2017年6月2日更新

おやつ探しなら僕にお任せ!犬の優れた嗅覚とセントハウンドの歴史

長谷川真理恵



JKC A級トリマー、JKC C級ハンドラー

グルーミングスクールに4年通い、JKC A級トリマーライセンス、JKC C級ハンドラーライセンスを取得。フリーのトリマーとして働く傍ら、在学中にモデル犬として迎えたトイプードルのチャンピオン完成をきっかけに繁殖学・遺伝学を学び、ドイツやイギリスのブリーディングスタイルをモデルとして極少数頭のみのブリーディングを手掛ける。主人の海外赴任に伴い愛犬とともにドイツへ越した後、現在はベルギー在住。日本とは大きく異なるヨーロッパにおける"犬とは"を日々体感中。

 

愛犬がお散歩をするとき、クンクンと熱心に地面や草を嗅ぐ姿は飼い主さんにとって見慣れた光景でしょう。
あまりに熱心だとつい「もう行くよ!」と切り上げてしまいたくなるこの行動。
また食べ物はしまっておいたのに気づいたら開けて食べていた…何でここだって分かったんだろう?なんて経験はありませんか?

犬の五感の中でも最も重要と言える嗅覚について、人間とどう違うのか、また犬の中でもとくに嗅覚に優れたセントハウンドについてご紹介していきます。

 

こんなに違う!人間と犬の嗅覚


犬は嗅覚の動物と言われることがあります。
犬は生まれたばかりのとき、目も開いていない、耳も聞こえていない状態で生まれてきます。そこから目と耳が機能するようになるまでの間、教わることなく母犬の元へミルクをもらいに這っていきます。生きていくために最初に機能しているのが嗅覚なんですね。

そんな犬の嗅覚ですが日常の中でも驚くことってありませんか?
いつもお母さんの服だけ洗濯物から持ってきて幸せそうに寝ていたり。どんなに混ぜてもお気に入りのフードだけ選んで食べていたり。

こんな芸当ができてしまう犬の嗅覚は、実に人間の1000~1億倍優れているからなんです。
あまりに幅がある数字ですが、これは犬にとって必要な匂いか、そうでないかで感度が違ってくるため。動物が生きるために必要な情報にはより敏感に反応できるようになっているからです。

また人間と大きく違うところは、犬にある匂いの階層化という嗅ぎ分ける力です。
私たち人間は混ざった匂いはそのまま一つの匂いとして感知しますが、犬の場合は個々に嗅ぎ分けることができます。
この能力は警察犬が犯人の匂いを識別して追うことや、麻薬探知犬が数あるスーツケースの中から麻薬を見つけ出すことに役立てられています。

嗅覚のエキスパート!6Gセントハウンドとは?


犬自体、嗅覚に優れた動物ですがそんな中でも更に嗅覚に優れているように改良され生み出された犬種がいます。

それがセントハウンドと呼ばれる犬種たち。
日本国内の血統書を発行するJKC(ジャパンケネルクラブ)という団体によって、純血種は本来の役割別に10個のグループに分類されるのですが、このセントハウンドは6G(第6グループ)に当たります。

セントハウンドってどんな犬種?

ダルメシアン、ビーグル、ブラッドハウンド、アメリカン・フォックスハウンド、バセット・ハウンド、ハリア、グランド・バセット・グリフォン・バンデーン、プチ・バセット・グリフォン・バンデーン、ボルスレーヌ、ローデシアン・リッジバック、ブラック・アンド・タン・クーンハウンド、など。
日本ではあまり見かけることのない犬種が多く並びますね。

セントハウンドの歴史とは?

セントハウンドはまたの名を嗅覚ハウンドといいます。その名の通り嗅覚の達人…いや達犬。
その優れた嗅覚の背景は長年、人間の狩猟のパートナーであったことに由来します。

たとえばバセット・ハウンドは赤鹿狩りに。ビーグルは野ウサギ狩りに。ブラッドハウンドは鹿や猪狩りに。
といったように獲物である動物の匂いを嗅ぎ分け、どこまでも追いかけていき、飼い主に知らせるという役割を担ってきた犬。そのためより優れた嗅覚のものを残し、改良されてきた犬種たちなのです。

またセントハウンドの特徴的な大きな垂れ耳は仕事中に嗅覚に集中するため、聴覚を遮るために改良されてきたものだと言われています。

セントハウンドを飼うときに気をつけたいこと

狩猟に特化してきたセントハウンドの特徴として、どこまでも獲物を追いかけていける粘り強さがあげられます。
粘り強いということは頑固でもあるということ。
人間に友好的で非常に飼い主に従順ですが、早い段階でしっかりとしつけを行う必要があります。長期戦も覚悟しましょう。

また飼い主に獲物の場所を知らせるという役割であったことから、独特のよく通る吠え声を持ちます。ビーグルは「森のトランペッター」という異名を持つほど。
森の中で聞けば美しい声も、都心部の住宅密集地ではご近所トラブルにもなりかねません。セントハウンドを飼うときには住宅事情や、周囲の環境もよく考慮しましょう。

 

匂い嗅ぎは犬にとって大切な情報収集!


犬にとって匂いを嗅ぐというのは大切な情報収集。
また自分の家以外の匂いを嗅ぐことは脳の刺激にもなり、非常に大切な行動の一つです。
ときに厄介な探偵ともなる犬の嗅覚ですが。たまには宝探しをしたり、気が済むまで匂い嗅ぎに付き合ってあげたりしたいですね。

 
 

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