犬の鳴き声の意味と聞き分けるためのポイントとは【獣医師が解説】

犬は人のように言葉をしゃべることはできません。しかし、犬の鳴き声を聞いてみると、状況によってその鳴き方が違うということに気付きます。

犬の鳴き声は、人の言葉の代わりとなるコミュニケーションツールであり、その鳴き方で感情を表現したり、人や他の犬に何かを伝えようとしているのです。

そこで今回は、犬の鳴き声をテーマにしてみました。犬の鳴き声を聞き分けるポイントや、どんな鳴き声の時にどういった意味を持つの可を解説いたします。

犬の鳴き声の意味を知っておくことで、犬とよりよいコミュニケーションを取れるようにしておきましょう!

 

犬の鳴き声の聞き分け方

犬の鳴き声の意味を勉強する前に、まずは聞くときのポイントを知っておきましょう。

犬の鳴き声は以下のようなポイントに注目して聞いてみてください。

声のトーン(高さ)

犬の鳴き声を聞き分けるために最も注目してほしいのは、声のトーン(高さ)です。

一般的に、高い声を出すときは友好的、低い声の時は敵対的なことが多いです。例外もありますので、記事の後半も参考にしてください。

声の長さ

「ワン」と短く鳴くのか。「ワオーン」や「クーン」など少し長い声を出すのかもどういった意味を持つのかを聞き分けるのに大切です。

鳴く回数(1回・連続)

1度だけ鳴くのか、それとも何度も連続して鳴くのかというのも、鳴き声の意味を考える上では大切ですので注目してみてください。

鳴き方の種類

犬の鳴き方には「ワンワン」以外にも「クーン」「キャンキャン」「ワォーン」など様々あります。

それぞれ使い分ける犬も多いので、注意して聞いてみましょう。

声以外のボディランゲージ

犬は人のように言葉を使い分けられない分、声以外のボディランゲージで感情を表現することが非常に多いです。

ボディラングエージで注目しておくべきなのは以下の通りです。

  • 犬の姿勢(立っている、伏せている、前足を下げてお尻を上げているなど)
  • しっぽの動き(直立、素早く振る、ゆっくり振る、下げている)
  • 表情(鼻のしわ、眼尻の位置、目線など)

これらのボディラングエージを鳴き声の情報と合わせることで、より犬の感情がわかりやすくなります。

 

