2017年2月1日更新

自分でできる!猫の飼い主が覚えておきたい猫の4つお手入れ【獣医師が解説】

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猫がいろいろなことを許容する「社会化」の時期は、大体4,5か月齢までに終わってしまうと言われています。この時期はしつけをしやすいだけでなく、いろいろな物事を理解して、受け入れてくれる時期でもあります。一方で、この時期にやったことのないことは、大人になってからは警戒したり嫌がったりしてなかなかさせてくれなくなってしまいます。今回は、子猫のうちに慣らしておきたい4つのお手入れについてお話ししましょう。

 

ブラッシング


ブラッシングは長毛の猫には必須のお手入れですが、短毛の猫でもやるメリットはあります。猫のブラッシングを行う目的は、以下の通りです。

  • 毛玉予防(皮膚病および胃腸の毛玉を予防)
  • 毛が部屋に舞うのを防ぐ
  • スキンシップの一環

ブラッシングのための道具はブラシやコーム(くし)など数種類ありますが、最初は使い方が簡単で、猫も嫌がりにくい「ラバーブラシ」をお勧めします。長毛の子ではコームを使うことで、毛のもつれをほどいてしっかり毛を取れますので、最終的にはコームを使えようになるといいでしょう。

ブラッシングの基本は毛の流れに沿ってブラシをかけてあげることです。最初は撫でるような感覚で優しくラバーブラシを使ってください。特に、内股や脇などは長毛の子で毛球ができやすいので、それらの部位は重点的に慣らしておくといいでしょう。

ブラッシングは単なるお手入れだけではなく、スキンシップの一環でもあります。暇な時間があれば、積極的に行って、愛猫とのコミュニケーションも取りましょう!

爪切り

猫の爪切りは、慣れてしまえばお家で一人でもできます。慣れさせるために、遊びながらもしくはおやつをあげながら、徐々にステップを踏んで練習しましょう。爪切りには「ギロチン」タイプと「ハサミ」タイプがあります。どちらがいいということはないので、使いやすい方を使ってください。

爪切りの4つのステップ

ステップ1 膝の上で仰向けになることに慣れさせる

1人で爪切りを行う場合、膝の上に乗せて仰向けの体勢で行うとやりやすいです。あぐらで座り、猫の頭が自分の体側(お腹の辺り)に来るように仰向けにして抱っこしましょう。その体勢でお腹を優しくなでて、リラックスさせ、仰向けの体勢を好きになってもらいましょう。

ステップ2 足先を触るのに慣れさせる

仰向けの体勢で落ち着けるようになったら、その体勢のまま前足、後ろ足の足先を触りましょう。嫌がったらおやつをあげたりお腹を撫でながら、短い時間から足先を触られることに慣れさせましょう。各足30秒くらいずつ触れるようにしてください。

ステップ3 爪を出すことに慣れさせる

猫の爪は通常指の中にしまわれていますが、外に出して確認しながらでないと爪は切れません。肉球の内側辺りを軽く押すと爪が出てきますので、出してしばらくキープして、爪を出すことに慣れてもらいましょう。同時に、爪の構造(白い爪の中に血管と神経が走る赤い芯のようなものが存在)をしっかり確認しておきましょう。その赤い芯の少し手前までが、切ることのできる爪の部位です。

ステップ4 実際に爪を切る

最後のステップは実際に爪を切ることですが、初めは先っぽだけ切るようにしましょう。ぎりぎりまで切ろうとして出血させると、痛みを覚えてしまい、次からできなくなることも少なくありません。赤い部分の手前までは切っても大丈夫ですが、最初はとがった先端の部分だけを切りましょう。万が一出血しても、押さえておけば数分で止まりますが、子猫のうちに嫌な思いをさせないことは重要です。慣れてきたら少しずつ、短めに切れるようにしましょう。

 

歯磨き


猫には歯石や歯肉炎が非常に多く、その予防や治療のために歯磨きは非常に重要になります。大人になってから歯磨きをしようとすると非常に難しくなるので、子猫のうちにできるようにしておきましょう。こちらもステップを踏んでやっていくといいでしょう。嫌がる場合は短時間で切り上げ、徐々に長くしていくのがポイントです。

歯磨きの4つのステップ

1.口を触る練習

まずは口を触って嫌がらないようにする練習です。好きなフードやおやつを手に付けて、口のまわりや歯を触ってみましょう。10秒程度歯を触っていても嫌がらなくなれば次のステップです。

2.歯を指でこする練習

次は歯の表面を少し指でこすってみましょう。歯磨きペーストをつけもらってもいいと思います。最初は5秒くらいから始めて、20~30秒こすれるようにしましょう。

3.ガーゼや指サックで歯磨き

指でこすれるようになったら、ガーゼや指サックをつけてこすってみましょう。2と同じように短時間からスタートして30秒程度こすれるようにしましょう。体が小さい子猫の時期はここまででストップしてもらってもいいです。

4.歯ブラシで歯磨き

歯ブラシが最終段階ですが、歯ブラシができなくても3までできていれば十分です。歯ブラシは、猫用もしくはヒトの小児用を選んで使ってください。こちらも指やガーゼと同じように少しずつ時間を伸ばして30秒くらいできるようにしましょう。

薬を飲ませる練習

猫に薬を飲ませるのはなかなか難しく、薬をとても嫌がる子の場合、我々獣医師でも飲ませるのが難しいことがあります。小さいころから薬を飲ませる練習をすることで、何か飲ませられるということが怖くないと学習してもらうと、拒否反応が少なくなります。お手入れとは少し違いますが、薬を飲ませる練習もぜひ子猫のうちにしておいてほしい練習の一つです。練習に使うのは薬ではなく、ドライフードや水など嫌な味のしないもので行ってください。

錠剤をのませる方法は、口を開き、舌の奥の方に錠剤を置いて口を閉じます。鼻先に息をふっと吹きかけることで驚いてごくっと飲むことが多いです。ドライフードを小さく割って練習しましょう。

液体の薬は口を閉じた状態で、口の横からスポイトやシリンジを入れて口の中に液体を入れます。その時も口を閉じておかないと外に出してしまうので、喉がごくっと動くまでは閉じた状態にしておいてください。お水を使って練習しておきましょう。

まとめ


子どものうちにいろいろなことに慣れさせておくことは大切です。どのお手入れに関しても、まずはその部分を触ったり、その体勢にさせられることが嫌なことではないということを教えておくことが大切です。ポイントは嫌な思いや怖い体験をさせないようにしながら、少しずつ行っていくことです。大人になってからでは難しくなる日常のケア、小さいころから少しずつ慣れさせましょう!