2017年5月17日更新

千代田モデルに学ぶ地域猫の最終形【ねりまねこブログ】

私がちよだ猫まつりに行った最大の目的は、

ちよだニャンとなる会の講演
「殺処分ゼロ6年目、千代田モデルを語る」
を聞くためでした。

副代表理事の
香取 章子さん

フリージャーナリストであり、
東京都動物愛護管理審議会委員でもあります。

2000年、千代田区が
「飼い主のいない猫の去勢・不妊手術費助成事業」を開始

千代田区在住・在勤者を対象に
ボランティアを募集しました。

翌年、登録ボランティア約30人で
「ちよだニャンとなる会」が発足しました。

行政と協働でできた市民グループで、
もともとあった愛護活動団体ではありません。

2014年からは一般社団法人となりました。

理事が6名、
アクション会員が約70名
サポート会員はなんと800名!

猫の愛護活動では、日本最大級の組織です。

一般社団法人ちよだニャンとなる会HP

2011年、全国で初めて猫の殺処分ゼロを実現し、6年、継続中です。

香取さんのお話で印象的だったのは、

活動のあり方は、一つではなくそれぞれの時代や環境にあわせ、柔軟に変化していくということです。

始めはとにかくTNRで、これまでに2600頭の不妊・去勢手術を行ってきました。

当初は200カ所に猫トイレを作り、ボランティアが清掃や給餌をしていた時期もありました。
しかし、そうすると地域住民の意識が育たず猫のことはボランティア任せになりました。

そこで、地域住民に、猫の適正な管理を委ね主体的に関わってもらうように活動を変化させていきました。

今では日々のお世話をするのは、そこに住む人々で、

ボランティアは自分達しかできない捕獲や行政との連携、保護・譲渡活動を行うと役割分担ができるようになりました。

そして、これが新しい
TNTA

Trap 捕獲し、
Neuter 手術し、
Tame 人に慣らして、
Adopt 譲渡する

都心の大規模開発で居場所を失った猫たちは元の場所に戻すことができず、やむを得ず、保護して譲渡しています。

千代田区では、子猫と、慣れた猫も保護対象です。
ところが、千代田区の85%は集合住宅で1-2頭しか飼うことができません。

そこで協力病院に費用を払い保護や治療をしてもらいます。

飼い主探しにはSNSを使ったり、区と協働の譲渡会を年4-5回、開催します。
このおまつりでも譲渡会がありました。

年間約50頭の猫が、外猫から飼い猫になっています。

そして、これも普通はできない傷病猫のレスキュー

傷病猫は医療費もかかり、その後の飼育も困難である可能性が高いためセンターに収容され殺処分になるケースが多いです。

千代田区では、生存可能性のある猫には医療を施し、回復したら、飼い主を探しています。

医療費は4万円までは助成されますが、不足分は会費と寄付で賄います。
おまつりの収益も、猫の医療費にあてられます。

千代田区の助成金は以下のとおり

手術費用の助成・上限額
オス 17000円
メス 20000円
妊娠雌 25000円

保護猫の助成・上限額
(ワクチン・ウィルス検査など)
6000円

全国各地では、まだまだ猫の問題に悩む自治体が多いです。

行政と市民ボランティアの協働による
「千代田モデル」が
猫の問題を解決する有効な方法であることを積極的に発信していくそうです。

飼い主さんたちは、会の最大の応援団です。

会場のパネルやあちこちに保護・譲渡された猫の写真が使われていて「あれは、うちの子なのよ」とうれしそうに飼い主さん達が話していました。

おまつりに遊びに来るだけでなくボランティアとして参加している飼い主さんもたくさんいました。

行政・住民・在勤者・動物病院ができることを持ち寄り、問題を解決していく

日本は動物愛護後進国と言われることがありますが
(私はそうは思いませんが)

千代田区は動物愛護先進都市であることは間違いありません。

いや~
すごいものを見せてもらいました。

圧倒されました。(*_*)
ただ、地域には予算や人員やそれぞれの事情がありますので、練馬区にできることでがんばりましょう。

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

ねりまねこ



NPO法人

「NPO法人ねりまねこ・練馬区地域猫推進ボランティアのブログです。 博愛の夫と、平均的猫好き妻による、市民ボランティア奮闘記! 地域猫とは地域にいる飼い主のいない猫の問題を、 地域住民・問題解決に取り組むボランティア・行政の三者が協力しあって解決を目指すことにより、 人と猫とが共生する地域づくりをしていくという考え方です。」

