2017年2月3日更新

フードはどれくらいづつ増やす?食事量を増やす目安とは【獣医師が解説】

子猫の身体が大きくなってくると、それに伴ってフードの量も増やしていく必要がありますね。フードの量が少なすぎると成長不良になってしまいますし、多すぎれば消化不良を起こしたり、肥満につながることもあります。子猫に与えるフードの種類や量はその後の体質を決めてしまうと言っても過言ではありません。今回は、子猫のフード量の重要性と増やし方を考えてみましょう。

子猫の成長曲線


子猫は生後5か月くらいまで急速に成長し、その後成長速度を少し落として1歳くらいまで大きくなると言われています。性別や骨格の大きさによって理想体重は異なりますが、成猫の平均は4~4.5kg位になります。その場合、生後2か月で体重が800~1,000gとなり、生後5か月くらいまで毎月500g程度、その後生後1年くらいまで毎月200~300g程度体重が増えることが一般的です。猫によって多少成長速度は違いますが、このような成長曲線がある程度の成長の目安になります。

※体重の測り方

小さめのバスケットなどに子猫を入れて、体重計もしくは「はかり」で測ってください。小さい猫ではヒト用の体重計では正確に測れないことが多いので、料理用のはかりの方が使いやすいこともあります。

フード量の少なすぎ/多すぎが仔猫に与える影響

栄養不良が与える子猫への影響

適切な栄養を子猫が取れなかった場合、もっとも影響を受けるのは骨格の成長です。骨格は1歳までにほぼ決まってしまうため、子猫の時の栄養が骨格を決める上で非常に重要です。栄養不良のまま成長してしまうと、体が小さくなってしまったり、骨や軟骨、関節の病気が出てしまうリスクが高くなります。

また、猫にはウイルスの病気が多く、栄養不良による免疫低下によって、それらに感染しやすくなってしまいます。FIV(猫エイズウイルス)、FeLV(猫白血病ウイルス)などは一度持続感染になってしてしまえば完治はできません。また、猫風邪と言われるFVR(ネコ伝染性鼻気管炎)も一度感染すると潜伏感染して何度も再発してしまう「鼻炎ぐせ」がついてしまいます。子猫でもしっかりした免疫力があると、これらのウイルスを跳ね返す能力も高く、たとえウイルスに暴露されてしまっても、感染しなくてすむ可能性があがります。

子猫の時に必要な栄養をしっかり取ることは、子猫の時の健康だけでなく、健康な成猫に成長するためにも重要なんですね。

多すぎるフードが子猫に与える影響

消化不良

フードの量が多すぎると消化不良から下痢や嘔吐を起こしてしまう子もいます。子猫は自分で食べる量を制限することが難しいので、消化できないほどたくさんフードを食べてしまうこともあります。

肥満

ヒトでは子供の頃の肥満が、大人になってからの肥満のなりやすさに影響するといわれていますが、これは猫も同じです。成長期に肥満になると、肥満細胞の数が増えてしまうため、大人になってからも太りやすく痩せにくい体質になってしまうんです。

食事量の目安

食事量は成長に従って少しずつ増やしていく必要がありますが、以下のような方法でフードの量を決めることをおすすめします。

1. フードのパッケージに従う

キャットフードの裏面には、体重毎に与えるべきフードの量(g数)が書いてあります。猫の体重を測り、そのグラム数に応じたフードの量を与えることが基本です。

2. 体重が適切に増えているのかチェック

体重の目安でチェック

パッケージに記載されている量を守って食べていても、太りやすい猫、太りにくい猫がいます。上に紹介した子猫の成長曲線を参考に体重が順調に増えているか、増えすぎではないかチェックしてみましょう。

BCSでチェック

猫の肥満度を測定するためには、BCS(ボディコンディションスコア)という指標があります。BCSは猫の見た目や触り心地によって、猫の肥満度を5段階評価するものです。主観にはなりますが、ろっ骨(あばらの骨)を触って、ごつごつしていれば痩せすぎ、あまり触れなければ肥満気味です。ろっ骨が目立たないけれど、さっと触ってわかるくらいが標準体重になります。太り気味、もしくはやせ気味だと感じたら、以下の方法でフードの増減をしてみましょう。

やせ気味の場合

上記の方法で体格を見てみて、痩せているようであれば以下の方法を取ってみてください。

  1. フードの量を増やす
  2. フードの回数を増やす
  3. フードの種類を変える(カロリーが高いフードへの変更)
  4. 健診を受ける(肝臓の病気などでは、しっかり食べていても体重が増えないという子もいます)

フードの量を増やすと下痢をしてしまう場合は、フードの回数や種類の変更を考える必要がありますし、色々試してみても体重が増えてこない場合は、隠れた病気がある可能性もあります。一度動物病院で検診をしておいてもらった方がいいでしょう。

太り気味の場合

一方で、子猫が太り気味である場合は、以下の対策を取りましょう。

  1. フードの一回量を減らす
  2. フードの量を減らすと我慢ができない場合は、
    さらに1回量を減らして回数を増やす
  3. 6か月以降であれば成猫用フードに変える
  4. 運動させる(キャットタワーや知育玩具など)

できるだけ子猫のうちに太らせないことが、大人になってからの体重管理のためにも大切です。避妊・去勢手術を考えている飼い主さんは、手術後の食餌量にも注意が必要ですよ。

フードは自由採食か定時給餌か

食べ過ぎて太らない子であれば自由採食でも問題ありません。ただし、時間を決めてフードを与えるのには、以下のようなメリットもあります。

  1. 食欲がわかりやすい(食べる量だけでなく、勢いの変化がわかる)
  2. 薬が必要になった場合に混ぜて与えやすい(自由採食だとフードに混ぜても時間を決めて飲ませられない)
  3. フードが傷みにくい

可能であれば時間を決めてフードを与えるようにすることをお勧めいたします。

まとめ


子猫の時の体重管理の重要性、フードの増減の方法は理解していただけたでしょうか?元気で健康な大人の猫に成長するために、子猫に合ったフードの量を与えられるといいですね!

 

ペット生活 獣医師



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