2017年4月13日更新

猫のブラッシングの仕方を覚えよう【獣医師が解説】

ブラッシングは猫の大切なホームケアの1つですが、重要だと考えている飼い主さんは少ないようです。また、「猫が嫌がるから……」と言ってやりたがらない飼い主さんも多いですね。ただし、ブラッシングをすることは、猫や人の健康のためになりますし、貴重なスキンシップの1つの手段でもあります。今回は、ブラッシングをする意味と方法についてしっかり勉強してみましょう。

ブラッシングの意味

ブラッシングには大きく3つの意味があります。

猫の健康:胃腸の毛球症・毛玉による皮膚炎の予防

特に長毛の猫では、ブラッシングをしないと胃の中に毛玉が溜まっておう吐や食欲不振の原因になったり、皮膚に毛玉ができることでその下の皮膚が炎症を起こしてしまうことが多いです。ブラッシングは愛猫の健康のために大切ですね。

人の健康:アレルギーを減らす

猫の毛は掃除機で吸いにくい上に、ちょっとしたことですぐに舞い上がります。犬に比べて猫へのアレルギーが多いのも、そうした毛の質の影響だとも考えられます。愛猫のブラッシングをしっかりすることで、できるだけ床に落ちる毛を減らして、家族がアレルギーを起こしにくくすることができます。

猫と人とのスキンシップ

ブラッシングは猫やヒトの健康だけでなく、絆作りのためにも大切です。ブラッシングはスキンシップの一環で、ブラッシングをすることでふれあいの時間が増え、飼い主との信頼関係が強くなり、猫と家族の親密さも増します。ブラッシングは慣れてくれると、猫にとって気持ちよく、リラックスできる行為の一つです。テレビなどを見ながらでもいいので、単に触るだけでなく、ブラッシングしてあげるといいでしょう。

ブラッシングのやり方のポイント

子どものころから行う

人でも猫でも小さい頃は恐怖心があまりなく、小さいころから慣れていることは大人になっても嫌がりません。一方、大人になってから初めて経験することは恐怖心が先に立ってしまい、いくら気持ちいいことだとしても拒絶してします。

すでに大人になってしまっていればどうしようもないですが、できるだけ小さいころからブラッシングをしてあげることが大切です。

必ず毛並みに沿って

ブラッシングは毛並みに沿って行うのが基本です。基本的には前から後ろへ、上から下へ行うようにしましょう。毛の流れに逆らってブラッシングをすると、毛に絡んで引っ張ってしまい、猫が嫌がることが多いです。

はじめは短時間で嫌がらない程度に

ブラッシングは、爪切りや歯磨きなど他のホームケアと同じく、いきなり長時間やるのはよくないです。少しずつ、嫌な思いをさせないようにやることがスムーズにブラッシングを行うコツです。最初は撫でる延長としてブラッシングを短時間使い、徐々に時間を伸ばしていきましょう。

慣れないうちはラバーブラシを

ブラッシングに使うのは、ブラシやコーム(くし)ですが、その材質には、ゴム(ラバー)・プラスチック・金属があります。ゴムが一番柔らかく嫌がりませんが、ブラッシングとしての効果は一番弱いです。金属製のものが一番ブラッシング効果が高いですが、うまく使えないと痛く違和感が大きいです。

そのため、最初のうちはゴム製のラバーブラシを使って、ブラッシングに慣れさせましょう。

高齢猫ほどブラッシングは大切

高齢になってくると、毛が細くなったり、病気などから毛の張りが無くなって毛玉ができやすくなります。また、腎不全やホルモンの病気では常に体がだるくなってしまうため、自分で体を舐める「グルーミング」の頻度が減ってしまいます。

若いころは毛玉ができなくても、高齢になってから毛玉になってしまうことがあります。その時に急にブラッシングをするとかなり嫌がりますので、毛球のないうちからブラッシングに慣れさせるようにしましょう。

短毛種・長毛種それぞれのブラッシング

短毛種にはラバーブラシ

短毛種はしっかりとしたブラッシングはそれほど必要ありません。ただし、毛が落ちて舞いやすいので、そうした毛を集める意味がブラッシングにはあります。毛はもつれにくいので、ラバーブラシのような柔らかいもので十分対応できます。

長毛種には金属製コームやスリッカーブラシ

長毛種の場合も、最初はラバーブラシで慣れさせた方がいいですが、ラバーブラシはもつれを取る効果がほとんどないので、最終的には金属製のコームやスリッカーブラシを使ったブラッシングを行えるようにしましょう。

特に脇、太ももまわりに注意

長毛種の猫で毛玉になりやすいのは、脇と太もものまわりです。そのほか、背中や首などにもできることがあります。毛玉ができてしまってからブラッシングするのは大変ですので、できるだけ、毛球の予防としてブラッシングをしましょう。そして、特に脇や太ももまわりはしっかり触って、毛球になりそうなもつれがある場合はそこを重点的にやってください。

ただし、脇や内腿の皮膚は非常に薄く、傷つきやすいです。金属製のものを使っているときはできるだけ丁寧に優しく行ってください。

まとめ


ブラッシングは慣れないと大変ですが、慣れれば遊びやスキンシップの一環として楽しく行うことができます。猫やヒトの健康のためにも、猫との絆のためにも、ブラッシングを無理なく少しずつできるようにしていきましょう。

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