ねりまねこブログ

関連記事

カッパちゃんを見習って家に入れろ??【ねりまねこブログ】

地域猫が病気・ケガ・高齢になった時、 どうしたらいいのか? 「家に入れたらいい」 「地域猫活動は保護活動ではないから、外で看取るべき」 など、様々なご意見がありますが ……

ねりまねこブログ

いなくなった子猫たちのこと【ねりまねこブログ】

「猫がたくさんいる」と通報された家には 何頭いるのでしょう? 手術済の飼い猫2匹、未手術の外猫2匹 以上4匹です。 たった4匹?? 2012年ごろは未手術猫ばかりで……

ねりまねこブログ

70頭多頭飼育崩壊!?【ねりまねこブログ】

どうぶつ基金では、今年度から多頭飼育崩壊現場の無料不妊手術を行っています。 先月、東京都で70頭の手術を行ったことが公になりました。 東京都多頭飼育崩壊現場で出張手術を実施しまし……

ねりまねこブログ

モモラ〇〇砲!【ねりまねこブログ】

先日、 TNRの帰り道、 問題の生パン餌の現場に 立ち寄りました。 (ほんの10分くらいです) そうしたら、通りがかりの 品のいい奥様が声をかけてきました。 な……

ねりまねこブログ

母もレイちゃんも救われました【ねりまねこブログ】

飲まず、食わず寝たきりとなったレイちゃん 息を引き取りました。 レイちゃんの口内炎が悪化しごはんを食べられなくなったのは2年前からです。 当時、寝たきりの父を……

ねりまねこブログ

地域猫ならこう!【ねりまねこブログ】

地域猫活動のマニュアルに従うなら、 まず、子猫は保護しません。 【写真はこのエリアで死んだ猫たちです】 理由はいくつかありますが そもそも練馬区地域猫推進ボランティ……

ねりまねこブログ

地域猫チビちゃんの死【ねりまねこブログ】

うちの庭にいたチビちゃん 8月にいなくなりました。 おそらく死んだのでしょう。 10歳でした。 *:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆ チビちゃんとミケちゃ……

ねりまねこブログ

TNRしても3年で元通り?【ねりまねこブログ】

TNR(捕獲し、手術し、もとに戻す)を行っても 数年で元通りになると言われることがあります。 善意の個人が身銭を切って必死になってTNRをしても、 餌やりや、捨て猫の継続管理が……

ねりまねこブログ

7匹の子猫はどうする?【ねりまねこブログ】

大ノミ現場での捕獲の日 たまたまですが、新しく、練馬区に ボランティア登録された方々が 見学にいらっしゃいました。 速やかな捕獲を模範演技として 見せたかったのですが、 ……

ねりまねこブログ

多頭崩壊を考える1・2【ねりまねこブログ】

今、全国で多頭飼育崩壊が起きて、無関係の人たちが巻き込まれ問題解決に奔走しています。 とうてい個人で対処できるレベルではありません。 重大な社会問題として対策を考える時期に来……

ねりまねこブログ

救えた命、救えなかった命3【ねりまねこブログ】

救えた命、救えなかった命3 「急変する子猫の命」 ある朝、あけびちゃんは激しく嘔吐し、急激に衰弱しました。 その日、私は重篤な親類の所に行かなければならず 動物病院に事情……

ねりまねこブログ

7人の侍(地域猫篇)【ねりまねこブログ】

私達は練馬区保健所と協働で 地域猫活動を推進していますが、 自分の登録地域以外に、 新しく登録されたボランティアグループを 支援するアドバイザーの役割も担っています。 ……

ねりまねこブログ

ケガ・病気の猫を保護するか?【ねりまねこブログ】

これまでのべ750匹の町の猫を地域猫として登録しました。 餌を与え、糞尿を清掃し、寝床を与えるなど日々の管理は 私達を含めた約100人の町の有志が行っています。 私達が担当した……

ねりまねこブログ

メス猫は逃すな!【ねりまねこブログ】

「かゆいかゆいかゆい(>_<)」の大ノミ発生現場 毎週末、通っています。(;^ω^A 高い塀に囲まれた古い一戸建て 高齢のAさんが一人で暮らしています。 そも……

ねりまねこブログ

洗濯ネット探して走る走る【ねりまねこブログ】

パン生エサ現場 敷地立ち入りの調整に時間がかかりようやく着手した頃にはメス猫が4匹も出産済でした。(>_<) 目で確認できた子猫のうち4匹は近隣住民・施設のご協力で保護できました。 ……

ねりまねこブログ