2017年5月1日更新

猫に虫歯がない理由と虫歯のように見える病気【獣医師が解説】

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ヒトにはある病気のほとんどは猫にもありますが、その例外の一つが「虫歯」です。猫には歯石や歯周病などの歯の病気は非常に多いのですが、虫歯はないんです。猫に虫歯がないのはその独特の口の中の環境に理由があります。なぜ猫に虫歯がないのかをみてみましょう。

 

猫に虫歯がない理由


猫に虫歯がないのには理由があります。その理由は2つあるといわれています。

1. 口の中がアルカリ性

猫の口の中はpHが8~9とアルカリ性になっています。一方、ヒトの口の中は6.5~7と酸性よりです。虫歯菌はアルカリ性の環境では成長できないといわれており、口の中がアルカリ性の猫には虫歯がないんです。

ただし、糖分は酸を作り口の中を酸性に傾けてしまいます。本来糖分をほとんどとらない猫ですが、ヒトの食べ物と同じものが中心の食生活になると、猫にも虫歯が出てきてしまう可能性もありますよ。

2. 虫歯菌が溜まりにくい歯の形をしている

肉食である猫の歯は、奥歯で食べ物をすりつぶす必要がないため、ヒトの奥歯の臼歯のような平たい部分がありません。平たい部分がないことで、虫歯菌が溜まりにくいというのも、虫歯がない理由だと言われています。

虫歯のように見える歯の病気


猫の歯を見てみたら何か黒いものが見えたということもあると思います。そんな時に考えれる原因は以下の通りです。

1. 歯垢や歯石

歯垢や歯石は、白や淡黄色に見えることが多いですが、中には茶色や黒っぽく見えることもあります。食べ物のかすも同じように黒っぽく見えることもあります。猫の口の中は虫歯がない代わりに歯石が付きやすい環境になっていますので、黒く見えるものは歯石や歯垢の可能性が高いです。

2. 破折

もう1つの可能性が、歯の一部が折れたり欠けたりする「破折(はせつ)」です。普通のフードを食べていただけでは破折は起こりませんが、おもちゃやケージなどの硬いものを噛んだ時に、歯が折れたり欠けたりしてしまうことは珍しくありません。

ヒトであれば歯が折れたら非常に痛いですが、猫は破折があってもあまり痛くないようです。そのため、折れたときに全く気付かず、なんかの拍子に気付くということも多いです。虫歯のように黒い部分がある場合は、破折である可能性もあります。

破折があるとそこから菌が入るため、本来であれば治療が必要ですが、破折してから時間がたっている場合は、すでに表面がカバーされていて、治療が必要ないことも多いです。猫は破折があってもあまり問題にならないんですね。

 

まとめ


「虫歯のない猫はうらやましいなー」と思っている人もいるかもしれませんが、猫はその分、歯石が非常につきやすいんです。虫歯がないからと言って歯磨きをしないと、歯石から重度の歯周病を起こして、歯茎がパンパンに腫れてしまうということも少なくありません。歯石や歯周病の予防のためにも愛猫の歯磨きはしっかりしてあげましょう。

 
 

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