獣医師が解説する「愛猫が”がん”と言われたら」。猫壱主催セミナーより

1月18日(水)に猫用品メーカー「猫壱」主催の「猫と人のQOR(関係の質)向上セミナー」が開催されました。東京猫医療センターの先生がテーマごとに解説をしてくださいました。猫の飼い主さんに正しい知識を増やすことができる数少ない場所です。ペット生活編集部もセミナーに参加させていただきましたので、セミナーの一部をご紹介します。

ここでは第3部、服部幸先生による「愛猫が「がん」と言われたら」の講演の様子をお伝えしたいと思います。

 

セミナーの内容

第一部:子猫を迎えたら、まずすること

講師:矢崎春香 獣医師

第二部:猫の困った行動について 4~トイレの失敗について考える~

講師:藤倉奈美 獣医師

第三部:愛猫が「がん」と言われたら

講師:服部幸 獣医師

服部先生は猫専門病院・東京猫医療センターの院長をされており、数々の書籍も執筆されています。情熱大陸にご出演されるなど、猫獣医師として全国的にも有名な先生です!


そんな服部先生のセミナーの様子を一部ご紹介させていただきます。

 

猫は腫瘍ができやすい?

0-6歳に多い猫の病気

1.腎不全
2.膀胱炎
3.外耳炎・外耳道炎
4.軟便 / 下痢 / 血便
5.結膜炎 / 結膜浮腫
6.消化器系疾患
7.嘔吐 / 下痢 / 血便(原因未定)
8.皮膚疾患
9.胃腸炎
10.腸炎
11.皮膚炎
12.尿石症
13.嘔吐
14.心筋症
15.泌尿器疾患
16.鼻炎 / 副鼻腔炎
17.外傷(挫傷 / 擦過傷含む)
18.皮膚炎(アレルギー性)
19.呼吸器系疾患
20.胃炎
21.猫伝染性腹膜炎・FIP
22.歯周病(歯肉炎 / 歯槽膿漏 / 歯垢 / 歯石含む)
23.猫の下部尿路疾患・FUS・FLUTD
24.膀胱結石
25.食欲不振
26.猫伝染性鼻気管炎・FVR
27.口内炎 / 舌炎
28.眼科疾患
29.膿皮症
30.糖尿病

意外と知らない猫統計-アニコム損害保険 -より引用

7-19歳に多い猫の病気

1.腎不全
2.糖尿病
3.膀胱炎
4.消化器系疾患
5.心筋症
6.甲状腺機能亢進症
7.胃腸炎
8.泌尿器疾患
9.リンパ腫
10.嘔吐
11.肝炎
12.皮膚疾患
13.鼻炎 / 副鼻腔炎
14.外耳炎・外耳道炎
15.皮膚炎
16.便秘
17.肝・胆道系疾患
18.口内炎 / 舌炎
19.歯周病(歯肉炎 / 歯槽膿漏 / 歯垢 / 歯石含む)
20.食欲不振
21.胃炎
22.結膜炎 / 結膜浮腫
23.皮膚炎(アレルギー性)
24.呼吸器系疾患
25.尿石症
26.軟便 / 下痢 / 血便
27.外傷(挫傷 / 擦過傷含む)
28.腎結石
29.膵炎
30.乳腺腫瘍 / 乳腺腫瘤

意外と知らない猫統計-アニコム損害保険 -より引用

猫は高齢になるにつれて、腫瘍ができやすくなります。
高齢に鳴るほど悪性腫瘍の発生率は高まり、12歳の猫では約7%程度になるそうです。

 

腫瘍とは?

悪性腫瘍 ≒ 癌(ガン) 肉腫

良性?悪性?

良性腫瘍の特徵

・ゆっくり大きくなる
・膨らむように大きくなる。
・転移を起こさない。
・命に関わることが少ない。

悪性腫瘍の特徵

・早く大きくなる。
・根を伸ばすように大きくなる。
・転移を起こす。
・命に関わることが多い。

 

どうやって調べる?

いかに早く悪性腫瘍を見つけてあげるかが猫の命に大きく関わります。血液検査では、白血病など血液の腫瘍以外は悪性腫瘍を発見することができません。腫瘍マーカーは精度が悪いため、検査には適していません。

悪性腫瘍を見つけるには?

1.レントゲン検索
2.超音波検査
3.細胞診
4.ツルーカット
5.くさび形生検
6.全摘出

1→6に近づくほど診断精度は高まりますが、体への負担も大きくなります。具体的にどの診断を行うかは獣医師さんと相談しながら決定していきます。

猫の癌の治療

猫が癌になってしまった場合、どのように治療を行えばよいでしょうか。治療を行う目的や治療方法について確認してみます。

治療の目的は?

1.余命を伸ばす
2.苦痛を減らす
(生活の質をあげる)

癌治療の3本柱

1.手術
2.放射線治療
3.抗がん剤

手術

メリット

・物理的に「がん」を取り除く。
・一気に大量のがん細胞を取り除くことができる。

デメリット

・麻酔と手術が必要
・「がん」が根を張っていると大きな手術が必要
・取り逃すことがある

放射線治療

がん細胞は通常の体の細胞より放射線に弱く、治療技術の発達により、猫の癌の治療にも放射線治療が用いられるようになってきています。

メリット

・切らずにがん細胞をたたくことができる。
・比較的小さながん細胞にも対応できる。

デメリット

・全身麻酔が必要
・必ずしも副作用が無いわけではない(放射線障害)
・大学など大きな施設でしか行うことが出来ない

これらの治療方法の他にも、分子標的薬、光線温熱療法、免疫療法などがあります。

積極的に治療する?

治療を選択する飼い主さんは
・負担はかけたくない
・ストレスはかけたくない
・無理な延命はしたくない
のように考える方が多いそうです。

治療は徹底的に行うか、全く行わないかの2択ではなく、「苦しみだけでも取ってあげたい」「喉の渇きだけでも取ってあげる」「痛みだけでも取ってあげる」等さまざまな治療を選択することができます。

獣医さんによっても考え方は異なるので、様々な意見をもとに治療方針を選択して頂けたらと思います。

最後に

猫を飼っている人にとって有益な情報が盛りだくさんの猫壱セミナー。長年猫を飼っていても困っている事がある人も、初めて猫を飼った人も、猫を飼いたいと思っている人もぜひ行ってみてください!

次回の猫壱セミナーは2月22日に開催されます。
日時:2017年2月22日(水) 13:00~16:30  猫と人のQOR向上セミナー『猫と感染症』『猫の防災』
会場:東京都港区六本木一丁目8番7号(最寄り駅:東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅 2番出口から徒歩約3分)

こちらから申込可能です!

関連記事