鳴き方の主な種類

では、具体的な鳴き方とその意味について考えてみましょう。

「ワン」という鳴き方

まずは最も一般的なワンワンについてみてみましょう。「キャンキャン」や「バウバウ」もほとんど同じ意味になります。

高い声で何度か「ワンワン」

最も一般的な犬の鳴き声の一つが、高い声で何度か「ワンワン」「キャンキャン」という鳴き声です。

こういった鳴き方をする場合には、喜んでいたり何か要求がある可能性が高いです。しっかりかまってあげることで鳴きやむことが多いです。

何度も速いペースで「ワンワンワンワン」

何度も速いペースでワンワンワンワンと鳴いているときは警戒心や恐怖心がある時が多いです。

玄関に来客が来た場合や、他の犬が近寄ってきた場合にこのような鳴き方をします。

低い声で何度もワンワン吠える場合には、警戒心から近づくなというサインであることが多いです。

こういった鳴き方をしている時にはまずは安心してもらえるよう、おやつを与えたり、コマンド(お座り、お手など)をして落ち着かせてあげるといいでしょう。

低い声で一言「ワン」

低い声で一言「ワン」という鳴き声は、相手に警告を与えるためのサインです。

しっぽを立ててゆっくり振っている場合には、攻撃されることもあるので、無理に近づかないようにしましょう。

高い声で1~2回「キャンキャン」

痛みがある時は、高い声でキャンキャンと鳴きます。どこか触ってキャンキャンと鳴く場合にはその部位に痛みがある可能性が高いです。

「クーン」という鳴き方

「クーン」という鳴き方も比較的よく聞きく鳴き方で、よく感情を表しますので、その意味をしっかり知っておきましょう。

上目遣いで「クーン」

上目づかいでクーンという時は、甘えてかまってほしい時であることが多いです。

かまってもらえなくて拗ねている時もクーンと鳴くことがありますので、できるだけスキンシップを取るようにしてください。

目を合わせずに「クーン」

目を合わせないようにしてクーンと鳴くときも、少し拗ねている可能性があります。何が不満なのかを考えて、欲求不満を解消してあげましょう。

尾っぽを丸めて「クーン」

尾っぽを丸めてクーンと鳴くときは、何かしら恐怖や不安を感じている時です。

体調不良や痛みがある時もクーンと辛そうに鳴くことがありますので、元気や食欲など一般状態に注意をして、何か異変がある場合には動物病院で診てもらうようにしてください。

「ワォーン」という鳴き方

ワォーンは、遠くの犬とのコミュニケーションに使う遠吠えです。他の犬の声が聞こえたり、他の犬の存在を感じたときに遠吠えをすることがあります。

時々、救急車のサイレンや防災放送などに対して遠吠えする犬がいますが、それらはそれらの放送を遠吠えと勘違いして、それに応えるために「ワォーン」と鳴いているのです。

 

体調不良が疑われる鳴き方

犬がいつもと違う鳴き方をする場合には、病気がある可能性もあります。以下のような変化がないかどうかしっかりチェックしてみましょう。

声が出ない(枯れている)

犬は人と同じく声帯を持っており、声帯を震わせて鳴き声を出します。

鳴き声が出ない場合や、いつもと違う鳴き方をするときは、喉(声帯やその周りの組織)に異常がある可能性があります。

最も多いのは喉頭炎で、犬のいわゆる風邪(ケンネルコフ)などでのどに炎症を起こすことで声がかすれてしまうこともあります。

また、喉頭麻痺や喉頭腫瘍など大きな病気でも声が出なくなったり、声がかすれたりすることがありますので、高齢の犬では特に注意が必要です。

いつもよりキャンキャン鳴くことが多い

何か痛みがある場合には、ちょっと触っただけでキャンキャン鳴くことも多いです。

足腰の痛みだけでなく、お腹の痛みなどがあることもあるので、他に何か症状がないかどうか(元気食欲、下痢、嘔吐、跛行など)を確認しておきましょう。

無駄鳴き

突然、意味もないのに鳴くようになった場合、脳に異常がある可能性があります。

脳炎や脳腫瘍、脳梗塞などの大きな病気以外にも、犬にも認知症があります。

高齢になってから急に鳴くようになった場合には、認知症を含む脳神経疾患の可能性もありますので注意してください。

留守中だけ異常に鳴く

飼い主さんがいるときにはリラックスして静かなのに、留守になったら一日中鳴いているという場合には、分離不安である可能性があります。

分離不安は行動療法で治療することが可能ですので、分離不安が疑われる場合には、動物病院やトレーナーさんに相談してみましょう。

 

まとめ

犬が鳴くのには何かしら意味があり、自分の気持ちを伝えるために鳴いていることが多いです。

そのため、鳴いてうるさいからと怒って静かにさせるのではなく、その原因を考え、その原因を解消する方法を考えてあげましょう。

鳴き声を聞き分けることができれば、飼い主さんと愛犬のきずなが深まり、より良い関係を築くことができる可能性もあります。

また、鳴き声は時に愛犬の体調の変化や病気のサインになることもあります。

日頃から愛犬の鳴き声に注目し、普段と違う鳴き方をする場合には、その他に変わったことがないかどうかを観察し、病気の可能性がありそうであれば動物病院に行くようにしてくださいね!

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ABOUTこの記事をかいた人

後藤大介

岐阜大学農学部・獣医学科(現応用生物科学部・共同獣医学科 ) 卒業。大阪・北海道の動物病院に勤務し、2018年、岐阜市にアイビーペットクリニックを開業。生まれ育った地元で、ペットと家族の幸せのためのお手伝いをしたいと考えています。病気の治療だけでなく、ペットの健康のための情報発信や、地域の飼い主さん同士が交流できるような動物病院を目指しています。