2017年6月16日更新

猫が元気に暮らすには?ライフステージごとのかかりやすい病気や注意点【獣医師が解説】

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猫は人間の4~5倍の速さで歳を取ります。子猫だと思っていた愛猫も、いつの間にか青年期を経て高齢期になっているなんてことも多いです。今回は、猫の年齢の重ね方とそれぞれのライフステージで気を付ける病気ついてみておきましょう。

 

青年期(1歳~6歳)の注意点

猫の1歳~6歳くらいは青年期と呼ばれ、ヒトでいうと20~40歳くらいにあたります。この時期の猫は、もっとも元気で病気を起こしにくく、健康に生活できることが多いです。ただし、若いうちから出てくる病気もあり、この時期にも注意が必要なことがいくつかあります。

太らせない

この時期に最も大切なのは、肥満にさせないことです。肥満は糖尿病や肝臓病、関節炎などの病気のリスクを増やしてしまい、寿命が短くなってしまう原因になります。

1歳を超えると、骨格の成長も止まり身体に必要なエネルギーも落ち着いてきます。子猫の内はどれだけ食べても太りにくかったのに、1歳を超えたらみるみる太ってしまうという猫も多いです。特に避妊手術や去勢手術をしている猫では太りやすくなりますので、しっかり注意しておきましょう。

猫のダイエットは非常に難しいです。青年期に食べたいだけ食べる癖をつけてしまうと、フードの量を減らすストレスがかなり強くなってしまいます。青年期には食べ過ぎる癖をつけないようにし、できるだけ太らせないようにしてくださいね。

尿の病気に注意

若いうちから出てくる病気の1つに膀胱結石など「下部尿路疾患」と呼ばれるものがあります。その原因として、膀胱結石があったり、尿に結晶が出てしまう猫では食餌療法が必要になります。頻繁に膀胱炎を起こす猫では、ストレスなどが原因となっていることもあるため環境を見直してあげることも大切かもしれません。

膀胱炎を何度か起こす場合は、必ず尿検査や超音波検査を行い、尿中の結晶や、膀胱内の結石の有無をチェックしてもらいましょう。検査の結果を踏まえたうえで、フード変更の必要性について動物病院で相談してみてください。

事故や喧嘩に注意

若い外に行く猫では、事故や喧嘩による怪我をよくしてきます。特に未去勢のオスは行動範囲も広く事故や喧嘩のリスクが高くなります。事故による骨折や内臓損傷、けんかによる感染症などは若い猫によくみられますので、外に行く猫では注意しておいてくださいね。

異物の誤食に注意

特に1~2歳の若い猫の中には、好奇心が旺盛でなんでも口に入れてしまう子がいます。チョコレートや玉ねぎ、殺虫剤など猫に中毒を起こすものや、ヒモやおもちゃなど胃腸に詰まってしまう可能性のあるものなどさまざまな物を飲み込んでしまう可能性があります。

中毒や腸閉そくは命の危険の可能性すらある非常に怖いものです。猫が食べてしまいそうなものは、できるだけ猫の行動範囲には置かないようにしておきましょう。

シニア期(7歳以上)の注意点


猫のシニア期(高齢期)は、一般的に7歳以上と言われます。7歳は人の年齢に換算すると40歳代後半であり、そろそろ色々な病気が増えて来る時期です。特に以下のような点を、シニア期の猫では注意してみてあげてくださいね。

飲水量・尿量に注意

高齢猫で最も多い病気が慢性腎不全です。慢性腎不全で共通する症状が、お水をたくさん飲んでおしっこをたくさんする「多飲多尿」になります。他にも糖尿病や甲状腺機能亢進症など高齢猫によくみられる病気でも、多飲多尿の症状が多くみられます。

そのため、飲水量や尿量が増えてこないかどうかを注意して見ておいてください。一般的に、猫の飲水量は体重1㎏あたり50ml以下、尿量は体重1㎏あたり30ml以下と言われています。5㎏の猫であれば飲水量250ml以下、尿量150ml以下が正常です。それ以上であれば、多飲多尿の可能性が高いです。また、それ以下でも尿量や飲水量が増えてきている場合は病気の前兆である可能性があるので、早めに動物病院で診てもらいましょう。

食欲不振・体重減少に注意

猫の寿命が延びるとともに、腫瘍(いわゆるがん)にかかってしまう猫も増えています。腫瘍はその種類によって症状が異なりますが、痛みや倦怠感による食欲不振や、腫瘍に栄養を取られてしまうことによる体重減少がよく見られます。

他にも腎不全や肝不全、糖尿病、甲状腺機能亢進症などでも食欲不振や体重減少は見られることが多いため、高齢の猫では定期的に体重を測ったり、抱っこしたときに体が軽くなっていないかしっかり見ておくことも大切ですね。

皮膚のしこりに注意

体の表面に出て来る皮膚腫瘍や乳腺腫瘍、リンパ腫などは、体のしこりとして気付くことがあります。猫の体にできるしこりは悪性のものも多いですが、手術で完治できることも多く、しこりを見つけたらできるだけ早めに動物病院で診てもらうことをおすすめします。

嘔吐に注意

腎不全や肝不全、膵炎や胃腸の腫瘍など、嘔吐を起こす病気も増えてきます。若い頃より吐く頻度が増えて来るようであれば、一度全身の健診をしてもらいましょう。

 

まとめ


子猫が青年期を経て高齢期に入るのはあっという間です。子猫に比べると青年期は比較的体調も安定し、元気に生活できる子が多いですが、上に挙げたような病気や症状に注意しておきましょう。また、シニア期にはさまざまな病気のリスクが高くなるので、この記事で紹介した症状に特に注意して、何か体調不良があれば早めに動物病院で診てもらうことが、健康で長生きできる秘訣です。各ライフステージで気を付けるべき点を頭に入れて、愛猫が元気に年を重ねられる助けをしてあげてくださいね!

 
 

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