2017年5月17日更新

人間用のシャンプーは使える?ドッグマッサージセラピストが解説する愛犬の皮膚とシャンプー

高橋 佐奈



ドッグケア

ドッグマッサージサロン&School kukulu* 代表。 愛犬をきっかけに犬のホリスティックケアという世界を知り、ドッグマッサージ、犬の介護・リハビリについて学ぶ。 犬の心も身体も「楽」になってほしいという想いで「緩めるドッグマッサージ・犬のエクササイズ・メディカルアロマ」を取り入れたサロンをスタート。 毎日愛犬と過ごすご家族ができるケアをセミナーではお伝えしています。

 

花が咲き始め新緑も生き生きと葉を広げポカポカな季節になりました。
動物たちにとっても心地よい季節、愛犬と一緒にお出かけする方も多いのではないでしょうか。
お外で遊んだり、川やうみで泳いだあとのシャンプー、みなさんどんなものを使用していますでしょうか。今回は愛犬の皮膚とシャンプーのお話です。

 

犬の皮膚

犬の「被毛」は、外部からの刺激や紫外線を防いだり、体温を調整する働きをしています。
そのため「犬の皮膚」は、退化して体毛がなくなり代わりに強い皮膚をもつ人間とは構造が違い、皮膚自体は薄くとてもデリケートです。

【皮膚の厚さ】

  • 人:1.5 mm~4 mm
  • 犬:人の3分の1〜5分の1と「皮膚そのもの」は薄く、弱い

【皮膚のpH】

  • 人:pH 4.5~pH 6(弱酸性)
  • 犬:pH 7.5 (中性)

【皮膚のターンオーバー】

  • 人:役28日周期
  • 犬:約20日周期

身体の汚れを落とす仕組み

人でも犬でも身体の汚れを落としてくれるのは「界面活性剤」と呼ばれる化合物です。
本来、混じり合うことのない「油と水」ですが、油汚れを水で落とすことができるのは、洗剤に含まれた「界面活性剤」が、油と水の両者を結びつける化合物だからです。
これは、シャンプーや石鹸などでも同じことが言えます。

 

合成界面活性剤と合成以外の界面活性剤(石鹸)

この「油と水を結びつけ汚れを落としてくれる」界面活性剤には、石油から作られたことを起源とする人工的に作られた「合成界面活性剤」と、天然の植物性油脂にアルカリを反応させてできた「合成以外の界面活性剤(石鹸)」とがあります。

合成界面活性剤は、洗ってから流すまでの工程の中で「その形を変化させず」に合成界面活性剤として犬の皮膚に残ります。その残った合成界面活性剤は、皮膚膜のバリアを破るほどの強い浸透力を持つため、犬の皮膚バリアを弱らせ、外部から細菌などが入りやすい皮膚になってしまうこともあります。

反対に、合成以外の界面活性剤(石鹸)は、皮膚の脂や水などの他の物質と混ざりあうと「その形を変化させる」性質をもっており、身体に残ったとしても犬の毛穴から出る脂分と混ざり合い、皮膚のバリアを作るお手伝いをしてくれます。

全ての「合成界面活性剤」が危険ということではありませんが、現在では犬の石鹸やシャンプーは人間のものとは違い「雑貨扱い」とされ、成分表示などの規制もありません。
そのため、どんなものから作られているのかがしっかり表示されているものを選択するということが大切です。

人間が使えるものは犬にも使えるか

先に記載しましたように、人間と犬の皮膚の構造は違います。
人間用のシャンプーはペット用のものと比べると、脂分を取りすぎてしまう傾向があることや、香料・保存料などの添加剤も多く使われているため、人間用のシャンプーなどの使用はおすすめしません。

また、犬用として売られている石鹸の中にも、アロマなどの香りがついているものも多いのですが、あまり強すぎる香りのものは犬にとってもストレスだと考えます。
洗うことを目的として選択されることをおすすめします。

身体を洗う時は優しく・すすぎもしっかり

犬の皮膚はとてもデリケートです。シャンプーなどを犬の身体に直接かけてゴシゴシ泡立てながら洗ったり、ボディスポンジなどで洗うような方法は避け、事前に軽く泡立て皮膚をマッサージするイメージで優しく洗ってあげましょう。
また、皮膚にシャンプー剤が皮膚に残らないようにしっかりと流してあげましょう。

泡を流す時間が長くなればなるほど、必要な脂分も落ちてしまいます。特にシニア期になる犬には「湯気」で体調を崩すこともあります。短時間で泡が落とせる(泡切れがよい)ものを選ぶことは、犬への負担も減り、特にお風呂が嫌いな犬のストレス軽減にもつながります。

※ お湯の温度は36度くらいが適温と言われています。

洗うだけではなく、外出から戻ったら身体を拭く習慣を


外から帰ってきた犬の身体には、砂ほこりだけではなく、花粉やPM2.5、様々な菌が付着しています。足を洗うのと同様に、身体に付着した汚れを拭くことで皮膚炎や病気の予防にもつながります。アロマで作った抗菌スプレーなどを使用してブラッシングをするのもおすすめです。

まとめ

今「犬に優しい手作り石鹸」の人気が高まっています。私も愛犬には「手作り石鹸」を愛用しています。
ですがその犬に優しいとうたっている石鹸でさえも「使用成分の表示がない」とか「人間用の石鹸だけど犬にも使えます」とうたっているものもあります。
石鹸を作る際に使用する植物オイルや材料の中には「犬に不向き」なものもあります。
良いとされているものでも、本当に犬の皮膚や皮脂を考えて作られているのかなどを見ながら、愛犬にあったシャンプーや石鹸を選択していただき、丈夫な皮膚・サラサラふわふわな被毛を保ってくださいね。

 
 

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