2017年2月4日更新

乳歯から永久歯の生え変わりで気を付けておくこと【獣医師が解説】

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猫の乳歯は生後1.5か月~2か月で生えそろいます。そして、生後3か月から順次永久歯が生え始め、6~7か月齢で永久歯に完全に生え変わります。つまり、生後3か月~7か月が歯の生え変わりの時期になります。今回は、この時期に気を付けておくべきこと、生え変わりの際に注意するべき症状など考えてみましょう。

 

生え変わりの時期に気を付けておくべきこと

口の違和感から異物を噛んでしまう

ヒトと同様、猫でも歯の生え変わりの時期は口の中がむずがゆく違和感があるようです。そのため、いろいろなものを噛みたがり、変なものをかじってしまうことで口の中を傷つけたり、それを飲み込んでしまうリスクもあります。生後半年くらいまでの間は特に、猫が飲み込みそうなものや口の中を傷つけそうなものを、できる限り猫の動く範囲に置いておかないように注意をしておきましょう。

噛み癖を付けないように注意

子猫は成長に伴って顎の力が強くなるとともに、乳歯は先が細いため、噛まれると非常に痛いです。口の違和感から噛みたがる子もいますので、噛まれないように気を付けてください。

また、この時期の噛み癖が大人になっても残らないよう、噛まれたときに間違った対応をしないようにしておくことが大切です。子猫にかまれた場合は、できるだけ無視をし、噛んでいいおもちゃで遊んでいるときに思いっきり遊んであげましょう。ヒトを噛んだ時に遊びをやめて、おもちゃで遊んでいるときに楽しい思いをさせるというメリハリをつけることで、ヒトの手足を噛んでも楽しくないんだということを覚えてもらうようにしてください。

乳歯遺残にならないかどうかをチェック


猫に時々あるのが、乳歯が抜け落ちない乳歯遺残。乳歯遺残母のトラブルの原因になるので、乳歯が残っていないかどうかもチェックしてみましょう。

猫では乳歯が抜ける前に永久歯が生えるのは正常

ヒトでは乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますが、猫では正常でも乳歯が抜ける前に永久歯が生えて、一時的に二枚歯になることがあります。特に切歯(前歯)や犬歯ではその傾向が強いため、しばらくの期間二枚歯になっていても異常とは限りません。生後6か月齢(犬歯では生後7か月月齢)くらいまでに乳歯が抜け落ちることがほとんどです。

乳歯遺残の場合は抜歯の必要あり

ただし、時々乳歯が自然に抜け落ちずに残ってしまう「乳歯遺残」が起こることがあります。乳歯遺残は犬歯で比較的よくみられますが、乳歯遺残は永久歯の成長や生え方に影響しますし、そのままにしておくと乳歯と永久歯の間に歯垢が付きやすくなり、歯肉炎や歯周病の原因となってしまうことも多いです。7~8ヵ月齢になっても乳歯が残っている場合には乳歯遺残の可能性があります。

乳歯遺残の治療は乳歯を抜くことですが、全身麻酔が必要となるため、抜くタイミングをかかりつけの動物病院で相談しましょう。生後1年くらいまでの間であれば、少し遅くなっても自然に抜けることもあります。また、去勢や避妊手術をする場合は手術と同時に乳歯を抜くことが多いです。

 

こんな症状大丈夫?

抜けた乳歯を食べてしまった

「歯が抜けたはずなのに見つからない!」なんて思う飼い主さんも多いと思います。実は、猫の場合、抜けた乳歯を見つけることができることの方が珍しいのです。ほとんどの子猫は、抜けたことに気付かずに飲み込んでしまいます。歯は消化することもありますし、そのまま便に出てくる子もありますが、特に飲み込んで問題になることはありません。抜けた歯が見つからなくても何も心配はいらないですよ!逆に抜けた歯が見つかったらラッキーだと思ってくださいね。

歯茎から出血

猫でも乳歯が抜けると出血することがあります。多くの場合は気付かない程度の出血ですが、「ふと気付いたら口に血が付いていた」などといったこともあります。基本的にはそのまま様子を見ても問題ありません。ただし、翌日にも出血が付くとか、口に痛みや腫れがある場合は、変な抜け方をしている可能性もありますので動物病院で診てもらいましょう。

遊んでいたら乳歯が抜けたけど、途中で折れてるような気が…

タオルなどを噛んで遊んでいるときに乳歯が取れることがあります。歯は根元が徐々に細くなる構造にあるため、きれいに抜けた場合は細くなった根元が見えるはずです。ただし、根元が途中で切れていて、折れて抜けたように見えることがあります。多くの場合は、乳歯の根元が退行しているだけであり、問題ありません。また、弱くなっていた根本が途中で折れるということもありますが、その場合は根元は自然に吸収されることが多いです。

ただし、歯の根元が歯肉の中に残って問題になってしまうことがまれにあります。本当に大丈夫かどうか心配な場合は動物病院へ行った方がいいですが、歯の根元が残っているかどうか調べるための歯科レントゲンを持っている動物病院は少ないです。動物病院にかかる場合は、歯科に力を入れている動物病院や歯科専門動物病院でないと判断がつかないこともあります。

まとめ


乳歯から永久歯に変わる時期は、猫の身体が子供から大人に大きく変化する時期です。歯の抜け代わり自体が問題になることはまれですが、歯の違和感による異物の誤食などもあるので、この時期の行動の変化には十分注意して見てあげてくださいね。