2016年3月1日更新

【獣医師監修】フィラリア症の症状や種類、予防について

春になるとノミの予防と一緒にフィラリア症の予防を勧められると思います。

様々な種類の予防薬が販売されており、予防をしやすい工夫がされているのは、フィラリア症が本当に怖い感染症だからなのです。今回はフィラリア症の症状や予防法についてご紹介します。

フィラリア症とは何か?

犬糸状虫、通称フィラリアは、春から秋に活発に活動する蚊によって媒介される寄生虫です。

心臓の内部や肺動脈に寄生し、その心臓や肺だけでなく、肝臓や腎臓にまでダメージを与えます。

症状がすすむと、見ているだけでもかわいそうになる位に呼吸が苦しく、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。

もしフィラリア症にかかってしまったら

寄生したフィラリアの数が少なければ、ときどき咳がでる程度でほかに特に症状が出ないこともあります。しかし多数になると慢性フィラリア症として、咳もひどくなり、苦しそうな呼吸をしている、 お腹が張ってくるなどの症状が見られます。また、運動をいやがるほか、食欲不振や体重減少なども同時に起こることがあります。

慢性フィラリア症と診断された場合には、薬剤によって駆虫を行ないます。

慢性フィラリア症で比較的症状が見られていなかった場合でも、急激に重篤な症状が出る事があります。これを急性フィラリア症といいます。

原因ははっきりしていませんが、右心室や肺動脈に寄生していた虫体が右心房、大静脈へと移動し、突然の元気消失や呼吸困難、黄疸などが起こります。この場合、早急に手術を行なわなければ命に関わります。

予防薬の種類

フィラリアは蚊が媒介します。蚊に刺されることを完全に防止する事は困難です。このため、フィラリア症を予防するには予防薬が欠かせません。

内服薬を投与することが難しい場合でもしっかり予防できるよう、様々な種類の予防薬があります。動物病院で相談の上、状況に応じて使い分けをしましょう。

内服薬タイプ

スタンダードな内服薬で、多くの動物病院で用意してあります。

体重によって薬の大きさは変わりますが、小型犬の場合はとても小さく作られています。おやつに包んでも良いですし、そのままでも投薬しやすいでしょう。

首の後ろに垂らすタイプ

ノミの予防薬でもよく見られる、首の後ろに薬液を垂らし、皮膚を通して毛細血管から浸透していく予防薬です。

ただし、確実に皮膚に付着させる必要があるので、動物病院で投薬方法の指導を受けましょう。内服薬が苦手な場合に選択肢のひとつになります。

ノミの予防も一緒にできるものもあります。

チュアブルタイプ

美味しいフレーバーのついたタイプの予防薬です。内服薬と比べてサイズは大きいですが、おやつ感覚で投薬ができます。

その他、注射薬もあります。かかりつけの獣医さんとよく相談して決めましょう。

予防薬は必ず検査を受けてから!

最近では予防薬がインターネットで販売されていたり、動物病院以外でも手に入れる事ができてしまったりするようですが、これは薬事法という法律に反しており、違法行為です。

また、万が一フィラリアに感染してしまっている場合に、それを知らずにフィラリア症予防薬を飲ませてしまうと、副反応で急死してしまう可能性もあります。必ずフィラリアに感染していないか検査を受けてから、フィラリア症予防薬を投与することが必要です。

去年しっかり予防していたから必要ない、なんて事はありません。毎年、必ず検査を受けましょう。

地域や気候により、蚊の発生する期間がかわるため、予防を勧める期間も変わります。蚊が年中いるからという理由で一年通しての予防を推奨している獣医さんもいらっしゃいます。東京都内では5月頃から11月頃までの予防を勧めている動物病院が多いようです。

かかりつけの獣医さんと相談して、投薬の必要な期間をしっかり覚えておきましょう。月1回投与するものですから、毎月1日や10日、などと日にちを決めておくと忘れにくいかもしれませんね。

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