犬にかさぶたを見つけたら・・・その原因と対処法を解説【獣医師が解説】

犬も怪我をすれば人と同じようにかさぶたができます。

気付いたら「愛犬の体にかさぶたが・・・」なんて経験はないでしょうか?

怪我によるかさぶたは放置しても問題にならないことも多いのですが、怪我以外の原因でできるかさぶたも犬には少なくありません。

そこで今回は、かさぶたの見分け方やその対処方法について解説いたします。

かさぶたを見つけたときに間違った対処をして、余計に悪化させるなんてことのないようにしておいてくださいね!

 

かさぶたはどうやってできる?

かさぶたは、血液や漿液と呼ばれる体液が固まってできたものです。

一般的には、出血を伴う怪我があると、血液に含まれる血小板が固まり、そこにフィブリンと言われるたんぱく質がくっついて血液の成分が固まり、乾燥してかさぶたが作られます。

かさぶたができることで出血が止まるとともに、傷口を外部から守ることができます。

かさぶたには、切り傷や擦り傷、噛み傷などの外傷(怪我)によるかさぶたと、皮膚病など皮膚の異常に伴うかさぶたがあります。

 

怪我によるかさぶたの特徴と対処方法

まずは怪我によるかさぶたの特徴と対処法を見ていきましょう。

怪我によるかさぶたの特徴

怪我によるかさぶたは、怪我をしやすい場所にできるため、通常手足や顔回りにできることが多いです。

怪我によるかさぶたのほとんどは、一カ所もしくは体の一部に数カ所まとめてできるというでき方をします。

また、怪我によるかさぶたの場合、昨日までは何ともなかったのに今日になって気付いたらかさぶたができているということが多いです。

大きなかさぶたができる場合には、その前に出血をするので、手足や服、布団などに血が付いていることも多いですが、犬が自分で舐めてしまっていると出血に気付かないことも少なくありません。

怪我の状態によって形は変わりますが、怪我としては切り傷や擦過傷(擦りむき)が多いため、怪我によるかさぶたのは、長細い形をしていることが多いです。

怪我によるかさぶたへの対処方法

怪我によるかさぶたは、基本的には放置していても問題ありません。

ただし、以下の場合には他の病気が隠れていたり、放置すると悪化することがあるので注意が必要です。

  • 怪我をした心当たりがない(皮膚病などの可能性がある)
  • かさぶたがいつまでたっても治らない(小さいかさぶたなら通常数日で治ります)
  • 犬が舐めてしまう(舐めると感染を起こすことがあります)
  • かさぶたの周りがジュクジュクしている(単なるけがによるかさぶたは乾燥しています。周りがジュクジュクしている場合には膿んでいる可能性が高くなります)
 

皮膚病によるかさぶたの特徴と対処方法

かさぶたができる皮膚病にはいくつかの原因がありますが、弱くなった皮膚の一部が破れてることで、その部位にかさぶたができて来ることがほとんどです。

以下のような病気では、症状の一つとしてかさぶたができますので、かさぶたを発見したときには注意してください。

膿皮症

かさぶたを作る犬の皮膚病で最もよく見られるのが膿皮症です。

原因

皮膚の細菌感染症です。若齢・高齢・病気などで免疫力が低下した犬や、アレルギーやホルモン疾患などを持った犬にも多く発生します。

特徴

薄くはがれやすいかさぶたが特徴です。最初は一カ所であることが多いですが、とびひのように数カ所に広がっていくことが多いです。

膿皮症によるかさぶたはお腹や背中に出ることが一般的で、顔や手足にはあまりできてきません。

予防法

シャンプーなどで皮膚を清潔に保つとともに、見つけたときは早めに動物病院へ行き、治療してもらうことが大切です。

アレルギーやホルモン疾患が根底にある場合には、そちらの治療を行わないと、何度も繰り返してしまいます。

疥癬症

疥癬症は子犬に多い病気であり、子犬にかさぶたを見つけた場合には疥癬症に要注意です。

原因

犬の皮膚に寄生する目に見えないダニ(疥癬)による感染症です。疥癬症は親や兄弟、一緒に生活する子犬などから感染することが多いです。

特徴

疥癬症は皮膚病の中でも非常に痒みの強い病気で、皮膚をしきりに掻いたり舐めたりするのが特徴となります。

疥癬によるかさぶたは、肘や膝、踵などの外側に発生することが多く、乾燥したかさぶたができやすいです。

予防法

子犬を飼い始めたら動物病院で一度は診てもらい、疥癬がいないかチェックしてもらうといいでしょう。

最近では、背中に垂らす疥癬予防のスポットオン製剤もあるので、心配な方は1度しておくことをおすすめいたします。

皮膚腫瘍

皮膚腫瘍があってもかさぶたができることがあります。

原因

さまざまな皮膚がん(扁平上皮癌、肥満細胞腫、基底細胞腫、悪性黒色腫、乳腺腫瘍など)で、皮膚の一部が破れるとそこにかさぶたができます。

特徴

かさぶたの下に腫瘤(しこり)ができるのが特徴ですが、扁平上皮癌はしこりを作らず潰瘍だけが見つかることもあるため、しこりが見つからなくてもがんではないとは言い切れません。

予防法

予防をするのは難しいですが、初期なら手術で完治することもあるため、早期発見早期治療が大切になります。

普段からスキンシップを取って愛犬の体を触っておく癖をつけておくと、早期発見しやすくなります。

 

やってはいけない対処方法

かさぶたを見つけたときにやりがちな、やってはいけない対処法は以下の通りです。

無理にはがす

かさぶたは皮膚を守るためにできています。無理にはがすと、出血するだけでなく、痛みや痒みを起こし、犬が気にして舐めて感染するなど状況が悪化することが多いです。

けがによるかさぶたなどで様子を見る場合でも、無理にはがさず自然に取れるまで待ちましょう。

肥満細胞腫など一部の皮膚がんの場合、出血が非常に止まりにくい状態になっていることがあります。

特にしこりがあってその上にかさぶたがある場合には、絶対に撮らないようにしてください。

お風呂に入れる

かさぶたがある時にお風呂に入れるとかさぶたがはがれ、下の傷が見えてしまいます。

傷がある状態でシャンプーなどをすると、傷にしみて痛がったり、余計に傷がひどくなってしまうことがあります。

皮膚病の治療目的など、一部の状態を除き、かさぶたがある状態でお風呂に入れるのはやめましょう。

人の消毒薬を使う

かさぶたがあるからと言って、自分の判断で人用の消毒薬を使うのはやめておきましょう。

かさぶたの原因によっては状態を悪化させてしまう可能性もあります。消毒が必要と感じた場合には、必ず動物病院を受診するようにしましょう。

様子を見過ぎる

通常、けがによるかさぶたは広がることなく数日ではがれて傷が治るケースがほとんどです。

かさぶただから様子を見てもいいということではなく、広がってきたり、1週間以上たっても治ってこないような場合にも様子を見ることは危険です。

皮膚病の可能性がある場合などはできるだけ早めに動物病院で診察してもらうことが大切です。

まとめ

犬は散歩中などにけがをすることは多く、体にかさぶたが付くことは珍しくはありません。

しかし、かさぶたは単純な怪我以外にもさまざまな皮膚病でもできることがあります。

毛がある犬ではかさぶたを発見することが遅くなることも少なくないので、日頃からスキンシップを撮って体を触っておき、かさぶたを早く見つけることができるようにしておきましょう。

そして、怪我でもないのにかさぶたがあるという場合には、早めに動物病院を受診するようにしてくださいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。