2017年1月27日更新

【動物看護師が徹底解説!】犬が頻繁にトイレに行っている…考えられる病気は?

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

あなたは愛犬が毎日どれくらいトイレに行っているか、注意深く観察していますか?最近では、何回分も尿を吸収するペットシーツなどがよく売られていますから、トイレのたびにシーツは変えないようにしている方もいるのではないでしょうか。そうすると、「今日何回したっけ?」とか、何か異常のある尿が出ているのを発見した時、「これいつしたやつだ?」となりがちですよね。

実は、病気がトイレの回数に現れることもあり、1日にどんな尿を何回しているかは、重要な情報になるのですよ。

 

重要なのは出ているか、出ていないか

動物病院に受診する際に、詳しく状況を伝えるために何時と何時に、合計何回トイレに行ったかを記録してきてくれる飼い主さんがいらっしゃいます。その情報は正確で、どれくらいの頻度でトイレへ行き来しているかがわかるので、確定診断を出すためにとてもよいヒントにはなるのですが、トイレへ行った時に尿が出ているのか、出ていないのかを覚えていないことがあります。

重要なのは、尿が全く出ていないのか、ポタポタ出ているのか、少ない量が何度も出ているのかといったことです。愛犬が何度もトイレへ行き来しているのであれば、必ず尿の状態をチェックし、記録しておきましょう。痛そうに鳴いたりするのであれば、それを記録しておくのも良いでしょう。出てきた尿が、色が濃いのか、薄いのか、赤みがかっているのか、血が混じっているのかなども観察してください。

尿が出ているなら

何度もトイレへ行き来していて、毎回絞り出すように少量の尿が出ているのであれば膀胱炎の可能性が高いでしょう。膀胱炎はメスの方がなりやすく、オスはなりにくいです(ならないわけではありません)。その理由は尿道の長さにあります。日常的に行なっている排尿は、体内の不要なものを排出する他に、尿道の洗浄の目的もあります。オスはペニスがある分、膀胱から尿道口まである程度長さがありますが、メスにはその長さがないため、外部からの菌が膀胱へ達しやすく、膀胱炎になりやすいのです。

 

膀胱炎になったら

膀胱炎は、細菌感染し膀胱粘膜が炎症を起こすことで発症します。頻尿や、尿のにごり、血尿などが見られます。腹部に痛みを感じ、不安でキュンキュン鳴く犬もいます。また、あまりに頻繁に排尿したくなるので、トイレまで辿り着かずに粗相をしてしまうことがあります。

膀胱炎は重症化すると、腎臓などにも異常をきたすので、必ず早めにかかりつけの動物病院へ受診しましょう。稀に細菌感染がみられず、膀胱炎になることがあり、ストレスが主な原因と考えられます。引越しや、飼い主さんに子供が生まれた、近所や庭先での工事など、ストレスがかかる出来事があると、ストレスからくる膀胱炎になることがあります。

尿が出ていなかったら

尿が出ていなければ、休日でも夜間でも関係なくすぐに動物病院へ受診しましょう。かかりつけで診てもらうことが望ましいですが、無理な時間帯であれば初診の病院でも構わずに受診するべき状況です。

多くは、結石による尿道閉塞で出なくなります。これはオスに多く、メスに少ないです(ならないわけではありません)。理由は膀胱炎の時と同じで、オスは尿道が長いので途中で詰まりやすいからです。メスは、痛みが伴いますが小さい結石だと尿と一緒に排出してしまうこともよくあります。完全に閉塞せず、結石が移動するような状態だと、尿が出たり出なかったりで飼い主さんも気付きにくいです。しかし、結石が動くたびに痛みがあることが多いので、トイレに行くたびに悲鳴をあげることがよくあります。

尿閉塞になったら

何度もいいますが、尿閉塞になったら時間や曜日は関係なしに、診てもらえる病院で診てもらいましょう

閉塞したまま3日が過ぎると、排出されなかった尿の毒素が全身に回り、発作が起きたり、最悪の場合死に至ります。稀ではありますが、膀胱破裂を起こすこともあります。尿が出ていないことに気付いた時が1日目である保証はないので、すぐに閉塞を解除してもらいましょう。多くは尿道口からカテーテルを入れて液体を流すと、結石が膀胱内へ流れ込み、閉塞を解除することができます。膀胱内へ入った結石は、食事療法などで結石を溶かすことにより再び詰まるリスクを減らしていきます。

数が多かったり、膀胱内へ動かない場合は、尿道を切開して取り出すこともあります。もちろん全身麻酔をして、開腹をしなくてはならないので、入院も必要になります。あまり多い症例ではありませんが、結石ではなく尿道内に腫瘍などができた場合も閉塞することがあります。どの場合もすぐの処置が必要になりますので、気付いたら必ず受診しましょう。

尿ができていない?

頻尿ではなく、尿が出ていない場合は、そもそも尿自体が作られていない可能性があります。これも重大な病気の症状なので必ずかかりつけの動物病院へ受診しましょう。いずれの場合であっても、必ず治療が必要になるので、「様子を見よう」ではなく、すぐに受診し治療を始めましょうね。また、多頭飼いでトイレを共有している場合、頻尿や尿閉を見逃す可能性が高いので、なるべくトイレを別々にするか、トイレへ行く姿をよく観察する癖をつけておきましょう。