2017年3月3日更新

猫の分離不安って?幸せな生活のための猫との距離の取り方【獣医師が解説】

後藤大介



獣医師

 

愛猫家の人が増え、猫を飼う環境や接し方へ理解が深まるとともに幸せな猫も増えてきています。しかし、猫を好きすぎるあまり、猫との距離感を間違えてしまう人もいるようです。最近では、猫と人が依存しすぎてしまい「分離不安」を起こしてしまうこともあり、猫との幸せな生活のためには、お互いに依存しすぎないことも大切です。猫と人が仲良くしつつも依存し過ぎず快適に生活するために、どのように接していくべきなのか、一緒に考えてみませんか?

 

分離不安とは


猫との距離が近くなればなるほど、お互いの存在に依存しすぎ、離れると不安になる「分離不安」になってしまいます。猫にも人にも分離不安は起こるのです。

猫の分離不安

猫が分離不安になると、飼い主さんがいないことで不安になって調子を崩してしまいます。飼い主さんの不在により

  • ご飯を食べない
  • トイレをしない
  • 下痢や血尿を起こす
  • 部屋をぐちゃぐちゃにする(破壊行動)
     

などが一般的にみられる分離不安の症状です。

愛猫が分離不安になってしまうと、仕事や旅行で家を空けなければならないときに、ホテルに預けたり知り合いにお世話をしてもらうことが難しくなるだけでなく、昼間の不在時にも、家の中を荒らしたり、トイレをあちこちにしてしまう問題行動が起きることもあります。また、お家に一人でいるときにストレスを感じてしまうと、毎日のストレスから膀胱炎や糖尿病などのリスクが高くなってしまいます。

人の分離不安(猫依存)

一方で人の分離不安(猫依存)もあり、猫がいないと落ち着かない、気になって安心できないという人もいるようです。猫を触っていないと眠れないという人も分離不安には注意ですよ。人が猫に依存しすぎると、重度のペットロスにつながります。寿命が延びたとはいえ猫の平均寿命は15歳くらいですし、突然病気や事故で愛猫がいなくなってしまうこともあります。

重度のペットロスでは、普段の生活に問題が出てしまうこともあるので、そうならないためにも、猫への過剰な依存を防ぐ必要があります。

分離不安・猫依存を防ぐ方法


分離不安や猫依存を防ぐ方法は、適切な距離を保ってそれぞれが自分の世界を作ることです。そのためにできることは以下の通りです。

1.お家にいるときに常に触っているのをやめる

分離不安・猫依存のどちらも防ぐ方法です。

猫依存になっていない人や、猫と過ごせる時間が短い人は、お家にいる間はできるだけかまってあげて、スキンシップなどのコミュニケーションを取りましょう。ただし、お家でいる時間が長いのにずっと触っている人は、時間のメリハリをつけて、猫との時間と自分のための時間を別々に作るようにしましょう。一緒にいても、別々に時間を過ごす努力をすることで人・猫どちらの依存も軽くすることができます。

2.猫が一人で遊べるものや環境を準備する

猫の分離不安を起こさない方法です。飼い主さんと一緒に遊ぶおもちゃはコミュニケーションの一環として重要ですが、それだけではなく、一人でも遊べるようなおもちゃや退屈しない環境を作ってあげることが大切です。

具体的には、自動で動くおもちゃや自分でじゃれることのできるボールなどがおすすめです。また、「知育玩具」と呼ばれる、コングやパズルフィーダーも有効です。これらのグッズは、猫が考えて餌を食べられるように工夫されたものであり、狩猟本能を刺激してくれるため日常生活の楽しみが増えます。

また、キャットタワーやキャットウォーク、猫ドアを設置することで、猫に探検気分を味わわせてあげることも、飼い主さんに依存しないで猫が自立するためのいい方法です。猫が一人でも遊べるようになると、飼い主さんも「退屈していないかな」という不安が取れるため、徐々に猫依存が改善します。

3.猫以外の趣味を見つける

猫への過剰な依存を避けるためには、猫以外の趣味を見つけてもらう必要があります。必ず来る愛猫との別れにペットロスにならないよう、万が一猫がいなくなっても楽しみを持てるよう、他の趣味を見つけておきましょう。

他の趣味ではなくても、猫友達を作っておくのもいいでしょう。そうすることで、もしペットロスになった場合でも、それを理解して話を聞いてもらえる相手が見つかります。猫をかわいがることは大切ですが、自分の世界が猫だけになってしまうのは危険ですね。

4.もう1頭猫を飼う

この方法に関しては非常に慎重になる必要がありますが、うまく行けば非常にいい方法ではあります。

基本的に単独行動である猫は、相性が合わなければ2頭以上で生活することに大きなストレスを抱えてしまいます。2頭飼えるスペースがあるか、1頭になれるような場所を確保できるか、相性が合わなかった場合の手段が取れるか(部屋を分ける、保護猫のトライアル制度を使うなど)などしっかり考えて、大丈夫であればもう1頭飼うことを考えましょう。

うまく相性が合えば2頭で遊ぶことができるため、猫の飼い主依存や分離不安が解消され、飼い主さんの愛情も2頭に分散することで1頭への過剰な依存を抑えることができます。お家で2頭で遊んでるなと思えれば、家を空ける時間も気にならなくなるため、猫依存も減ってきます。

 

猫との距離が遠くなりすぎないように

猫と仲良くなるには「おやつ」「遊び」「スキンシップ」

ここまでで猫との距離をうまくとることをお話ししましたが、猫と距離が離れすぎてしまってもいい関係は保てません。しっかり遊べるときは遊んであげ、おやつやブラッシングなどでコミュニケーションをしっかり取っていきましょう。ネコとのコミュニケーションのポイントは「おやつ」「遊び」「スキンシップ」の3つですので、これらをうまく使って仲良くなるようにしましょう。

また、愛猫が好きなことをしっかり把握しておき、喜ぶことを行い、嫌がることをしないというのも仲良くするための基本です。どんなタイミングでどんなことをしたら喜んでいるのか、あるいは嫌がって逃げていくなどということを観察して、喜ぶことと嫌がることをしっかり見極めましょう。

猫が嫌がる6つのこと

一般的に、多くの猫は以下のようなことを嫌うのでできるだけ気を付けておいてください。

  • 大きな音
  • 低い声
  • 急な動き
  • いきなり上から触られる
  • きつい香水(特に柑橘系)
  • じっと目を見つめる
     

まとめ

猫と仲良くしつつ、依存しすぎないことが、人も猫も居合わせな生活を送るためには重要です。お互いの世界や時間を保ちつつ、共有できる時間に良いコミュニケーションをとれるように、普段の生活をもう一度見直してみましょう!

 
 

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