悪くなり酸素が吸いづらい場合、肺腫瘍、肺水腫などでも開口呼吸がみられます。

気胸は、喧嘩をして噛まれたり事故で強い衝撃を受けるとなることがあり、猫で珍しい病気ではありません。肺に異常があるときはかなり苦しいので、耳や唇、歯肉などが青白くなりチアノーゼと呼ばれる、酸素が不足している状態になります。開口呼吸と同時にチアノーゼが見られることが多いです。

また、首を前に伸ばして気管の通りをよくしようとする仕草や、上を向いて喘ぐような仕草が見られたらかなり重篤です。こうなってから動物病院へ受診しようとしても、手遅れになったり、移動のストレスで急変する場合があります。始めは、鼻での呼吸の荒さから症状が出ることがほとんどですので、この時点で気づけるようにしましょう。

 

開口呼吸はかなり危険

上記にあげた以外にも、熱中症や強い痛みなどで開口呼吸をする場合があります。どの場合であっても、開口呼吸を始めたが数日で自然に治った、なんてことは絶対にありえませんので、早めに動物病院へ受診するようにしましょう。休日や夜間であれば、救急病院まで足を運ぶ必要もあるかもしれません。様子を見よう、は命を落とす危険があるので、休診だから…、夜間だから…、といって受診を延ばすのは絶対にやめましょう

また、猫は普段口で呼吸をしないので、犬よりも咽頭の粘膜が弱いという話もあります。鼻づまりで慢性的に開口呼吸をしていると、咳や肺にまでダメージが広がる場合がありますので、開口呼吸が見られたら、初診でもよいのですぐに獣医の先生に診てもらうようにしましょうね。