2017年3月4日更新

猫と一緒に暮らし始めるために知っておきたい成長期の猫の健康チェック【獣医師が解説】

ミルクを飲むような子猫と比べて、離乳が終わり、だんだん大人の体に近くなっていく3カ月齢以降の時期は、体調も落ち着いて少し安心して見ていられる時期でもあります。ただし、この時期にもフードの変更による消化不良や体調の変化が出て来ることもあり、体調を崩すことも少なくありません。また、猫の3~6カ月くらいは人でいえば幼稚園~小学生くらいに当たり、一番やんちゃで事故や異物の誤飲などのリスクが高まる時期でもあります。

今回はそんな成長期の猫の体調をチェックするための観察ポイントを一緒に考えてみましょう!

食餌と排泄の異常


ご飯を食べて、排泄をする。毎日のあたりまえの行動ですので、そこに異常がないかどうかを見てあげることは健康状態を把握する上で大切です。食餌と排泄で注意しておいてほしい行動は以下の通りです。

食べ方が遅い

いつも勢いよく食べるのに、食いつきが悪いとか、食べるのに時間がかかっているという場合は食欲不振が考えられます。食欲を判断するときは、食べる量だけでなく、その食べ方を見てあげるのも大切です。

食欲不振の原因は猫風邪による発熱や口内炎、異物の誤食などたくさん原因があります。食欲が完全になくなってしまう前に早めに動物病院で診てもらいましょう。

トイレに何度も行く、1回にする尿の量が少ない

こういった症状がある場合、膀胱炎を起こしている可能性が高いです。膀胱炎の原因は細菌やストレスなどが多いですが、子猫でも膀胱結石ができてしまっていることもあります。膀胱炎は痛みが強く、そのせいで元気や食欲を落としてしまうこともあるので早めに動物病院で診てもらいましょう。

嘔吐をする

猫は人に比べると嘔吐をしやすい動物です。そのため、健康な猫でもたまに嘔吐をします。嘔吐がある場合に動物病院へ行くべきかどうかは、嘔吐の後の状態によって判断しましょう。

嘔吐のあとケロッとして元気にしている場合は、病的な嘔吐でない可能性が高いです。一方で嘔吐が続く場合や嘔吐後に明らかに元気がない場合は、異物の誤食など様子を見ていると危険な可能性のある病気かもしれませんので、病院で診てもらった方がいいでしょう。

行動の異常


「あれ、こんな行動おかしくない?」と思えるかどうかも病気の早期発見ができるかどうかには重要です。特に気をつけたい行動の異常は以下の通りです。

動きがにぶい

いつも元気に遊んでいるのに、今日は遊びをすぐにやめてしまうとか、動きがおそいなどの時には元気の低下を考えましょう。

元気の低下も食欲の低下同様、さまざまな原因があります。どこかの痛みによって動きが鈍いこともあるので、続くようであれば早めに病院へ連れていきましょう。

寝ている時間が長い

少し動いたらすぐに横になってしまうとか、寝ていてなかなか起きてこないという症状がある場合は、要注意だと思った方がいいでしょう。先天的な心不全や胸水などの心疾患・呼吸器疾患などでは、少し動いただけで酸欠を起こすため、動きたがらなくなります。これらの症状がある場合は緊急性が高い可能性があり、できるだけ早く動物病院へ連れて行ってもらった方がいいでしょう。

お尻をやたらと舐める

正常な猫でもグルーミングの一環としてお尻の辺りを舐めることはあります。ただし、異常にお尻ばかり舐めていたり、辞めさせてもまたすぐに舐めるといった場合には、病気によるものも考えておきましょう。

お尻を舐めている場合に考えられる病気は、肛門・肛門嚢・ペニス・外陰部のいずれかの異常であり、消化管内寄生虫・下痢による肛門の荒れ・肛門嚢炎・肛門嚢の破裂・尿道炎・膣炎などが考えられます。一度早めに診察してもらった方がいいでしょう。

お尻以外の下半身を異常に舐める

腰やしっぽの付け根、内股などを異常に舐める場合はノミの感染の可能性が高いです。ノミのかゆみは腰~しっぽの付け根に出ることが多いため、下半身を気にすることが多いです。ノミが疑われる場合には動物病院で診てもらい、ノミ予防薬をつけましょう。

見た目の異常

猫の体調不良は、猫の見た目に現れることもあります。しっかり愛猫を観察してみてくださいね!

毛並みが悪い

健康な猫の毛は、触ると柔らかく、指が引っかかることはありません。毛を触ってごわごわしていたり、撫でると引っかかるような場合には毛並みの悪化が考えられます。

子猫の毛並みの悪化の多くは栄養不良から来ます。フードの量が足りないだけでなく、質の悪いフードや消化管内寄生虫によっても毛並みは悪くなります。また、先天的な肝臓や心臓の病気があっても毛並みは悪化します。

毛並みの悪化は基本的に全身的な状態の悪化を意味しますので、フードに心当たりがない場合には早めに動物病院で相談するようにしましょう。フードの心当たりがあれば、フード量を考え直したり、質の良いフードへの変更を考えましょう。

目やにや涙が多い

目やにや涙が多い場合は、基本的には目の表面(角膜・結膜)に何らかの異常があるということを意味しています。猫風邪による結膜炎、眼の表面の傷(角膜潰瘍)などが成長期の猫によくみられる原因です。放っておくと悪化することも多いので早めに動物病院で診てもらいましょう。

まとめ


今回は、成長期の猫で特に注意してほしいことをご紹介しました。大切なのは、元気な時に愛猫の様子を見ておき、健康な時との違いに早めに気付いてあげられることです。体調不良の見極めのためにも、上に紹介したポイントを意識して、普段から愛猫の様子をしっかり観察しておきましょう!

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