2017年4月30日更新

交通事故の猫【ねりまねこブログ】

「面倒を見ている猫がケガをしました。脚が折れているようです。」

地域猫のお世話をしているAさんからご相談を受けました。

この現場に関わったのは2年半前のことです。

その時も同じように交通事故なのか脚をケガした子猫の相談でした。

「保護か、リリースか?2」

その当時Aさんはこう依頼しました。

「ケガした猫を助けたいのですが、捕まえることができません。
何十万円とかでなければ、医療費を負担するので、病院に連れて行ってくれませんか」

ケガした子猫を保護するだけでは済まないので
親、兄弟も捕獲し、不妊・去勢手術をしました。

骨折の子はくりちゃんと名付けました。
慣れてないし、シャーシャーでした。

兄弟の子猫も一緒に保護するか迷いましたが、

  1. 手術可能な体重(2kg近い)であること
  2. 人なれ・飼い主探しが難しいこと
  3. Aさんが面倒を見てくれること

という理由で、手術して元の場所にもどしました。

それからずっとAさんが黒猫親子の面倒を見てくれました。

くりちゃんは、元気に走れるようになり、幸せな飼い猫になりました。

そして、今回の相談、

くりちゃんの兄弟、しまちゃん(グレーっぽい方)骨折したようです。
しまちゃんは人間が入れない縁の下に隠れてしまいました。

Aさんは家の持ち主に許可をもらい、餌を持って、懸命に呼びましたが猫は出てきません。
ケガをして、縁の下に入り、そのまま衰弱して死んでしまうことはあります。

東京には強烈な寒波が来ていました。

いくら名前を呼んでも餌を出しても出てきません。

Aさんは仕方なく一旦、マンションに戻りました。

その日の晩

Aさん宅のドアの外から猫の声が聞こえました。

ドアを開けたらそこには骨折した猫がいました。

ブラブラの足をひきずり階段をのぼり、Aさんの部屋までたどり着いたのです。
Aさんは猫を抱いて泣きました。

動物病院はすでに閉まっている時間です。

そこで私達に相談をしてきたのです。

Aさんには救急や骨折の医療費が高額であることも伝えました。
Aさんは、それでも治療を選択し、猫の負担を避けるため往診を依頼しました。

そして往診の先生が来て診療をはじめました。

33度の低体温、激しく脱水していました。

点滴、注射、とにかく温め折れた足に副木をあてできる限りの処置をしました。

Aさん一家は一睡もせず見守りました。

そして翌日、動物病院に入院させました。

詳しい検査結果はよくありませんでした。

足先はすでに壊死が始まり根本から切断しました。
膀胱は破裂していました。
脳に障害もあるようです。
体温が上がりません。

翌日

Aさん親子はお見舞いに行きました。

猫はもう起き上がれませんでしたが、名前を呼ぶと小さく、にゃあと返事をしました。

助けることはできないかもしれないし
たとえ生かせても介護が続くのかもしれません。

それでも、Aさんは、助けを求めてきた猫を見殺しにしないで、

できるだけのことをしてやれたのでお金のことは惜しくないと言いました。

ケガや病気の猫に、金銭的負担をいとわずに助けられる人は多くありません。
高額な治療費を負担し家に入れるという重い決断をするのはとても勇気のいることです。

外に生きる猫たちは、ケガや病気やゴハンが食べられなくなれば、人知れず死んでいきます。

可哀想ですがそれが厳しい現実です。
危険な外に生きることを余儀なくされる猫たち
お腹を空かせ、寒さに震え、

ケガや病気になっても治療を受けられない

そんな不幸な猫たちは減らしていかなければいけない改めて思います。

保護した方は、たとえ介護生活であろうと自宅に迎えるつもりでしたが
残念ながら、手術のかいなく死にました。

たった3歳でした。

地域猫として毎日、決まった場所で餌をもらい、人懐こくて、とてもいい子でした。

病院葬でご供養してくださいました。

しまちゃんの兄弟くりちゃん(足を骨折し、保護されて、飼い猫になった)の飼い主様も、お見舞いの連絡をくださいました。

一匹の地域猫をめぐり人々の優しさに触れました。
本当にありがとうございました。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

ねりまねこ



NPO法人

「NPO法人ねりまねこ・練馬区地域猫推進ボランティアのブログです。 博愛の夫と、平均的猫好き妻による、市民ボランティア奮闘記! 地域猫とは地域にいる飼い主のいない猫の問題を、 地域住民・問題解決に取り組むボランティア・行政の三者が協力しあって解決を目指すことにより、 人と猫とが共生する地域づくりをしていくという考え方です。」

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