2017年2月18日更新

犬でよく聞く「分離不安症」は猫でもなる?【動物看護師が徹底解説】

Neige



動物看護士/トリマー

現役動物看護師・兼トリマー。 生涯学習、駆け足で前に進む医療にマイペースに追いかける毎日。 犬猫に関する色々なことをわかりやすくお伝えします。

 

犬は飼い主さんとの信頼関係を非常に大事にするので、1人で留守番をしたりすることにストレスを感じて問題行動を起こすことが多々あります。これを、『分離不安症』と言い、絶えず鳴き続けたり、家具を破壊したりして気を引こうとします。猫は人ではなく家につく、というので、あまりこういったことがないように思えますが、甘えん坊な猫が存在することは確かであり、猫でも分離不安症になることがあるのでしょうか?

 

猫でもあり得る

人に構ってもらうのは、自分の気がノった時と、ご飯の時だけ。という猫もいますが、四六時中飼い主さんとくっついていたい猫もいます。これらは環境よりも、生まれ持った気質が関係しているのかもしれません。もちろん飼い主さんが構えば構うほど、甘えん坊に育つ猫もいますが、ほとんどは猫の性格によって対応が変わってくるでしょう。

十分甘えさせてくれる飼い主さんに飼われている甘えん坊猫なら不満はありませんが、べったりを嫌う飼い主さんもいますから、それでは甘えん坊猫も不完全燃焼になってしまうでしょう。こういったすれ違いが、分離不安症を引き起こす原因にもなります。

猫は楽だと思っていたのに

猫を飼いたいと思っている人の中には、犬のように散歩もいらないし、横に座っているだけで満足だから猫は楽。と考えている人も少なくはないでしょう。

しかし、実際は寝ているところに入り込んできたり、撫でろと催促してきたり、ソファでくつろいでいると邪魔してきたりと、飼い主さんとの関わりを求める猫も多くいます。こういったギャップが猫を魅力的に見せる部分でもあり、こんなはずじゃなかったと後悔してしまう部分でもあるでしょう。甘えん坊猫を放っておくと、分離不安症へ進行していく可能性もあるので、ある程度構ってあげる必要がありますが、構ったり構わなかったりを繰り返すと更に悪化させることになりますので一貫した態度をとることが一番です

 

いらない行動は消去する

飼い猫との関係をよく保つためには、矛盾は禁物です。留守番をさせなくてはいけない生活であれば、鳴くから、破壊するから、粗相するからといって、人に預けたり留守番をやめさせてしまうのはよくありません。重要なのは、ここでの生活はこういうものだ、ということを覚えさせることです。初めは鳴き続けたり、帰ってきたら悲惨なことになっているかもしれませんが、ぐっと堪えましょう。

飼い主さんが迷惑と感じる行動は無視するのが一番です。粗相をしていても、部屋の中がぐちゃぐちゃになっていても、黙って片付けましょう。鳴き続けても、目を合わせたり、うるさいと怒鳴ったりもしてはいけません。反応してもらえたと勘違いして、更にその行動を繰り返すようになります。ひたすら無視を続ければ、この行動には意味がないんだ、と諦めます。これが”行動の消去”です。

きちんとした距離感を保つこと

分離不安症にしないためには、構う時は構って、そうでない時は我慢させることです。これは飼い主さんと猫それぞれの距離感がありますから、個々で丁度良いところを見つける必要があります。また、分離不安症かな?と感じたら部屋にフリーにして留守番をさせるのはやめましょう。破壊や粗相が止まらなくなりますので、必ずサークルかケージに入れましょう。重度の場合、留守番の度に膀胱炎になる猫もいますから、そこまできたらかかりつけの動物病院で相談をすると良いでしょう。薬で軽減できる場合もあります。

猫には言葉は通じませんから、必ず帰ってくるからと諭しても、納得はしてくれないでしょう。帰ってきたら遊んで心を満たしてあげるなどして、信頼関係を築いていれば、ちょっと離れたくらいでは揺らがない猫になるはずですよ。