2017年2月2日更新

子猫のうちが始め時!歯磨きの習慣をつけよう【獣医師が解説】

後藤大介



獣医師

 

猫には口内炎とはじめとした口の中の病気が多く、その予防に大切なのが歯磨きです。口の中を触られることを嫌うネコは多いですが、小さいころから歯磨きを習慣にすることで、歯磨きをうまく行うことができます。今回は、うまく猫の歯磨きをできるようになる方法を、一緒に考えてみましょう。

 

歯磨きのメリット

1. 口の中だけでなく全身的な健康を守る

猫には口の中の病気が多いです。歯石や歯垢が溜まることによる歯周炎、歯周病や歯石や口の中の細菌が刺激になる口内炎も非常に多いです。猫は自分で歯磨きをしませんので、ご飯のかすなどが歯垢になり、そのまま歯石に変化してしまうことが多いんです。野生の猫であれば獲物の骨などを食べるときにこすれてきれいになると言われていますが、キャットフードを食べている飼い猫の場合は、飼い主さんが歯磨きをしてあげる必要があります。

歯肉炎や歯周病は、口の痛みだけではなく、歯が抜けてしまう原因となったり、歯周病菌が全身に回って心不全や腎不全の原因になっている可能性があると言われています。歯磨きをして口の中の健康を保つことは全身的な健康を守るためにも大切なことなんですね。

2. 口を触ることに慣れさせる

歯磨きをうまくできるようになると、口を触ることに対する抵抗が減ってきます。口を触ることができるようになると、病気などで薬を飲ませる必要があるときに投薬が楽になります。

また、猫には扁平上皮癌と言われる口の中の腫瘍が多いです。ひも状異物が舌にひっかっかっていることも多いです。こうした口の中の異常に早く気付けるようになるためにも、口の中を触れるようになっておくことはとても大切です。

歯磨きの方法

歯磨きをするためには、いきなり歯ブラシで歯を磨いたらいいというわけではありません。徐々に口を触ることに慣れていくことが大切であり、一度でも嫌な思いをさせるとだんだん歯磨きが難しくなっていってしまいます。ポイントは、嫌がらないことから始めて徐々にステップを踏んで慣らしていくことです。以下に各ステップをご紹介しますが、それぞれにかける期間は1~2週間くらいを目安にしてやっていってください。ガーゼや歯ブラシで歯磨きできるようにになるのは早くても1カ月はかかると思って、ゆっくりやっていきましょう。

ステップ1 口を触る

まず最初のステップは口を触る練習です。ここでは、歯を磨くということは一切考えず、単に口のまわりや口の中に指を入れても嫌がらないように、触られるのに慣れさせることに集中してください。

遊びながら、あるいは好きなフードやおやつを指につけたりして、口のまわりを触ったり、少し口の中に指を入れてみましょう。歯磨きペーストを使うのも有効です。15~30秒触っていても嫌がらなければ次のステップです。

ステップ2 指で歯の表面をこする

口のまわりや中を触れるようになったら、次のステップで少し歯の表面をこすってみましょう。歯石が付くのはほとんどが歯の外側(歯の内側は舌の動きによって歯石が付きにくくなっています)ですので、外側を軽くこすってみましょう。前歯は嫌がることが多いですが、前歯にはあまり歯石は付かないため、奥歯を中心にやっていただいて構いません。歯磨きペーストをつけておいた方がやりやすいかもしれません。

10秒程度こすれるようになったら次のステップです。

ステップ3 ガーゼ/歯磨き用指サックを使う

このステップでは、指よりしっかり磨ける道具として、ガーゼや歯磨き用の指サックを使います。自分のやりやすい指にガーゼを巻くか、歯磨き用の指サックをはめて歯の表面をこするようにしましょう。指に比べて太く、少し違和感も増すため、最初嫌がる子は多いです。

コツとしては、最初はできるだけ軽く、短時間で行うということです。遊びの延長という感じで短時間で何度も繰り返してください。そのうち、それほど嫌じゃないということがわかってきて、磨かせてくれるようになります。子猫のサイズに合う歯ブラシは少ないので、成猫の大きさになるまで(6カ月まで)は、ガーゼや指サックで歯磨きができればいいでしょう。

ステップ4 歯ブラシを使う

最終段階は歯ブラシですが、これは非常に難易度が高く、猫の性格によっては非常に難しくなります。その場合は、ステップ3のガーゼや指サックまででもいいでしょう。

歯ブラシは猫用もしくはヒトの小児用の歯ブラシを選んでください。コツは3と同じく最初は軽く短時間で済ませるということです。

 

まとめ


歯磨きの最終的なゴールはステップ3か4の方法を、1日1回左右30秒ずつくらいできることです。大人の歯(永久歯)が生えそろうのは生後半年以降ですが、その前から徐々に練習しておくことが大切です。ポイントは痛身や恐怖心を与えず、そんなに嫌じゃないんだと猫にわからせてあげることです。一歩一歩確実に歯磨きに慣れてもらいましょうね!