2017年6月29日更新

「いやだ!」のサインを読み取ろう!犬のカーミングシグナルとは?

長谷川真理恵



JKC A級トリマー、JKC C級ハンドラー

グルーミングスクールに4年通い、JKC A級トリマーライセンス、JKC C級ハンドラーライセンスを取得。フリーのトリマーとして働く傍ら、在学中にモデル犬として迎えたトイプードルのチャンピオン完成をきっかけに繁殖学・遺伝学を学び、ドイツやイギリスのブリーディングスタイルをモデルとして極少数頭のみのブリーディングを手掛ける。主人の海外赴任に伴い愛犬とともにドイツへ越した後、現在はベルギー在住。日本とは大きく異なるヨーロッパにおける"犬とは"を日々体感中。

 

愛犬を日々観察していると、人や他の犬に対して実に様々な表情や行動をしていると思いませんか?

この行動はどんな意味なんだろう…?
もっと愛犬の気持ちを知りたい!
そんな方におすすめなのがカーミングシグナルを知るということです。

 

カーミングシグナルって何?その意味と役割とは

カーミングシグナルは言葉を発さない犬の言葉として意思表示に使われる行動で、ノルウェーの動物学者Turid Rugaas氏により発表されました。
カーミング(Calming)=落ち着かせる、シグナル(Signal)=信号の意味で、喧嘩を避けたいという相手への意思や自身を落ち着かせるための犬の行動のことを言い、27個の行動に分類されています。
またこの行動はオオカミ時代から受け継がれているというのだから驚きです。

カーミングシグナルは何も犬同士の間だけで使われるものではなく、我々人間に向けて発せられることもあるので、日々の行動の中で愛犬の気持ちをより理解する鍵にもなりますよ。
代表的なものをいくつか見ていきましょう♪

あくびをする


あくびには「眠いなぁ…」という意味ももちろんありますが、「もう止めてほしい!」というときにも見られる行動です。
何か嫌なことをされてストレスを感じている、不快だ!と言っているんですね。
我が家の愛犬は爪切りの際にこのカーミングシグナルをよく使っています。

また自分の気持ちや相手の気持ちが高ぶって興奮しているのを抑えるためにも用いられます。

 

顔、目をそらす

これはお散歩やドッグランで会う犬同士によく見られる行動で、
「あなたに敵意はありませんよ」という意思表示です。
知らない犬に会って不安な気持ちから、自身や相手を落ち着かせようとしています。

逆に面と向かって目を合わせていたら喧嘩を売っているところ。
愛犬や相手が好戦的な性格の場合は気をつける必要があります。

口や鼻を舐める


叱られたときや動物病院に行った際、愛犬がしきりに口元をペロペロとしている姿を見たことはありませんか?
これは何かに対し嫌だな、と不安を感じたときに落ち着こうとして見せる行動です。

逆に愛犬が飼い主や同居犬の口元を舐めるのは親愛の証。
子犬が母犬の口元を舐めて食事をねだる行動の名残りと言われています。

頭や体をブルブルっと振るわせる

犬がブルブルっと体を振るわせる仕草は体が濡れたとき以外でも見ることができます。
これは不快だなという意思表示や、興奮を落ち着ける際に見られるカーミングシグナルです。

しつこくお尻を嗅がれるのが嫌な犬が、「はい、おしまいね!」と言わんばかりにブルブルっとしていたりします。

座る、伏せる


ドッグランなどでよく見られるカーミングシグナルで、犬同士の遊びがヒートアップしてくると、1頭がさっと座ったり伏せたりしてみせます。

これは「ちょっと一旦落ち着こうぜ!」と興奮を抑える行動で、成犬が子犬にみせることもあります。

人と犬、犬と犬の間に入る

お散歩で飼い主さんの元へ他の犬が近づいてきたとき、もしくは多頭飼いの犬たちのところに他の犬が来たとき、他の犬との間に割って入ることがあります。

これは見た目そのままの意味で、「これ以上近づかないで!」という警戒の意思表示です。
喧嘩になる前に警告することで未然に防ごうとしているんですね。

弧を描くように近づく

知らない人や犬に「敵意はありませんよ」と伝えるために見せる行動で、相手を安心させるために使います。

逆に相手の真正面から近づいていく犬は喧嘩に発展する可能性もあり、注意が必要です。
また知らない犬に正面から近づいていく人は犬にも警戒されがちなので、ぐるっと回って横について安心させてあげましょう。

お尻を高く上げたまま、前足は伏せる


伸び~っとするときのような体勢で、これは「遊ぼうよ!」と相手を誘っている行動です。

相手の緊張を解いて、自分に敵意はないよという意思表示なんですね。
これで相手も乗り気になると、途端にじゃれあいや追いかけっこが始まります。

犬の感情表現は実に多様!

常日頃、「犬も言葉が話せたらなぁ…」と思う飼い主さんも多いかと思いますが、犬には犬の方法で私たちに様々な意思表示をしてくれています。
犬の言葉・カーミングシグナルを知っておくことで、愛犬はこんなときに不安になっているんだな、これが苦手なんだなということがより分かり、安心させてあげることで飼い主さんとの絆もより深まることでしょう。
また遊びの中で愛犬がヒートアップしすぎた際、こんな行動は止めてほしい!などこちらの気持ちを伝えるためにも使えます。

愛犬とのお散歩や日常の中でもよく見られる行動なので、ぜひ観察してみてくださいね。

 
 

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